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木造校舎と薪係#1

 こんにちは👋N.です。


 今から約40年前の話。


 私が通っていた高校は、(遠くから見ると)きれいな海沿いにある木造校舎だった。
 1913年(大正2年)に開校。
 校舎は戦後再建築された。その時に初めて女子トイレが2つ、設置されたそうだ。

 “時代を感じるなぁ。”

 私が通うときには、もちろん女子トイレはしっかりあったが、男女比でいうと
2:1くらいだった。
一学級40人。男子が圧倒的に多かったため、女子生徒を優遇してくれる風潮があった。


 木造校舎の冬は過酷極まりない。
 
 毎朝、川が凍り「蒸気霧」が発生する寒い朝。
 まばたきすれば睫毛はパッキパキ。呼吸をすれば鼻の穴はふっつき、口元のマフラーは息ですぐ凍る。
 
 学校に着いて木造の下駄箱から上靴をはくと、踵がバッキバキに凍っていてとても危険だった。


 大変だったのは、そんな日の「日直=薪係」。
 教室はルンペンストーブで、毎朝日直が外にある薪を一日バケツ2つ分を取りに行かなければならない。
少し遅くなると、無情にも薪は少なくなる。
 持って来た薪を手際よくストーブに入れて、火をつける。
 こんな大変な作業がある日直は、女子生徒は免除してくれた。

 おかげで毎朝、登校する頃には教室はフワッと温かくなっていた。

 
 
 
男子生徒の優しい温もり。


 


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