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105 米国消費者物価 結論先送り

米消費者物価、12月6.5%上昇 6カ月連続で鈍化: 日本経済新聞

米国の消費者物価は、さらに沈静化。

沈静化とい判断したのは、「食料・エネルギー・住居・中古車を除く消費者物価前月比上昇率」の12月が0.163%(年率1.975%)と低い点。3カ月連続で年率2%を下回っている。物価上昇率の基調は低下している。

しかし、手放しで喜べるかというと問題はある。
前回FOMC後にパウエル議長が注目していると言っていた(賃金上昇をより反映する)コアサービス価格(シェルター(家賃)を除いたサービス価格)が前月比で再度跳ね、前年同月比でも11月の7.26%を上回った。
パウエルがこの指標に注目しているのは、一般的にCPIバスケットの中で最も粘着性が高く、賃金・労働市場の強さに大きく左右されるからだ。

12月のコアサービス価格は前月比で跳ね上がった。前年同月比上昇率も高くなった。但し、3か月前比では急速に低下している。今後の方向は判断が難しい。市場も迷ったようだ。


なお、CPIと同時に、新規失業保険申請件数も発表されている。
米新規失業保険申請、1000件減の20.5万件 予想外に減少 | ロイター
1月7日までの1週間の新規失業保険申請件数は1,000件減の20万5,000件と低い(低い方が雇用状況は良好)。労働市場のタイトさは続いているようだ。つまり、賃金上昇圧力は続いているということだ。

今回のCPIデータの結論は、財の価格は低下、サービスの価格は上昇、トータルでは物価沈静化が進んでいることを示した。しかし、完全な判断は先送りだ。
従って、FRBに現在の政策姿勢を変えさせることはないだろう。2月の会合では、予定通りの0.25%の利上げになるだろう。




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