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スプリンクラ―のように感想が湧き上がるぅぅ

A

2024年になって1ヶ月が経過しました。仕事に押しつぶされております。やはりエンタメの感性が鈍くなっているのを実感して危機感を募らずにはいられません。そんな中で今回は以前からオススメされておりましたが時間がなく先延ばししていた今作品。国際便の長いフライト中に見ました。おすすめされていただけあってとても良い映画体験でした。映画に没頭している間によくわからない外国人が自分の席の横3席を占領して爆睡していたのだけは誤算でした。

感想

17回目の夏、地方都市⸺。
コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、
いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。
彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。
矯正中の大きな前歯を隠すため、
いつもマスクをしている少女・スマイル。
人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。
俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、
見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、
ショッピングモールで出会い、
やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。
ある日ふたりは、
バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった
想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。
ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。
フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、
チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。
だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。

「劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』 公式サイト」より引用

設定としては思春期の少年少女がひょんなことから出会い、親睦を深め、恋に落ちていく。類似作品を言い出したらキリがないぐらいには使い古された展開です。それでも今作品はセリフではなく画面で見せるのが上手くかったです。自分的に好きな見せ方でした。

1番印象的なのはあぜ道のシーンです。タイヤで草がはげた2つの道がチェリーとスマイルの距離感を上手く表しているように感じます。レコード探しの後、同じ道を歩くことで親密さを表現し、引越しで決別する事実を聞いて先に帰るスマイルはもう片方の道を歩く演出は切なかったです。あぁぁ、、、と声が出そうになりました。他にはダイジェストの使い方。チェリーとスマイルが知り合うまでを長めに見せることで時間の対比を作って知り合ってからは急速に仲を深めたのを伝えたかったように感じました。こういう感じでずっとセンスが好きでした。やっぱりセンスが当たっている作品はずっと見とけます。

個人的にはぐっときたのはチェリーもスマイルをヘッドホンとマスクを完全に外すことはなかった点です。2人によってヘッドホンとマスクは己のコンプレックスのメタファーだと思うのですが、最終的にそのメタファーと決別するのがよくある展開に感じます。しかし、この作品はクライマックスでもチェリーは首にかけ、スマイルは顎マスクで完全に外してはいないところからコンプレックスを脱却するのではなく、受け入れて共存していこうという優しいメッセージが入っているように感じました。

PS.スマイルは最後は外していました。すいません。。。

航空機の中というしんどい環境でしたが、大満足の映画体験でした。このレビューを書いている間に3席占領外国人がイビキをしはじめました。サイダーというよりスプリンクラーのように湧き上がっています。

イビキかき
三席占領
不平等

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