シンギュラリティについて

「人工知能(AI)」旋風来たる
 昨年から、聞きなれない言葉で「シンギュラリティ」という言葉がたびたび記事に書かれることがある。人工知能(AI)が人間の知能を超えることで起こる出来事を指し、そのターニングポイントは2045年に訪れるだろうと言われいている。いまから28年後の世界である。正直、未来すぎてどうもピンとこないのだが、最近のAIの成長は著しいものがある。

 Google DeepMindの開発したAlpha碁が世界戦優勝経験のある韓国のプロ棋士に勝ち越した話は衝撃的だった。オセロのチャンピオンを破ってからは、「次の将棋や囲碁のプロに勝つにはあと100年はかかるだろう」と言われていたからだ。それをたった数年で達成することに、AI旋風が巻き起こっていることが分かる。

過去にAIの将来性を感じた「ドラクエ4」
 1990年に発売されたファミコン版のドラゴンクエスト4。RPG好きの私にとって驚きを隠せなかったのは「AI戦闘」である。これまでのRPGでは敵との戦闘においてはマニュアルで、自分が仲間の行動を指示することで動かしていた。それがドラクエ4では、おおまかな作戦を伝えるだけで、自分が指示せずに仲間がオートマチックに行動していく。まさに仲間とともに戦っている感がでており、非常に好きだった。思い通りに動かずにストレスが溜まったこともあったが。27年経ったいま、AIはゲームの世界から飛び出して現実世界でも人のサポートをしてくれる存在になっている。

浸透しつつあるAI(ロボット)
 実際に、iPhoneに搭載されている「Siri」、完全自動運転技術、AIに限らずともIoT(モノのインターネット化)、スーパーやTSUTAYAでのレジのセルフ化。我々の住む世界でも機械が働き出した。研究によれば、日本で働いている人の約49%の仕事が、10〜20年後にはAIに交代しているといわれている。浸透スピードを考えても十分にありうる話である。


AIと人間が共存するために
 どれだけAIが発達したとしても、この世界を作っていくのは機械ではなく人間である。我々には「話し合い、協力し、より良いものを作り上げる(アイデアを出す)」ことができる。これはAIにはできないことだ。また、人の感情を察することも機械にはできない。この2点を強くしていくべきである。AIと共存していくためには、お互いの長所を活かした働き方が重要になる。これからはAIが日本の成長の要となる。社会人も学生も、自分が何をしていくべきか、行動を見直さねば、AIに仕事を取られていくことだろう。AIと競合せず、いかに未来を見据えられるかが、課題といえるだろう。