見出し画像

【LIVE IN TOKYO 2023】Limp Bizkit/花冷え。 at 東京ガーデンシアター

Limp Bizkitと花冷え。を見に行ってきました〜
この日、11/20の会場は東京ガーデンシアター。なので午後休を取って現地へ。
17時ごろに同行者と国際展示場駅で合流。そのまま会場の方へ向かいました。
同行者も自分もこの会場に来るのは初めて。ということで近づくにつれて色々な施設が見えてきて不安になりましたが、どうやら有明ガーデンというショッピングモールに併設されているようで、とりあえず17時半ごろには会場に着きました。
とは言っても、物販も無いし外は寒いしでモール内のフードコートで夕食を摂ることに。そうでなくとも色々入っているモールだったので、時間を潰すには最適でしょう。こういう場所が近くにある会場はいいですね。ライブ前の微妙な時間、結構どうしようもない時あるので…。
結局18時半ごろに入場。中のバーカウンターでビールを確保し、スタンドへ。
本来ならアリーナでわちゃわちゃしたいところでしたが、値段がなんとも…。まあ差額払ってでもスタンディングで見るべきだったと後ほど後悔しましたが。
いざ入場すると思ったより客入りが良くて一安心。あれほどチケット売れてないと言われていたのはなんだったのか。それでも黒い幕で潰している席もかなり多かったけれど…。

花冷え。

19時ぴったりから始まったのは本日のオープニングアクト、花冷え。!!!!
自分がこのバンドを見るのは初めて。先日のNEX_FESTでも見れるかと思ったのですが、サブステージが信じられないほど混んでいて断念。そのため、今日は結構楽しみにしていました。
ライブは「超次元ギャラクシー」からスタート(らしい)。
自分はまだこのバンドのことをよく知らないので、分かったのは「NEET GAME」、「今年こそギャル 〜初夏 ver.〜」、「お先に失礼します。」くらい。
「お先に失礼します。」で締め。何というか、よくできたセトリだ。しっかり盛り上がる曲でもあるし。
さて、まず思ったのは、このホールという規模感には慣れていなさそうだなということ。実際、このバンドにとって過去最大クラスのステージだった(日本では)そうで、序盤はこの広さを持て余しているようでした。後半ではサイズ感にも慣れ、前半よりはノリを掴めていたようですが、まだ青さがあったように感じます。
まあこれにはバンド本体よりも、音響面での問題が大きかったと思います。
まずドラムは良かった。こういうタイプの音楽性でここまでクリアに聴こえることはなかなかないでしょう。キックやスネアがキチンと聴き分けられる巧みなサウンドメイクでした。
あとボーカルもかなりクリアでしたね。声の輪郭がかなりガッチリしていて、ピッチや発声まで正確に伝わるほど。
一方で、ギターはボワッとした轟音の塊となってしまっていました。ヘヴィなのはよく伝わるのですが、フレーズの機微などは全く分からずじまい。リードフレーズはそこまで多くないバンドとはいえ、もったいなかったと思います。
そんなこんなで、演奏面のクオリティはあまりよく分からなかったのですが、少なくともドラマーは上手かったですね。派手なタム回しなどはあまりないものの、全体的にダイナミックかつ安定感もあり、終始気持ちいいプレイでした。自分と同世代とは思えません。
ボーカルも、最初はぎこちないところがありましたが、後半になるにつれて改善。スクリームのキレも向上していました。てかスクリームとアニメ声がメインボーカル、クリーンがギターボーカルというパート分けなんですね。自分はてっきり3人でやってるものだと思っていました。こりゃ大変だわ…。
加えて感じたのは、やはり生のバンドセットで聴いた際のイメージの変化。
音源ではJ-POP/アイドルソング/アニソンの影響を強く感じるシンセや電子音の存在感が大きく、キャッチーでポップな印象が強いと感じていました。
一方で、ライブではバンドサウンドがガツンと響くことによって、パンチのあるラウドサウンドに変化。特にドラムが際立つことで、がっちりとメリハリがつき、ハードに聴こえるようになっていました。
個人的には、多様なシンセ/ホーン/電子音がアニメ声のボーカルと絡み合うことで強烈なフックになることがこのバンドの魅力だと感じているので、その意味では少し残念。
以上、花冷え。の感想でした。

色々思うことはありましたが、予習&ライブでどんどんハマってきたので早いうちにライブハウスとかで見たいです。今のうちに見ておかないとどんどん規模感が大きくなりそうなので…。

Limp Bizkit

今日のメインアクトはLimp Bizkit!!!!
花冷え。終了後、転換タイムがあったので、自分は喫煙所へ。
するとそこで既にリンプを流しながら熱唱してる集団が。自分含め入ってきた人は一瞬面食らっていましたが、この日この場にいる人はリンプを見にきたわけで。最終的にはほぼ全員口ずさんだりノリだしたりして、しっかり盛り上がっていました。
そんなこんなでテンションを上げて自分の席に帰り、少しして暗転。
ライブは新譜の「Out Of Style」からスタート!!!!
序盤は新譜続きかなあと思っていたら3曲目で「Hot Dog」からの「Rollin’ (Air Raid Vehicle)」。ここで観客のボルテージも急上昇。一気に火がついたようにフロアが盛り上がっていました。
そこからは往年の名曲がメイン。「My Generation」や「My Way」など惜しげもなく繰り出していきました。「Faith」など1stからの選曲はあったのは予想外でしたね。
「Take A Look Around」終了後、Fred Durst(vo)が”みんなの顔が見たい”と言い、客電が点灯。そのまま「Break Stuff」をラストにプレイしてライブは終了しました。Wes Borland(gt)が一つコードを弾いて会場がグワっとブチ上がった瞬間には身震いがしましたね。このバンドの歴史と影響力を痛感しました。

さて、自分はこのバンドを見るのは2回目だったわけですが、今回改めてライブバンドとしての実力を目の当たりにしました。それも、若さゆえのパワーや勢いではなく、経験が生む余裕と風格を持ち合わせたものであったのが印象的でした。
それにはいくつか理由があると思うのですが、まずこの日感じたのは、ライブの構成がよく出来ていること。
とにかく曲間の繋ぎがスムーズなんですよね。オーディエンスを飽きさせない。
これにはDJ Lethal(DJ)の存在が大きく影響しているでしょう。実際、FredによるMCは少なめで、基本的には曲中および曲間にDJ Lethalが曲を繋ぎかえることが多かったです。DJタイムもあったし。
そうなると静まりかえることがないので、フロアのテンションが下がらないんですよね。そうしてテンションを保ちつつ、フレッドやウェスのキラーフレーズで曲に入ると、オーディエンスはスムーズにブチ上がれる。このヒップホップやクラブのようなアイデアは彼らの音楽性とも相まって上手な演出だと思いました。事実ウェスのDJタイムでは結構ヒップホップが流れていたし。
そして、前述した通り、オーディエンス全員が歌って暴れて心から楽しめるキラーチューンの存在。これを持っているのはこのクラスのバンドの特権ですよ。それゆえの苦悩もあるとは思いますが、やはり、ギター/ボーカルのワンフレーズでフロアの雰囲気を変えられるのは強い。特に、このバンドはヒップホップからくるダンサブルなリズムと血が滾るヘヴィネス、それに加えて拳を掲げたくなるキャッチーな歌メロの3つを揃えているのが強いなあと思います。ヒップホップやロック、メタルから良いところを抜き出して組み合わせたサウンドに中毒性がないわけないんですよ。IQの低い歌詞とノリもバカになるにはちょうどいい。
一方で、新譜の曲はどうだったかというと、まあ確かにウケは芳しくなかったでしょう。序盤2曲ではイマイチ乗り切れなかったオーディエンスが、「Hot Dog」が始まると反応が良くなったのは事実です。
しかし、その時間がただバンドが動いてる感出すだけの”新譜タイム”であったかというと、そうではないと思います。確かに初期のギラギラしたエナジーには欠けるかもしれません。ですが、ライブで聴くと、そこには確かにシンガロングを誘うフローがあるんですよね。この先のLimp Bizkitがどういう軸を持って活動していくかはわかりませんが、このアルバムの曲がセットリストに残る未来もあるのかなあと思います。

さて、ここまではセットリストやステージの構成の話をしてきましたが、演奏面もかなり良かったです。
正直そこまで期待はしていなかったのですが(何故か)、よく考えれば90年代からシーンの最前線に立つバンドなんですよね。そんなバンドがショボい演奏してたら生き残れないわけで。
まず、Fred Durstは思ったよりクールなフロントマンでした。「Rollin’ (Air Raid Vehicle)」や「Break Stuff」のMVのイメージがありますが、そこからはもう20年近く経っているんですよね。バッハのようなカツラを被ってステージに現れた彼は、所々でそれっぽいダンスをしていましたが、終始テンションは低め。かと思いきや曲中ではしっかりと声の調子を上げて、フロアの熱気を高めていました。この場の雰囲気のコントロールが非常に巧みでしたね。経験値の高さが出ていたように感じます。また、多少トーンが低いような気もしましたが、全編通してしっかり歌ってラップしていたのも嬉しかったです。
DJ Lethalはセットはゴツいのに本人の外見はシンプルなギャップにまず驚きました。DJのクオリティーについてはよくわかりませんが、素人から見るとこれぞ、というプレイが多くて楽しかったですね。「My Generation」でのキレキレのスクラッチや、曲間の繋ぎなど、存在感は抜群だったと思います。
Wes Borlandは想像通りのプレイ。遠目サンタクロースみたいな謎のマスクで登場し、変幻自在のサウンドを奏でていました。
この3人に加えて、今回自分が目を見張ったのはSam Rivers(ba)とJohn Otto(dr)。このリズム隊2人のリズムが何とも心地良い。このバンドの特徴でもある、強弱がハッキリした独特のグルーヴのあるリズムは、この2人のユニゾンで生まれているんだなあと感じました。
そして、この5人のサウンドをバランス良く共存させていたPAチームも素晴らしかったです。自分のリズム隊に対する解像度が上がったのは、間違いなくこの音作りの成果でしょう。終始ライブに没頭することができて嬉しかったです。

そんな彼らのパフォーマンス&サウンドに、フロアは大盛り上がり。ジャンプからモッシュからWODまで何でもありという感じでした。
しかも、アリーナの前方のみならず後方でもモッシュが生まれていて、非常にカオスなフロアとなっていました。ここまでの熱気を持つフロアは今年初めて見たかも。
指定席エリアでももちろん盛り上がっていましたが、流石にそこまでの熱量はなく。それでも前方への階段を駆け降りていくおっさんが出現していましたが。

以上、花冷え。とLimp Bizkit の感想でした〜
同行者に誘われるまでは行かないつもりだったので、そこまで期待していなかったのですが、やはりニューメタルはDNAに刻まれていますね。最高でした。
この次の日の豊洲PITでの動員はさらに微妙だったらしいですが、果たして次はあるのか。
フロアリベンジしたいんだけどなあ…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?