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明るみに出る食人文化「ガンニバル第5話 レビュー」(ネタバレ注意)

ディズニー+で独占配信されているドラマ「ガンニバル
その内容を1話ごとにレビューしていきます。ネタバレになる部分もあるので、視聴前の方はご注意下さい。

「今回登場する人物」
阿川大吾:供花村に赴任してきた駐在員
阿川有希:大吾の妻
ましろ:大吾と有希の子ども
後藤恵介:後藤家の若いリーダー的存在
山口さぶ:供花村の村民のまとめ役
(初)山口加奈子:さぶの娘
(初)神山宗近:宮司の男性

■顔を喰われた男

第4話のラストで大吾を呼び出した、顔半分が喰いちぎられた男。
彼の口から、毎年村では生まれたばかりの赤子を食べる風習がある、と聞かされる。
食べられる赤子には戸籍が与えられず、それは不可解な死を村の外から怪しまれないようにするためだという。
彼も被害者の1人で18年前に殺されかけたが、なんとか生き延びていた。顔の負傷はその時につけられたものである。

■若い宮司との出会い

場面は日常に戻り、年に一度行われる奉納祭の準備に皆勤しんでいた。
遅れて参加した大吾に山口さぶをはじめとする村民は怒りを露わにするが、
そこへ宮司の男が仲裁に入ってくる。
神山宗近(かみやま むねちか)と名乗るその男は、父親から宮司の職を引き継ぎ、今年の祭からは自分が音頭を取ると言う。
大吾は神山に連れられて人気の無い境内へ。そこで神山から、奉納祭では
はるか昔より子どもを殺していたのだと聞かされる。
また、村の危険性を感じている神山は、大吾に村から出て行くように忠告する。

■狩野治とジャーナリスト

大吾のスマホに例の顔を喰われた男から、指定のホテルまで来るようにメッセージが送られてくる。
村の外にあるホテルの801号室へ向かうと、中で待っていたのは彼ではなく
内田と名乗る別の男だった。
内田の職業はジャーナリストで、食人の文化を持つ供花村に興味を持った彼は、先日遺体で発見された前駐在員の狩野治とともに村を調査していたのだと明かされる。
彼らもはじめは子どもを喰らうなどと半信半疑だったが、ある時一つの違和感に気が付いた。それは、村では毎年赤子が死産している、という事。
表向きを死産したとして処理して、その肉体を喰らってる可能性が浮上した事で、狩野と内田は食人文化の存在を察知した。
狩野が殺された理由はここにあると思われる。

■赤子を失った山口加奈子

場面は有希の視点へ。毎晩のように開かれる村の宴会。その世話をしていた有希の傍らで、ましろに近づく女の姿が。
かわいいね、と呟きながら愛おしそうにましろを抱きしめる女。
有希が声をかけると、「ごめんなさい!」と何度も連呼しながら土下座をし始める。
彼女は山口さぶの娘、山口加奈子であった。
さぶが、「娘は子どもが死産してしまった」と説明するも、加奈子は声を荒げてそれを否定。自分の子どもは連れていかれたんだ、と主張する加奈子を
さぶは暴力で黙らせる。

■後藤銀が子どもを奪えた理由

翌日、大吾は知り合った宮司の神山のもとを訪ねる。
そこで、第一話で遺体で見つかった後藤銀が、生まれたばかりの赤子を
母親から奪い去っていたのだと知らされる。
なぜそんな事が可能だったのか、それは銀が村で唯一の助産師であったからだという。
明るみにっていく村の風習、深まっていく村民の闇。物語は徐々に核心に迫っていく。


「コメント」
今まで仄めかされるだけで決定的な証拠は示されていなかった、
村に伝わる食人文化がついに明るみに出ました。
大吾が真相に近づくにつれ、村の人間の態度がどんどん厳しくなってゆき、
もはや第4話前半までの和気あいあいとした雰囲気はどこへやら、
少しの遅刻で怒鳴りつけ、宴会を抜け出すと水をぶっかけられるなど
過剰なまでの攻撃的な態度を取るように。

夫婦間にも温度差が出てきたように感じます。
大吾はさぶたちが夫婦の会話を盗聴していると察知して疑いますが、
対して有希は村に馴染み始めている様子で、そんな大吾を咎めるシーンもありました。ましろもすっかり友達と仲良くなっている様子なので、大吾だけが村に対して強い嫌悪感を抱いているという状況です。

さらに今回は、顔を喰われた男と、村に子どもを奪われた加奈子という直接的な被害者が登場しました。
死産だと偽ったり、戸籍を与えないといった村ぐるみの工作が
その異常性を際立たせており、かなり恐ろしいです。















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