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予定納税に関して:フリーランス経営者と税理士の相談風景


マガジンの分類 事務所通信 : あなたの街の税理士が解りやすく解説します
フリーランス経営者との対話

経営者: 「先生、予定納税の通知が届いたんですが、これは一体どういうものなんでしょうか?」

税理士: 「予定納税は、その年の所得税と復興特別所得税の一部をあらかじめ納付する制度です。これにより、一度に大きな金額を支払う負担を軽減し、国の歳入を平準化する目的があります。」

経営者: 「そうなんですね。でも、どうやって予定納税額が決まるんですか?」

税理士: 「予定納税額は、前年の所得金額や税額を基に計算されます。具体的には、5月15日時点で確定している前年分の申告納税額が15万円以上の場合、その金額が予定納税基準額となります。」

計算方法と納付方法の詳細

経営者: 「具体的な計算方法はどうなっているんですか?」

税理士: 「計算方法は大きく分けて2つあります。原則として、前年分の申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。ただし、山林所得や退職所得など特定の所得が含まれている場合や、外国税額控除を受けている場合、災害減免法の適用を受けている場合などは別の計算方法が適用されます。」

経営者: 「それなら、私は原則の計算方法で大丈夫そうですね。納付の方法はどうなりますか?」

税理士: 「納付は、予定納税基準額の3分の1の金額を2回に分けて行います。第1期分は7月1日から9月30日まで、第2期分は11月1日から12月2日までに納付します。」

特別控除と納期限の延長

経営者: 「先生、今回の通知には『定額による所得税額の特別控除』というのがありました。これはどういうことですか?」

税理士: 「令和6年分の所得税については特別控除が実施されています。あなたの場合、予定納税特別控除額として3万円が差し引かれています。この金額が予定納税額から減額されています。」

経営者: 「なるほど、それは助かりますね。でも、納期限が延長されることもあるんですか?」

税理士: 「そうですね。税務署長が納期限を延長する場合があります。その場合、通知も延長されます。ただし、納期限が12月31日以降になる場合は、その通知は不要とされています。」

実際の例での説明

経営者: 「具体的な例を挙げていただけますか?」

税理士: 「例えば、昨年の所得税額が30万円だったとしましょう。今年の5月15日時点で確定しているので、この30万円が予定納税基準額となります。これを3分の1に分けると、第1期分と第2期分はそれぞれ10万円ずつになります。ただし、特別控除の3万円があるので、実際には第一期分の納付額は7万円になります。」

経営者: 「それで理解できました。予定納税額が15万円以下の場合はどうなるんでしょうか?」

税理士: 「予定納税基準額が15万円以下の場合は、予定納税は必要ありません。つまり、税額が少ない場合は一度に支払う必要がないということです。」


税理士: 「今回の予定納税の通知内容とその背景、具体的な計算方法についてご理解いただけましたでしょうか?」

経営者: 「はい、非常に分かりやすかったです。今後も税務に関することがあれば、相談させていただきます。」

税理士: 「もちろんです。予定納税は将来の税負担を軽減するための重要な制度ですので、しっかりと理解しておくことが大切です。何か質問があれば、いつでもご連絡ください。」


予定納税の仕組みをしっかりと把握し、適切な納税計画を立てることが重要です。

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