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Leica M10モノクローム再検証

こんにちは、キートンです。
先日の記事で、M10-DとM10-Mの比較について触れました。
今回はその続き。

前回、私にとってのM10-Mの魅力は、「高いディテール表現」と「極めて高い感度特性」という話をしました。
また記事の中で「通常の撮影においてはM10-Mの画像とM10-Dのモノクロ化画像では大きな差は感じない」というような意味合いのことを書きました。

正直、自分でそう書いておきながら、そこまで断定的に書いて良いのだろうか?もう少し丁寧に見てみると何か違う感想を持つだろうか?と思い、再テストしてみました。

撮影コーディネート

前回はランチで行ったピザ屋でカジュアルに撮った写真だったので、今回はもう少しちゃんとしました。

コーディネート
・光源:定常光ライト(Godox ML60 Bi)
・三脚にて固定(Husky Quickset)
・レンズ:M-HEXANON 50mm F2.0(ピント位置は最短70cm)
・露出セット: ISO1600 / F4.0 / SS1/500
・撮影小物:カヌレ、お皿、フォーク、カップ&ソーサー、ガラス瓶、Pen EEほか
・植物2つで陰影をつけた自作の化粧ボードに上記をレイアウト

三脚を使い、ライティングの位置決めをし、化粧ボードの上に撮影小物をセッテイング、陰影が活きるように慎重にコーディネートしていく。それができたら、2台のカメラで交互に素早く撮影。

コーディネート中のワンカット M10-Dにて

まるで、商品撮影でもしているような気分。
まぁ、こういう撮影は仕事でもするので、得意でもあり、好きでもある。
さすがに、M型ライカでやることはないので、勝手の違いに戸惑いましたが。

M10-M/M10-D比較

今回は、クイズではないので先に答えを言うと
左:M10-M
右:M10-Dのモノクロ化
になります。
ほんの少しの構図と露出の差があったので、そこだけ比較しやすいよう微調整。

ほぼ撮って出し、全画面
一部拡大でディテールを確認
フォーク、皿、カヌレの質感比較

さて、どうでしょうか?
見る方は、違いを感じるでしょうか?

感じ方はそれぞれだと思うので、一方的に決めつけることはしません。
ただし、今回のテストを通じて、私としては前回の意見を修正する必要性は感じられませんでした。

注意
noteの写真はサイズも画質も小さいので、精緻な比較は困難かと思います。また、より複雑な色彩・コントラストの条件下では、カラーフィルターの有無やデモザイクの影響でより差異がでることは十分に考えられます。

ライカの考えるモノクロームらしさ。

見て分かるとおり、M10-Mは撮って出しの時点で陰影表現がよりしっかりとした味付けとなっています。それは、前回の時も同じ印象だったので、ライカなりのモノクロームの哲学なのだろうと思います。
専用センサーから受け取った情報をDNGに変換するときにも、ある程度のどう仕上げるかの"味付け"がなされるので、これがライカのモノクロームの解釈だと言えます。

ちなみに、ライカのHPの作例などは、かなりドラマチックな仕上げになっており、ここからもライカの考える往年のモノクローム美というものの規範を感じることができます(正確には、日本の湿度の高さがゆえの太陽光の柔らかさが西欧との一番の違いなのですが)。

ISO10万の世界

せっかくなのでもう一つテストしました。
それは、10段分アンダーに撮ってどれだけ暗部から情報を持ち上げれるのか、のテスト。いわゆるISO10万にして撮っているのと同じことをやっています。

こちらは、左がM10-D、右がM10-M

Lightroomでやっているのでカメラ内処理とはやや異なるかもしれませんが、一目瞭然、M10-Dで撮ったものは演算処理のやりすぎで使えませんが、M10-Mで撮ったものはきちんと描写が残っています。
あらためて、この感度特性はM10-Mの強みだということがわかりました。

最後に

今回のテストは、M10-D/M10-Mのどちらかを贔屓したくて比較してる訳ではありません。その違いをきちんと把握し、それぞれの良さを活かそう、が目的になります。

ということで、
最後に、それぞれで撮ったほぼ同じ写真を、モノクロなら、カラーなら、私ならこう現像&レタッチするという作例を載せて締めくくりたいと思います。
(細々と触っていますが、どこをどうしているかは省略)

M10-M:若干温黒にふり、階調を出しつつ締まりを出す
M10-D:色彩効果を活かした階調づくり
EPSON PX1VにてA4にプリントしたもの、2種類の紙でテスト

今後、M10-Mで作品を作っていきますので、またどこかで実際のプリントを見せれたらと思っています。

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写真って楽しいですね。福永


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