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『辻潤著作集2』の入力作業と覚え書き

<書籍『癡人の独語』>
■1935年08月『癡人の独語』書物展望社
 →特製版(限定100部、3円)/ 普通版(限定600部、2円)
□1970年01月『辻潤著作集2 癡人の独語』オリオン出版社
□1976年07月『辻潤著作集2 癡人の独語』R出版
 → 同一内容(社名変更、2版発行、月報ナシ)
□1978年10月『辻潤選集』五月書房/玉川信明編
 → 掲載順をカテゴリー別に変更、群題「錯覚した小宇宙」等は全て除去
 → 群題「れみにせんちゃ」以下を割愛
□1982年08月『辻潤全集 第3巻』五月書房/高木護編
 →斎藤昌三の跋文「陀仙辻潤君」は別巻収録
□1999年08月『絶望の書・ですぺら』講談社文芸文庫
 →「瘋癲病院の一隅より」を収録(「痴人の独語」は別作品)

<目次と初出>
いずこに憩わんや?(1935年8月『癡人の独語』序文)
「錯覚した小宇宙」
 錯覚した小宇宙
 錯覚自我説
 あるばとろすの言葉(※昭和六年九月)
 えふえめらる(1931年6月『かめれおん』創刊号)
 ぺるめるDROPS
 ふらぐめんたる
 ダダの吐息(1927年9月『悪い仲間』創刊号)
 ダダの言葉
 サンふらぐめんた(1925年3月『炬火』)
「おうこんとれいる」
 おうこんとれいる
 迷羊言(1931年1月『読売新聞』4日号)
 自己発見への道  #『読売新聞』 1931年11月以降?
 自分はどのくらい宗教的か?(1934年7月『現代仏教』)
 和尚はどうして「明徳」を明らかにしたか?
「妄語」
 惰眠洞妄語(1924年7月『読売新聞』22-25日号)
 癡人の独語(1930年10月『読売新聞』7-9日号、11-12日号)
 癡人の手帖より(1931年11月『古東多万』)
 「英雄」は過ぎゆく(1929年8月『改造』)
 あまちゃ放言 ※(1932年2月)
 もっと光を!※(1931年3月6日)
「かばねやみ」
 天狗になった頃の話(1932年7月『読売新聞』28日号、29日号、31日号)
 だだをこねる(1933年7月『自由を我等に』)
 変なあたま(1933年1月『近代』)
 瘋癲病院の一隅より(1933年10月『読売新聞』3日、4日、6日号?)
 木ッ葉天狗酔家言(1932年3月『である』)
「ひぐりでいや・ぴくりでいや」
 ひぐりでいや・ぴぐりでいや(1930年2、3、5月『ニヒル』第1巻第1号-第1巻第3号)
 のっどる・ぬうどる(1931年『きゃめれおん』?)
 天狗だより―又は奇天堂通信―(1934年11月『シャリバァリ』第一巻第三号)
 かばねやみ(※1934年5月)
「1+X」
 鏡花礼讃(1925年5月『新小説』「天才鏡花」号)
 無想庵に与う(1931年6月『がめれおん』創刊号)
 交遊観(1931年7月『作品』第2巻第7号の「作家・批評家・画家・ジャーナリスト交友録」)
「れみにせんちゃ」
 ものろぎや・そりてえる
 あさくさ・ふらぐまんたる(1932年4月『読売新聞』15-17日号)
「あぶさるど」
 不協和音でarrangeされたMOZAIK (1926年7月『文藝市場』夏季倍大號)
 あぶさるど(1924年11月『詩を生む人』創刊号)
 「享楽座」のぷろろぐ(1922年7月『中央美術』第8巻第8号 )
 楕円の月(1930年1月『グロテスク』)
 斎藤昌三「陀仙辻潤君」(跋文)

<同名タイトルに注意>
・「ひぐりでいや・ぴくりでいや」と「癡人の独語」
『癡人の独語』収録の標題作品とは別に、単行本未収録の同名作品が存在する(全集四巻)

・「ものろぎや・そりてえる」と「のっどる・ぬうどる」
「ものろぎや・そりてえる」は『絶望の書』に、「のっどる・ぬうどる」は『孑孑以前』に、それぞれ同名作品が存在する。

・「癡人の手帖より」と「癡人の手帖」
・「あさくさ・ふらぐまんたる」と「あさくさ・ふらぐめんたる」
標題がほぼ同じだが別作品である。「癡人の手帖」「あさくさ・ふらぐめんたる」は生前の単行本未収録の作品。

<注意喚起のややこしい所>
・『癡人の独語』の群題
『癡人の独語』は「錯覚した小宇宙」というタイトルの下に9作品が収録されている。この「錯覚した小宇宙」を”群題”と呼ぶことにする。上位タイトル、カテゴリタイトルでも良いのだが、飽くまでも便宜上として。

・「かばねやみ」
最もややこしいのがコレ。
群題「かばねやみ」と、作品「かばねやみ」がある。群題「かばねやみ」には5作品あるが、ここに作品「かばねやみ」は含まれない。作品「かばねやみ」の上位となるのは、群題「ひぐりでいや・ぴくりでいや」。読む前に目次を眺めて「何コレ?」と首を傾げたのであった。

・「癡人の独語」
次にややこしいのがコレ。
書籍名『癡人の独語』と、作品名「癡人の独語」がある。これとは別に、単行本未収録作品「癡人の独語」があるのだ。
 後者「癡人の独語」が収録されているのは、全集四巻か講談社文芸文庫である。『癡人の独語』には収録されていないと書くと、そのややこしさが分かるでしょ?
 ちなみに「癡人」と「痴人」は同じである。旧字旧仮名から新字新仮名への変更時、”癡”を”痴”に変更すべきか否か。各編集部の判断による。オリオン出版社『著作集』と五月書房『選集』は「癡人」を採用し、五月書房『全集』と講談社文芸文庫は「痴人」を採用しているということだ。

<入力作業の公開>
底本:辻潤著作集2 癡人の独語』R出版、1976年07月10日2版発行

<検証用>
文章をコピー&ペーストする場合、必ず下記ファイルを確認されたし。底本には誤植が存在している。それとは別に、当方でミスを作り込んでいる可能性もある。


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