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摩天楼オペラ×キズ at 新宿BLAZE レポ

摩天楼オペラとキズを見てきました〜
摩天楼オペラ主催の『BLAZE THE TRAIL』と名付けられた4本の公演。それぞれ違うバンドを呼んでの対バンライブで、この日の相手はキズ。
会場は新宿BLAZE。会場直前に着いたらやはり人で溢れていました。
整理番号が後の方だったので結局自分が入場できたのは開演15分くらい前。横の扉からだとフロアに入れないくらい混んでいたので、スタッフさんに後ろの扉を開けてもらってフロアへ。
後ろは比較的余裕がありましたが、それでもかなり人が入っているなという印象。

キズ

開演時刻から少し過ぎてスタートしたのはキズ!!!!
キズを見るのは2回目。去年の「V系って知ってる?powered by MARVERICK DC GROUP」で見て以来です。
ライブは「蛙-kawazu-」でスタート!!
セトリは基本的には『仇』以前の曲が中心。
「ステロイド」では摩天楼オペラの苑(vo)とコラボ。苑、本日一発目がこの曲ということもあってか、流石に辛そうでしたが、中盤以降は伸びやかな歌唱を聴かせてくれました。
途中、「リトルガールは病んでいる。」や「十八」も挟みつつ、締めは「ストロベリー・ブルー」。1時間弱ほどのライブでした。
今回キズを改めて見て思ったのが、思ったよりメタルしてないということ。
音源で聴くと、重厚なサウンドでメタルコア〜ニューメタル風のフレーズをタイトにプレイしている、といった印象がありましたが、ライブで聴くと思ったよりヘヴィーではなかったです。
それはこの後に見たのが摩天楼オペラだった、というのもあるかもしれません。しかし、もう一度音源をしっかり聴いてみると、確かにそれっぽくはあるがメタルではないことがわかります。
ドラミングは90年代ヴィジュアル系的なツタツタしたフレーズが多いし、ギターもタイトに刻むフレーズは要所要所で使われているだけで、あとは割と自由。
そして、ボーカルのスクリームはかなり少ないのも事実。「傷痕」くらいでしょうか。軸となるのはハイトーンで迫り上がるメロディー。
つまり、非常に”ヴィジュアル系”だなーと思いました。ハードコアやポストパンク、ゴシックからメタルとさまざまな音楽の要素をごった煮にして生まれたのがヴィジュアル系ですが、それをモダンな音像でプレイしているのがこのバンドなんですよね。
そしてやはり来夢(vo)のキーが高い。あの音域でがなって声が裏返らないのが素晴らしかったです。声量がかなり大きいのもよかったです。メリハリのついた迫力あるパフォーマンスに結びついていました。
一方、楽器隊は一歩引いた演奏をしていたイメージ。ユエ(ba)の「ELICE」におけるスラップなど、ちょこちょこ目立つフレーズはありましたが、大半の時間は堅実にプレイしていました。来夢のイメージありき、というバンドの戦略なのでしょうか。ちょっとラフに聴こえたところもあった気もしますが、音自体も不明瞭だったのでなんとも言えません。
加えて今回実感したのが近年の曲の完成度がかなり高いこと。特に「リトルガールは病んでいる。」。ストリングスのスリリングなイントロから始まり、その後何度も強弱をつけつつ畳みかけるこの曲。「鳩」の後で落ち着いたフロアに鋭いストリングスの音が聴こえた瞬間、オーディエンスの雰囲気が変わりました。湧き上がるフロアを前にして、来夢は曲の展開に合わせて上手く煽り、またオーディエンスもそれに呼応してボルテージを上げていくという相乗効果。この日自分は壁際で見ていたため、フロアのノリが伝わりにくい瞬間もありましたが、この曲に至ってはそんなこともなく、しっかりと熱量を感じることができました。
癖になる強力なメロディーが軸となっているのは初期の頃から変わらないのですが、最近の曲は曲中の展開が滑らかなんですよね。今回は披露されませんでしたが、「雨男」なんかもその良い例だと思います。
一方、それだけに、音は少し残念な面もありました。同期音源がガチャガチャしてしまって、楽器隊のサウンドとあまり分離していませんでした。それで大分グチャッとした音像になってしまったのはもったいなかったですね。まあそれでも音はかなり良い方ではありましたが…。
最後に、メンバーの衣装が軍服っぽいやつだったのは好印象でした。00年代のドロドロした雰囲気をこういうところでも体現してくれるのは、後追い勢からすると嬉しい限りです。あの怪しさが最近のシーンには足りないと思うんですよね。そういった意味でも楽しみなバンドです。
今度はホールとかで見てみたいですね。

摩天楼オペラ

19:20頃に客電が消え、『真実を知っていく物語』中盤のインスト曲である「黒い海」が流れる中現れたのは摩天楼オペラ!!!!
ギターが入ってくるパートからは優介(gt)の生演奏も。
その流れで「終わらぬ涙の海で」からライブはスタート!!!!!
セトリは新譜からが多め。そこに「落とし穴の底はこんな世界」なんかの過去曲を挟み込む形でした。
「天国の在る場所」ではキズの来夢がゲスト参加してました。彼が歌うだけで、先程のキズのバイブスが少し戻ったのは面白かったですね。
本編ラストは「喝采と激情のグロリア」。最後は、オーディエンスにふた回しほど合唱させ、苑のアカペラで締めというフィナーレに相応しい構成。しかもなんとこのアカペラ、マイク無しでした。ライブハウスとはいえそこそこの広さがあるBLAZEですが、そのフロアに力強く響き渡る歌声でした。こういったアカペラパートって耳をすませば聴こえるくらい、というイメージがあったのですが、思ったより声量が大きくて感激。
アンコールは「Invisivle Chaos」。今度はキズのreiki(gt)がステージに立ち、こちらもコラボという形になりました。
ダブルアンコールを求める声もありましたが、結局「Invisible Chaos」でライブは終了。1時間とちょっとのライブでした。
いや、流石のクオリティーですわ。
自分としては見るのは初めてで、今回新譜をきっかけに来ることになったわけですが、あのテクニックの応酬を完璧に再現していました。
特筆すべきなのが響(dr)と優介。ガチガチのメタル畑のミュージシャンだけあって、その実力は化物級。響は、タム回しの隙間に金物を混ぜる手数の多いフレーズはもちろん完璧に叩いていて、その上で安定感もあるというメタルとして完璧なドラミングを披露。そして優介は、クリアなトーンで正確にギターソロを弾き切るし、そして彼もまた正確なリズムをもったプレイを行っていました。なかなかお目にかかることのできないレベルの演奏でしたね。低音リフの刻みパートなんてそれに合わせて自分の足元のフロアまで振動してました。
もちろん他のメンバーのプレイも素晴らしく、燿(ba)の甘めなサウンドはソリッドなドラムとギターの橋渡しをしていました。また、彩雨(key)のサウンドも変幻自在でこのバンドの神聖な世界観の構築に大きく貢献していました。
同期音源によるオーケストラのサウンドも本格的。音響にもこだわりがあるのでしょうか、しっかりと響いていて、荘厳な雰囲気を演出していました。
そして極めつけは苑のボーカル。昔から伸びやかなビブラートのパワーがあるなあと思っていましたが、まさか生でもあのクオリティだとは。突き抜けるようなハイトーンがただただ冴えていました。低めの曲はもちろん、「Invisible Chaos」までもかなりの精度で歌いこなしていたのは見事でした。あの曲、なかなかキーに無理があると思うんですけど、上がるところのピッチも結構正確で驚きました。そんじょそこらのボーカリストには出来ない芸当でしょう。「喝采と激情のグロリア」のアカペラも含め、メロスピとしては理想的なボーカルワークでした。
ソリッドなメタルサウンドがメロディーの起伏を増幅させる、最高のパフォーマンスでした。近いうちにまた見たいし、これからの作品にも期待です。このラインナップであればメタル志向は変わらなそうなので…!
あと、曲によってはオーディエンスがサイリウムを振っていたのが面白かったです。このサウンドでサイリウムというギャップよ。とはいえ、パワーメタルってなんか独特の空気感あるからまあわかるっちゃわかる。

以上、摩天楼オペラ×キズのツーマンの感想でした!!!
次回のライブは日産スタジアムでB’z!!!!!!

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