ダンジョン飯冒険者バイブル

『ダンジョン飯ワールドガイド冒険者バイブル完全版』で、ミスルンの項で“子供でも理解できるような話が理想”というのは、九井諒子先生の考えなのかなと思った。でも同時に、シュローの仲間やカナリア隊の面々などのバックストーリーの一筋縄ではいかなさは、先の話と矛盾してるんじゃないかとも。子供には少し難しいでしょう。更には、本編には織り込めなかった設定を1ページまたは2ページ漫画といった形で出してくるのはある意味ずるいような気もして、ぐるぐる考えていた。

考えた過程で得たものは、「たとえ物騒な世界設定でも、その物騒さを描くことは加減して良い」という視点。

ダンジョン飯の世界は本当はかなり物騒で、現代では考えられないような犯罪もあるんだろう。死体拾い達の犯罪なんか目じゃないようなことも沢山あるんだろう。強盗殺人、人身売買、性的暴行など…。結局、シュローの仲間やカナリア隊の面々のバックストーリーを、短い漫画ではなくちゃんと物語の中で見せていくには、世界の残酷さにもガッツリ触れなきゃいけなくなってしまうのかもしれない。

そうなると、子供でも分かるくらいの話ではなくなってしまい、ダンジョン飯の範囲から外れてしまう。だから、複雑なバックストーリーを物語の中で見せることはできないけれど、サービスとして短い漫画にはしてくれたのかもしれない。


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