ボーダーランズ3について色々ぶっちゃけたい!

 「多彩な銃を手に入れて頭空っぽで撃って撃って暴れまくる!」がコンセプトのシューティングゲーム、「ボーダーランズ3」。3ということは1と2もこれまで発売されており、2019年でシリーズ10周年を迎えた人気シリーズだ。このゲームはルーターシューターというゲームジャンルの元祖としても有名である。ルーターシューターとはRPGのようにレベルを上げてキャラクターを強化して新しいスキルを使えるようにしたり、道中でより強い性能の武器や装備アイテムをどんどん手に入れてより強い敵を倒していく、ハクスラ要素が入ったシューティングゲームである。

筆者はゲームの名前と大まかな知識はあったが実際にプレイしたことはなかった。もともと1,2は評判がよくコアなファンも多いと聞いていたのでこれはぜひともやってみたいと思い、購入した。

プレイしてみた結果、ボーダーランズ3は確かに面白くよくできたゲームだった。だが3のナンバリングがついた作品とは思えないほど無骨で荒削りなゲームだったという印象だ。さらに言ってしまうと「期待していた程ではなかった」とも感じている。ゲームをプレイしているうちに「おもしろいゲームなんだけど・・・」という何かモヤモヤしたものが溜まってきたのを感じた。これをとにかく吐き出したい欲求に従い、そのモヤモヤするワケを書いていこうと思う。

貴方好みの銃がきっと見つかる、そのワケ

ボーダーランズ3のウリと言えば他のシューティングゲームの常識を超えた「多種多彩な銃器」を使って戦えることである。このゲームの世界にはいくつかの銃器メーカーが存在していてそれぞれのブランドには特徴がある。たとえば、「ハイペリオン社」というメーカーの銃は構えるとシールドを展開してキャラクターを守ってくれる。「アトラス社」の銃にはトラッカーダーツというものが装備されており、それを敵に当てると一定時間、弾が敵を追尾してくれるので敵を狙うのがそもそも難しいという人にはとても便利だし、物陰に隠れたところから安全に敵を攻撃する戦法が可能になる。

武器の特徴だけでも個性が際立っているのだが、筆者が驚いたのは武器のデザインである。実は同じ形状の武器を拾った試しがない。筆者は当初、性能が違うというだけで大体のデザインパターンはメーカーごとに決まっているんだろうなと思っていた。しかしプレイ中、どんな武器を拾っても、たとえ同じメーカーで同じ系統の銃(ハンドガン、ショットガンなど)を拾っても性能どころかデザインも違っているのだ。「出てくる武器は10億種類以上!」という宣伝は誇大広告ではなく真実だった。

なぜ多くの種類の銃を出せるのか。そもそも銃はいくつかのパーツを組み立てて一つの銃になる。ボーダーランズではベースとなる銃に対して銃口、グリップ、弾倉、照準などのパーツをランダムに組み合わせて出現させる仕組みだったのだ。そして銃の細かい性能の差異もパーツによって決められていたのである。たしかに銃全体ではなくパーツをよく見てみれば同じ形状のものをいくつか発見できた。筆者は基本的に性能で選ぶタイプではあるが、見た目が本当に気に入ったものだと中々手放せなかった。「どこかで使うことがあるかもしれない」と理由をつけてインベントリの肥やしにしてしまうことがよくあった。だが、しばらくすればまた性能の高い武器が出てくるし、何より武器の性能を上げないと敵が強くて先に進めないので、結局は使わずに売り払ってしまうのがオチだった。とくに手放したくない代表例はトーグ社(車のエンジンを載せたようなメカメカしいデザイン)とジェイコブズ社(彫刻のようなレトロ調のデザイン)だ。

たくさんの銃に出会えるが・・・

では実際、どのくらい銃を持つことができるのか。キャラクターのインベントリは最大で40個のアイテムを保持できる。だが銃だけでない。ボーダーランズでは銃とグレネード、シールド、そしてアーティファクトなどいくつもの装備アイテムがある。しかも装備カテゴリーごとにインベントリが分けられているのではなく共通であるため、あっという間に満杯になってしまう。そしてもうひとつの保管場所は自身のマイルームにある金庫なのだが、これは最大で50個のアイテムしか保管できない。そしてマイルームの壁に一種類ずつ銃と各装備品を9つ、飾っておくことができる。つまり合計で99個のアイテムを保管できるわけだ。

いや、少なすぎるだろ!!!!!

ぜんっぜん足りないよッ!!!!

なぜなら、このゲームはただでさえ銃やアイテムの種類が多いのにさらにレアリティがついていて、レジェンダリーという一番レアリティが高くぶっとんだ性能と特徴を持った武器とアイテムが出てくる。たとえ使う機会が少なくてもたくさん種類を集める、より性能の高い銃を追い求める、そして「自分、頑張ったな・・・!」とニマニマしながら自己満足に浸りたいもんなんだ。それが男ってもんなんだ!!!!!

失礼、筆が走る、もとい、キーボードが走ってしまいました。とにかく、いろんな銃を集めるのが醍醐味のゲームにもかかわらず、保管スペースが絶望的に乏しいというゲームのコンセプトとシステムのミスマッチに非常にガッカリした。必要最低限なものだけ残せばいいじゃないかという断捨離精神がたくましい人なら問題ないかもしれないが、やはり銃を集めまくることがボーダーランズの最大の楽しみだと思う。

そしてもうひとつ、筆者はPS4版をプレイしていたのだが、インベントリの操作がとにかく重い。ゲーム中、拾った武器を試し打ちしてみようと思って武器を入れ替えようとするだけで十数秒かかってしまう。これにはプレイ中、非常にストレスが溜まった。最初はどんな武器か試してみたい気持ちが勝っていたが、だんだん武器の入れ替えが面倒になり、よほど性能が違うか、敵を倒しにくいと感じてきたときに武器を入れ替えるようになった。人によっては些細なことかもしれないがゲームの性質上、ゲーム画面とインベントリ画面の切り替えが重いととてもストレスを感じてしまう。フィールドの移動、射撃など通常のゲーム操作は問題ないのに、なぜインベントリの操作だけが重いのかはわからない。

ただ保管数の問題は後のアップデートで増強すると開発元のギアボックスからアナウンスされているのでいずれ解消されるだろう。できれば合わせてインベントリの動作も改善してほしいところだ。

ボーダーランズシリーズが愛される理由

プレイしてわかったのはボーダーランズ3はとことん銃にこだわったゲームだ。メーカーごとの銃の基本モデルとパーツのデザインだけでいったいどれだけの時間と労力をかけているのか。いい意味で変態の所業である。その上、個性が爆発したレジェンダリー武器も豊富だ。筆者のお気に入りは「クロスロード」というサブマシンガンだ。この銃は1トリガーで弾を6点発射してさらにその1発は2発を同時発射している、つまり1トリガーで合計12発も発射するサブマシンガンだ。めちゃくちゃな文章だと思うかもしれないが、文字にするとそう説明するしかない。クロスロードの良さはとにかく瞬間火力が高いことだ。これに慣れてしまうと他のサブマシンガンの火力が物足りなくてしょうがない。

ボーダーランズ3はシューティングゲームの枠を超えた、下手をすると大味なだけのバカゲーになりかねないギリギリのところを攻めに攻めた作品だ。ただ攻めっ気が強すぎるあまり、細かい部分への気配りがいたらなかったのが惜しいところだ。

今回は「銃」を中心に良いところ、ダメなところを紹介した。ゲームを進めて行くほど個性あふれる銃に多く出会い、戦う楽しさは他のシューティングゲームは味わったことのない素晴らしい体験だった。この記事でボーダーランズ3を知らなかった人や気にはなっていたけどスルーしてしまった人が少しでも興味を持ってもらえたら幸いである。「ルーターシューターの元祖」をぜひ一度体験してみてほしい。

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