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島流し2日目 その3【私たちが海士の人に語る】

★この内容は 2022/3/15 の記録です。

濃厚な午前中の越境者の方々を訪問を終えた後は、島の日常を体験し、今度は私たちが島の人たちに語りかけていく。

※前回の記事はこちら


ワカメ収穫体験

ちょうどこの日は、島の小学生たちが、少し前に仕込んだワカメを収穫する日。

私達も収穫のお手伝いをさせてもらいながら、子どもたちとの交流も深める。

まずはみんなでワカメを引き上げて、

そして、どんどん切っていく。

大人たちはワカメがついた綱を持って、サポート。


手に取るとこんな様子。

私たちは名札をつけていたので、
その名札を見て、名前を読んでくれる子どもたち。

いきなり打ち解けられて、嬉しいひとときになった。

誰もがみんな、あいさつをしてくれる

フレンドリーなのは、小学生の子どもたちだけではなかった。

フェリーが出る港のあたりを散策したときは、すれ違う人がみんなあいさつをしてくれた。

一人でいる方ならまだしも、友達と雑談しながら歩いてる高校生が、会話を止めて「こんにちは~」と言ってくれたのには特に驚いた。

社内で学園生とすれ違うときのような感覚だった。(さすがにあれほどの勢いはなかったが)


海辺の昼食と語り。

ワカメ収穫体験が終わり、子どもたちとは別れて、そのまま海辺で昼食タイムへ。

隠岐牛でお腹を満たしながらも、さらに対話を深めたり、

思い浮かんだことを、言葉にまとめたり。

それぞれのペースで、午前の訪問で感じたことを振り返る。

採れたてのワカメを食し、村上家へ。

せっかくなので、先ほど小学生たちと収穫したワカメもいただいた。

食べ方は、しゃぶしゃぶ。

左側のような色のワカメを、お湯につけると鮮やかな黄緑色に。

これに、ポン酢を垂らして食べると、シャキシャキで塩味も効いていて、とても美味しい。

海士町の、このときならではの味覚のひとつだった。

そして風と土とのオフィス、村上家へ。

次は、私たちが語る

いよいよ午後のメインパート。

午前中は、私たちが海士の人たちの語りを聞いてきた。今度は私たちが海士町の人たちに語る番だ。


語る相手は、、、


島の高校生と、

島へのインターン生

インスピレーションでペアを作り、

午前の海士町の越境者の方々と同じように、今度は私たちがそれぞれ、自分について語っていく。

心を動かせ

私たちが語る上で、重要なポイントはただひとつ。

相手の『心を動かす』こと。

高校生や大学生に、『組織がさぁ~』なんて言ったって通じないし、しらけるだけ。

どう、心を動かせるか。

それぞれ真剣だった。

いかに分かりやすく、彼らが知っている言葉や情報に紐づけて伝えられるか。

いかに私が携わっていることと、世の中との繋がりが分かるように伝えられるか。

ひとしきり会話をした後は、『心が動いたか』、率直なフィードバックをもらう。

それを2人と繰り返す。

年齢差なんて関係なくて、素直な感想を貰えるのは、とても貴重。年齢が上がっていくとだんだんそういう機会って減っていくものだ。

心を動かすのは、なかなか難しい

想定したように話を受け止めてもらえて、「心が動いた」と言ってもらえた部分もあったし、そうでない点もあった。

今回私がフィードバックをもらったコメントで一番グサリと来たのは、『話がきれい過ぎる』(←ニュアンス) ということ。

もっと、泥臭いことや難しさなど、山 谷 の"谷"も聞きたかったのだそう。

確かに聞き手目線で考えると、プロジェクトXとまでは行かなくとも、困難を乗り越えるエッセンスもあるほうが、私も惹かれる。

どうしても、スムーズに行ったかのように話してしまいがちだけど、実際に仕事は困難がつきものなのだし、そういう目線も今後、語るシーンがあれば意識しよう。

やはり、リアルな体験は何事にも代えがたい。


逆に心を動かされる

私たちが語ったあとは、高校生たちからも、いまや将来について考えていることを話してもらった。

一人目は高校一年生。島の高校に通っているけど、島民ではなく大阪出身。

USJに年パスで通うような生活だったのに、わざわざ島の高校に来た。

そして今は、牛(隠岐牛)の飼育のバイトをしているのだそう。

牛が可愛くて仕方なくて、満面の笑みで牛の写真を見せてくれたのが忘れられない。

バイト先からは、卒業後は働いてもいいよと言われていて、どうするのがいいか、あと2年間考えたいのだという。


二人目は大学生。少し話しただけでも優秀さが伝わってくる。

イギリスの大学に進学したけど、一年休学して先の過ごし方を考え、結果、さとのば大学という場所で、自分の人生を切り開いていく道へ。方向転換。

きっと彼なら、普通に外国の大学を卒業して、世間一般で"良い"と言われる道も歩めただろう。(でもあとで彼のnoteを読んだら、そんな道は合わないなと思ったが)


『自分だけが幸せになっても、こぼれ落ちた人がいることを思うと、よいと思えない』そんなニュアンスのことも話していた。

ここまで言われると、もう彼の方がよっぽどか人生の先輩に思えた。

結果的には、『心を動かされる』ことのほうが多かったのかもしれない。

それぞれが越境者となり対話を重ねることで、心を動かし、動かされた。

高校生からのメッセージ

高校生たちが帰り道で、色々な感想を語っていたそうだ。

  • 仕事っていいな。本物の仕事をしてみたくなった。おてつだいでは頼まれごとだし、高校生のラインに合わせたことしかやれない。本当に怒られることもない。辛いことも喜びも含めて。

  • 自分の言葉で涙を流してくれた人が複数いた。自分がこれまで経験してきたことで、人が心を動かしてくれることがあるって嬉しかった。

  • 話すなかで自分が気がつかなったことを話している自分がいた。普段あまり自分のことを話すことは少ないから。

  • 地域のことなどいっぱい話してくれて、そういう進路に興味を持った。

  • ああいう大人になりたい。

  • 社会人が仕事や目標について楽しそうに話すときの表情が輝いていたすごくすてきだった。人が楽しそうに夢を語るとき人の心も動かされるんだ。

彼ら目に、私達が少しでもポジティブに映ったなら、意味のある時間になったと言えるのかもしれない。


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