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コナン映画で「瞳の中の暗殺者」を超えるものはない

はじめに申し上げておくと異論は認めます。大いに認めます。
このnoteの片隅でだけで断言させてください。

私のコナンファン歴は20年ほどです。にじゅ、、(大ダメージ)
気がつけば家の本棚にその漫画が並んでいました。当時兄が買い集めていたものです。
時がたち私が勝手に収集を引き継ぎました。そこから大学2年の頃まで集めていたと思います。
(一度コナンから離れた時期があって友達に全巻タダであげてしまいました。なんたる失態。)

単行本収集は止まってしまいましたがいまでもたまにKindleで購入したりもしているので最新刊は持っています。

そんな細く長いお付き合いの「名探偵コナン」

映画はもちろん全て観ています。
ほぼ映画館で観てきました。
バスジャック事件から登場してようやく赤井さんが主役(?)を勝ち取った「緋色の弾丸」、コロナで延期になってしまいましたね。
無事みんなで観れる環境が整ったらいいな。

今回記事にするのは赤井さんではなく、もう何度観たかわからない「瞳の中の暗殺者」についてです。

これ、瞳の中の"アサシン"ではなく"あんさつしゃ"って日本語読みなんですよね。
コナン映画は「緋色の弾丸」を入れて計24作品あるのですが、そのうち英語読みやカタカナ表記を含まない作品って4作品しかないんです。

格好よく英語読みできるのに、あえて日本語のみというところに意味があるのか響きの問題なのか‥

2007年公開の「紺碧の棺」
これ、なんて読むと思いますか?
"こんぺきのジョリー・ロジャー"なんですよ。

ジョリー・ロジャーは本来海賊旗を意味します。棺はcoffinとかcasketみたいですね。

映画を見なければ「なんのこっちゃ?」と思われるかも知れませんが、作中で海中に沈んでいる海賊船に作品の核となる海賊が眠っていたという伝説が出てきます。なので棺=海賊船→海賊旗というわけです。
いやなんで海賊船が海賊旗になる、と言われますと海賊旗がこの映画のキーポイントだからとしか‥あの、私も言っててよくわからないので、多分響きですね。
やっぱりコナン映画は題名の響きもかっこよくなくちゃ!!!!

だいぶ脱線しましたが続けます。
「瞳の中の暗殺者」の魅力とは?
(以下「瞳の~」とします)

※以降ネタバレしかありませんのでまっさらな気持ちでご覧になりたい方は読まないほうがいいです。

ミステリーとアクション

TVアニメコナンはガス会社がスポンサーのため建物を容易に爆発させることができない、なんて嘘か真かわからない話がまことしやかに囁かれていました。その分映画ではもういくらぶっ壊しても全然大丈夫!!!と言わんばかりに爆発に爆発を重ねててコナン映画の犯人はゴジラといい勝負です。

よくコナンの総死亡者数が話題になりますが、私は総被害額の方が気になる。(多分ネットを探せば被害額出してる人いるんでしょうね。すごい。)
だいたい鈴木財閥が出資してる建物が壊される。そろそろ鈴木財閥はコナンくんに園子への接近禁止令ないし財閥出資の建物への出入禁止令を出してもいいと思う。

建てたばかりのビルも、できたばかりの総合リゾートパークも、最新鋭機器を搭載した美術館もありとあらゆるものが爆弾でぶっ飛ぶ。セキュリティーどうした。
いや、ほんと、造った人たちの苦労を考えると涙が出てくるんです。

そんな爆発が売りのコナン映画ですが、「瞳の~」はかなり良心的。ホテルの電気系等を破壊して停電を起こす程度で済みます。

その後派手な爆発などはなく、アクションも終盤までほぼありません。ずっと推理のターン。

アクション映画なコナン映画も楽しめるのですが、人間を辞めてはや十数年のコナンくんを少し休ませてあげたい気持ちもあるんです。コナンくんチートすぎるよ。

「瞳の~」はアクションも終盤までお預け。(これもまあ結構派手なスケボーシーンですが)

映画冒頭で刑事さんが撃たれてしまうのですが、偶然出くわした少年探偵団に(主にコナンくんに)ダイイングメッセージを残すんですね。
ダイイングメッセージ‥!!懐かしい響き‥!!

これ、最近のコナンくんだと多分秒でわかってしまうんですよ。おそらく。でもまだここでは謎のまま。

そして中盤にかけて、そのダイイングメッセージが立派なミスリードとなります。
容疑者もちらほら。推理物っぽくて楽しいです。(小並感)

冒頭で殺害された刑事が胸を指し示した意味とは何なのか。

この作品の合言葉は「Need not to know」
意味は《知る必要のないこと》、作中で警察の隠語として出てきます。
小五郎のおっちゃんが白鳥刑事にこう言われてなにも言い返せなくなってしまうんですね。
「知る必要のないことだ=犯人は警察内部にいるから部外者は立ち入るな」というようなことのようです。

胸を指し示したのは、胸ポケットに入っている警察手帳を指したと判断されたわけです。

当時子供の私は「かっこいい‥」と思ってましたが警察が英語を隠語にしてたら嫌ですね

そして次々に殺害され、襲われる刑事たちに共通するある事件の存在をコナンくんたちは知ることとなります。

後程書きますが、作中で蘭ちゃんは記憶喪失になってしまいます。だからなのか、作品は終始静かに進んでいく。なんか、絡み合う事件と併せてこの静けさが王道ミステリーっぽい‥

数日間の聞き込みという地味な作業を終え、コナンくんは真相を突き止め、それを報告するべく各所に連絡しますが繋がりません。固定電話と公衆電話の時代なんです‥個人じゃなく場所に連絡することしかできない時代です。

そこで小五郎の美人奥方、妃弁護士の事務所へ連絡。いつもながら超有能美人秘書が、妃弁護士が蘭ちゃんと合流するべくトロピカルランドに向かったことを教えてくれます。

蘭に危険を知らせることができない!俺もトロピカルランドに行かないと!スケボーで!

ここからアクションシーンが始まります。ミステリーを終えてからのアクションへの移行がスムーズ。被ってなくて素敵。

難しいんですよね、テクノロジーの進化のなかでミステリーだけでなんとかするのって。だってここも現代では助けに行かなくても、携帯で「犯人は○○!」とか、危険を伝えることが容易にできてしまうんです。盛り上がらないのなんのって。

だからもう圏外か陸の孤島かまじの孤島以外、本格ミステリーの生きていく場所はないんでしょうね‥

今作でもコナンくんの圧倒的スケボー能力がいかんなく発揮されます。
トロピカルランド内にいる蘭ちゃんを探し出すってところなんですが、もうね、早いの。
ディズニーランド内ではぐれた友達を携帯なしに探し出せって言われても開演から閉園まで時間もらっても無理。しかも相手は自分のことを探していない状況。無理。

それでも見つけ出すのがコナンくんです。
コナンくんはまず、望遠鏡でパーク内を見渡せる展望フロアに向かいます。
そこで望遠鏡を覗き込み「蘭、どこだ!どこにいる‥!」と探すんですね。そして見つけます。愛の力で。

しかしそこはここからは遠い。
いち早く蘭ちゃんの元に向かうため、コナンくんは空間認知能力をいかんなく発揮して島から島をスケボーで飛び回っていくんです。意味わかりますか。

広いテーマパークのどことどこが繋がっていてどのようにスケボーで移動すればいいのか瞬時に判断できるんです。

トロピカルランド(コナン作品の原点)はテーマごとに島に分かれています。ディズニーランドもトゥモローランドとかトゥーンタウンと分かれていますが、それを島ごとにした感じ)

アトラクションのコースを滑り下りその勢いでジャンプして隣の島のジェットコースターのレールに飛び移って移動するんです。意味わかりますか。

コナンくん人間辞めたのここからだったかも‥

そしてついに蘭ちゃんをキャッチ!犯人に銃で狙われてしまい、周りの人間に被害が出ないよう一人で逃げてしまう(優しい)蘭ちゃん。でも危ないやで走り回るのは。

そこから二人の逃避行が始まります。
これはまた後述します。

アクションシーンは短いですがインパクト大。映画の大半を占めて静かに進むミステリーと、後半から魅せるアクション。このバランスがミステリー好きとしてはたまりません。

魅力的なオリジナルキャラクター

「瞳の~」に限らず劇場版には多数のオリジナルキャラクターが出てきます。劇場版第一段の犯人森谷帝二なんかも素晴らしいです。さすがホームズの宿敵モリアーティ教授から名前を貰っているだけのことはあります。クセがすごい。

本作にも素敵なオリジナルキャラクターが存在します。ミスリードにはかかせない怪しい人物がちらほら。コナンくんと一緒に調査に行ってくれる女性ライターさんも、微かに怪しさを残してくれるため意識せざるを得ません。

なかでも!!私が注目してほしいのは2名。

1人目はこの方

小田切敏郎(56歳)
警視庁 刑事部部長

シブい。いぶし銀とはまさにこのこと。作中での登場時間は短いのですが、存在感が半端ではない。
人気だったからなんなのか、この頃劇場版にちらほら登場(映る?)します。

息子が成人反抗期真っ只中のロッカーで容疑者に浮上するんですね。そのため息子を庇うため事件に加担しているのではと疑惑をかけられます。おまけに犯人は左利きでこの人も左利き。

小田切刑事部部長は、コナンくんと女性ライターさんが訪問してきても、無下には帰さず話を聞いてくれます。もちろん事件の解決は警察がする!と情報をくれたりはしませんが。

ラストシーンを飾るのもこの人なんです。

家の中でも和服。居合い切りまでしてた。
厳しい父親のもと、息子さん、グレるしかなかったんだろうな‥

2人目はもちろんこの方

風戸京介(36歳)
心療内科医師 犯人

犯人の豹変っぷりが話題となるコナン映画ですが、この方は間違いなく豹変レベルベスト3に入ります。序盤終盤でもうほぼ別人。誰だお前は。目尻整形したんか。
豹変ぶりを表現してる井上和彦さんは流石ですね。

警視庁御用達で信頼の厚い心療内科の医師なんですが、なのでまあ自分の都合の良いように話を持ってくわけですね。これ、この人が犯人だと判明するまでわからないけど、判明した後は、「ああ、だからあのときあんな風に言ったんだなあ」と見返して2度楽しめます。私はもう何度楽しんだかわかりません。

この人の犯行理由がまたやばいのなんのって。自分の犯行を隠すためにまた人殺してたら本末転倒なのでは‥おバカ‥お前天才やったんちゃうんか‥

この人は序盤ではセリフ、終盤では表情に注目してください。

友情と愛

先述した通り、蘭ちゃんは記憶喪失に陥ります。
理由は自分の行動が引き金となり佐藤刑事が撃たれてしまったから。

いや、この問題のシーン思い返すと佐藤刑事が瞬時に危険を察知して「ダメぇ!蘭さん!」って懐中電灯消させようとするところすごいな。暗闇で犯人見えてないはずなのに、懐中電灯が光ってた意味を理解して蘭ちゃんを庇おうとしたんだもんな‥優秀‥

記憶を失った蘭ちゃんには、少年探偵団と園子が付いていてくれます。
少年探偵団たちの活躍もね、素晴らしいんですが、個人的には園子が良すぎる。

園子と蘭ちゃんの友情に泣けます。

記憶を失ったとわかった瞬間には気丈に振る舞っているのに、眠る蘭ちゃんの傍らにいる時につい泣いてしまうんですね。

「たとえ記憶が戻らなくても、私はずっと、友達だからね」

嗚咽を堪えながら言うんです。
園子ーーーーーーー!!
ええ子や‥ほんまに‥いつも強気でコナンくんをガキンチョ呼ばわりする彼女ですが蘭ちゃんの大親友なのは確か。めっちゃいい子なのも確か。


そして蘭ちゃんが起きているときはいつものように明るく振る舞って記憶が戻るお手伝いを甲斐甲斐しくするんです。はあ‥京極さん見る目あるな‥

園子と蘭ちゃんの関係性がよくわかります。
最後に、蘭ちゃんが記憶を取り戻したとわかったとき、園子が不安そうに自分の記憶を確認すると、蘭ちゃん笑顔で答えてくれるんです。

「じゃ、じゃあ私のことも‥?」
「もっちろん。鈴木園子。私の一生の友達よ」

泣きました。園子と共に。

この蘭ちゃんの記憶を取り戻したのはもちろん新一です。
記憶を無くした彼女のそばに、本当は誰よりも居たかった人物。
周りからもこんなときにどうして居ないのかと目の前で言われてしまいます。いま‥ちっさくなってそばにいるけど‥

華麗なるスケボーさばきでコナンくんが無事に蘭ちゃんをキャッチした後、人混みに紛れて逃げようと提案するも、すでにトチ狂い始めた犯人は問答無用で撃ってきます。

犯人はもうなりふり構わないとわかると、コナンくんは逃避路線から戦闘モードへシフトチェンジ。犯人との対峙を決意し、逃げるふりして犯人を誘導します。

ここらクライマックスへと向かっていくのですが、もう本当にお見事の一言に尽きます。


前半作中回想シーンで、二人はトロピカルランドの展望フロアに訪れています。

望遠鏡を覗き込むことに夢中で蘭ちゃんは新一が離れたことに気づきません。

そこに冷えたコーラを片手に戻った新一は、冷えたコーラを頬に押し付け驚かせます。

驚いた蘭ちゃんを尻目に時計で時間を確認すると、慌てたそぶりで急に手を引き走り出すのです。



そしてたどり着いたのは噴水広場。円周上に噴射口が広がっており、新一は蘭ちゃんの手を引き中央に立ちます。そしてカウントダウン。



「いちっ!」の声が高らかに響くと、噴水が一斉に沸き上がり、二人を水のベールが囲います。そして頭上には虹がかかり、「オメー、こういうの好きだろ」と照れつつも都大会優勝を祝う新一。

噴水が終わり、二人がコーラの缶で乾杯しようとプルトップを開けると、走ってきた振動で炭酸が噴射。コーラまみれになったお互いを見て笑い合う二人なのでした。





青い…鮮やかな青がまぶしくて正視できない…



このシーン、単純にトロピカルランドは二人の思い出の地であることの確認みたいなものだと思ってたんですね。でも、もうここから伏線が張られ始めていたんです。







記憶を思い起こすため訪れたトロピカルランドで、蘭ちゃんは園子からコーラをもらいます。園子も新一と同じように冷えたコーラを頬に当ててから渡すのですが、このとき蘭ちゃんには新一の幻影が見えます。缶を握りしめそのまま飲むことができず、リュックの外ポケットに仕舞われたコーラ。


そしてパーク内のボートで犯人とのボートチェイスを繰り広げているとき、犯人の放った弾がリュックをかすめコーラが噴出します。

「あ、コーラが…!」蘭ちゃんのリュックから吹き出る液体を見たコナンくんはここで思い至るのです。あの、かつて蘭ちゃんのために新一自身が連れていった噴水広場を。



噴水へ向かう途中、ついに犯人と対峙。
怯える蘭ちゃんを庇いつつ、自身の推理を披露。名指しされた風戸先生はついに姿を表します。ここで全身黒タイツは晴れて卒業ですが顔が変わってるのでもう髪型と声で判別するしかない。

風戸先生は逃げるコナンくんたちを執拗に追ってきます。ねぇ、ランド内そんな誰もいないんか。廃業寸前なんか。

そして丸いボートで急流を下っていくアトラクションにたどり着きます。

八景島シーパラダイスのアクアライドⅡのようなやつです

岩影に隠れるけれど下は急流で、逃げ場がない!コナンくんは蘭ちゃんを自身の背後に隠すように腕を回し必死に守ります。

そんな彼の姿に、蘭ちゃんはついに疑問を投げ掛けるのです。

「どうして君は、そんなに私を守ってくれるの?」

ねぇ、どうして、と真剣な瞳で問いかける蘭ちゃんに、コナンくんはふっと笑いかけます。そして横目に見えるボートの影。ゴーショーアオヤマの原画。

蘭ちゃんの手を引き、急流へ飛び込むべく走り出すコナンくん。いや、もうここは新一ですね。

コナン映画史上最もクサく熱い愛の告白シーンです。

「好きだからだよ」
「オメーのことが、好きだからだよ」

「この地球上の、誰よりも」

バッシャーーーーーン

ここ、すぐにボートの下に潜り込む緊迫したシーンで良かったよ。
あんなドでかい愛の告白しておきながら瞬時に「息をめいっぱい吸ってボートの下に!」って指示ができるコナンくんすげえよ。

実はここのセリフも、作品前半で、小五郎からのプロポーズの言葉として妃さんが蘭ちゃんたちに話してるんです。(コナンくんはここの話を知らないので無意識に小五郎と同じ事言ってるってオチが最後に)

トロピカルランド、コーラ、告白の言葉、全て新一が関係し新一の放つ言葉によって、蘭ちゃんの記憶は無意識下で少しずつ少しずつピースが填められていくのです。

そしてついに最後の噴水広場へ。
コナンくんは時間を確認し、蘭ちゃんを広場中央に連れていきます。

そこへ銃声が。
追い付いた風戸先生の放った弾はコナンくんの左嘉多を掠めます。
まさに絶体絶命。

時間稼ぎをするために、コナンくんは犯人に語りかけます。打たないで待ってくれるんだよ風戸先生は。なんて良心的。なんて愚か。

そしてこの窮地のなかコナンくんはカウントダウンを始めるのです。この広場でのその姿に、蘭ちゃんの瞳には新一が映ります。そして二人の声が重なったそのとき、水の壁が姿を現します。

銃口を向ける風戸先生の腕に、下から突き上げる透明な水の壁がかかります。
蘭ちゃんの瞳の奥で、あの日見た、ビニール傘から付き出された銃口が甦ります。

その日から今日までのありとあらゆる出来事が蘭ちゃんの瞳に吸い込まれ、そして、その中で映る犯人の姿。

コナンくんは、きっとここまでは予測していなかったように思います。吹き出すコーラから噴水を思い出し、この水の壁を用いれば一瞬でも犯人の隙をつくことができる。そこで勝負を決めるため、噴水広場に来たはずです。

けれどその行動が、蘭ちゃんの記憶のピースを填める手助けをしていました。

二人の思い出が、新一の蘭ちゃんへの地球規模の愛がこのクライマックスへと導いてくれたのです。

この噴水の一連のシーンが素晴らしいこと、、全てがここに繋がってくる布石となっている。
強い、シナリオが強すぎる。

伝わるかなここの感動が‥伝えたいことの百分の一も伝わらないもどかしさが辛い。
観て、みんな観てもう一度。ここの噴水のシーン観るために最初から観て。

ここからの怒涛の格闘シーンはもうなにも考えないでほしい。蘭ちゃんカッケー!つえー!これだけでいい。ナイフが折れるために必要な速度とか風戸先生の握力とかそんなもの楽しいけど考えないで。
そもそも身体が骨やら臓器ごと異常なく縮む世界だから。考えるな、感じろ。

美しいラストシーン

はい、コナン映画史上類を見ないラストシーンの構図です。
センター、みんな大好きいぶし銀小田切敏郎(56)

この、ぽっと出の、オリジナルキャラクターがセンターなんです。

このシーンの前には、コナンくんと現場に到着した小田切刑事部部長はこんなやりとりを交わします。

「先に真実をに明らかにしたのは、どうやら君のほうだったな。君は一体‥(超渋い声)」

「Need not to know(超イイ声)

ぼくはただの小学生だよ(超カワイイ声)」

小田切刑事部部長はふっと笑みを溢したあと、コナンくんへ敬礼します。

そして、ポケットに片手を突っ込み←重要、去っていくわけです。

ラストシーンの構図ラクガキ

センターなんですよ。ほんとに。コナンくんがこんなにちっちゃく、みんな小田切敏郎(56)を見送るんです。

なぜこんなラストなのか。

バランスの良さがここで出てくるんですよね。コナンくんが主役なんですから良くも悪くもバンバン前に押し出してくれていいので、「ぼくはただの~」でバチっと決めたコナンくんがラストでそのままエンディングが流れてきても良かったはずなのに、あえてこの構図。

コナンくんで終わってしまうと最後のクライマックスが印象的すぎてやっぱりコナンくんすげえ映画になるけど、小田切敏郎(56)がセンターに置き、そのひが笑みを浮かべて去っていくことで、「ああ、警察組織を揺るがす事件が解決したんだな‥」と全体を通して感慨に耽ることができるような気がします。
私の稚拙さのせいで上手く伝えられないのですが。

このラストシーンが、「瞳の中の暗殺者」を、極上の娯楽ミステリー映画に押し上げてくれているように思えてなりません。

最後に

めっちゃくちゃ長くなってしまいました。
本当は本当は

・付き合う前の佐藤高木ペアの初々しさ
・「私だって」の哀ちゃんのシーン
・挿入歌 キミがいれば の素晴らしさ
etc‥

と語りたいことは山ほどあったのですが素材が多すぎて全くまとまらないので泣く泣く割愛いたしました。無念。

私が言いたいことはただひとつ!
こだま監督!!!一度だけでも還ってきて!!

コナンくん、まだまだお世話になります

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