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336 銀行株と金利 そのポイントは!

銀行株と金利を考える上で、そのポイントは;ー
銀行のもっとも単純な利益構造は、受け入れ預金金利と運用利回りのサヤである。この観点を株価に反映させるには、
運用利回りは日本の10年国債利回り、受け入れ預金金利としては無担保O/Nコールレートを代理指標として使う。

昔は、日本の10年国債利回りと無担保O/Nコールレートの差が0.9%以上あると利ザヤが取れた。それ以下だとオペレーションコストなどで利益が十分とるのが難しかった。今は、その水準はもっと小さくなっているだろう。
なので、無担保O/Nコールレートがほぼゼロで動かない今、10年国債利回りが0.9%を越えるべく上昇していく中で株価は長期金利と連動して上昇しがちだ。

ファンドマネージャーが勘案しているのは、

(1)米国10年債利回り。何故なら、米国10年債利回りが日本の10年債利回りを決めているからだ。

(2)短期金利(無担保O/Nコールレート)が動き出すと、10年金利だけでなく、長短金利差に注目する。

(3)今の日本の金利動向を考えるにあたっては、(A)YCCの動向、(B)マイナス金利をいつ解除するか、つまり、短期金利の変動をいつ許すかが重要だ。
既にYCCは実際の相場に合わせて柔軟に対応されているので、こちらのほうは重要ではなくなっている。

以上から、例によって三井住友FGを例にとって見ると、
(銀行株指数や、りそな、地銀株のほうが例としてはいいかもしれないが、お遊びでやっていることなので・・・)

日銀は7月28日にイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を発表し、長期金利(10年国債利回り)の目途を0.5%から、事実上1%に拡大した。株価はその前からそれを織り込む形で上昇。
次は、9月22日の金融政策決定会合を目指して株を買い上げたが、さすがに無理があった。今のところこれがリーマンショック後の最高値になっている。
YCCへの興味が薄れ、今は、通常通り米国金利との連動に戻っている。

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