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「手取りを増やせ」でいいのか

大機小機 「手取りを増やせ」でいいのか
誰だか知らないが、与次郎さんという人が書いている。

「103万円の壁」引き上げにより、手取りが増え、パートやバイトで働く人たちの「働き控え」が少なくなる。
しかし、
・社会保険料の「壁」も考慮に入れる必要がある。
税収が減れば、公共サービスは低下せざるをえない。
・社会保障も貧弱になる。

米国のトランプ次期大統領ら共和党は、減税する代わりに公的年金、医療保険などの社会保障はほとんどなくてもよい、と考えている。日本人にそうした自覚はあるのだろうか。

所得控除の引き上げをすれば税収が減ると決めつけている。
ここがポイントだ。
国民民主党は、所得控除引き上げによる減税で税収が一時的に減っても、借金してでも(国民民主党は予算をうまくやりくりすれば、それも必要ないかもしれないと言っているが)公共サービス等は維持する。その先は、減税による経済成長で税収が増える、考えている。

要は、
「所得控除の引き上げをすれば、持続的に税収が減る」 のか、
「所得控除の引き上げをすれば、減税による経済成長で、中長期的には税収が増える」 のかということである。

財務省や、少し前までは多くのエコノミストも、日本は何十年も経済成長してこなかったので、減税しても経済成長しないと考えている。

しかし、このところ、新コロパンデミックとウクライナ紛争による物価上昇がきっかけで、日本の名目GDPが拡大している。日銀もその自信を高めていて、徐々に利上げを進めている。ここで、減税というアクセルを踏めば、自律的な経済成長が始まる可能性は高いというのが国民民主党だ。
財務省は経済成長しないと考えているが、足元では成長している。これを持続させることが重要なのだ。そういう意味では、減税のタイミングは今しかない

日本はこれまで減税という切り札を切ったことはない。減税して経済成長がなければ、まさに、大機小機の言うようになってしまうからだ。怖くて(あるいは、自民税調の支配で)できなかった。しかし、今は足下で経済が拡大している。これまで考えられなかったことが起きている。

玉木さんは言わないが、実は、所得控除の引き上げは低所得の人の働き控えを少なくするだけではない。
所得控除の引き上げの狙いは貧困対策ではない。消費を増やすことだ。
誰も言わないが、本当の狙いは年収300万円から1200万円くらいの人がターゲットだ。減税の効果は、金額的には低所得層の人より大きい。
所得控除の引き上げをすれば、低所得層より高所得層の方が金額的には恩恵が大きいのが問題と言われる。それに対し、「率では低所得層の方が大きい」と玉木さんは言っているが、ホンネは年収300万円から1200万円くらいの人がターゲットだ。
低所得層の人が消費を増やしてもしれている、高所得層の人は減税しても、減税されたお金で何か消費に回すことはないだろう。もともとお金はあるからだ。中所得層の人が、減税されたお金を消費に回す。しかも金額もそこそこだ。

「手取りを増やせ」でいいのか
答えは、今こそ手取りを増やすべきだ。


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