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【お店雑記】創作の力を感じた、秋の実りイベント

今日から12月。
早い、早すぎる…。

先日の「秋の実りイベント」、無事に二日間終えました。
来てくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
もうこの二日間へ向けてずっとドキドキしててやばかったです。やっぱりイベントって何度やっても「だれか、来てくれるかなぁ」の心配が尽きない。もちろんたくさん来ればいいってものではないけれど、やっぱり「賑わい」がないと寂しい。この日のために準備してきたことが色々あって、一人でも多くの人に見てほしい。そんな気持ちが強かったから、二日間賑わいのなか終えてすごくすごくホッとした。そして、終わった直後は、疲れて(歳かな?)なにも考えられなかったけれど、あとからじわじわとたのしかった思い出が込み上げてくる。

まずね、ワークショップのお話からさせてください。
もうね、すごかったんですよ。ワークショップが。

最初に画家の溝端ことみさんが「ただただ、自分のこころをからっぽにして描いてください」とみんなに話してから一斉にスタート。

『5メートルのキャンバスに参加者みんなで絵を描く』

テーマもルールも一切なし。好きな色を使って、好きなものを、ただただ自由に描く。しかも手で。

最初はみんな恥ずかしそうにしていたけれど、大人も子どもも途中スイッチが入ったように夢中で描きだして。そのパワーに見ている私たちもびっくり。

えっ、この色とこの色混ぜ合わせるの?
ここにこんな絵描くの?
すごいすごい、ということばかり。

ためらいなく手形をドンドンとつけたり、両手に絵の具をたっぷりつけてビーッと線を描いたり。すごいなぁ、とただひたすらに圧倒されました。

そうして完成した絵もすばらしすぎて。もはやなにがすばらしいのかも言語化できないけれど、途中帰る人もいたからとりあえずみんなで記念撮影パシャリ。

そのあともみんな夢中で描く、描く。養生シートにも、窓ガラスにも描き出したり。

もうね、いたるところにみんなの「自由」が溢れていました。

そうして最後は、ことみさんが一つにまとめてくれて、完成した絵がこちらです。

横長なので、分割するとこんな感じ。

もう、できあがったときは感動してやばかったですよ。みんなの世界観がこうして一つになって、かたちになる。あのエネルギーを一つにまとめあげたことみさんも、エネルギーをぶつけたみんなもすごい。

あとで、参加者ほとんどの方から感想メールをもらったのもうれしかったなぁ。

参加したお子さんのお母さんからは、
「絵の具の色も、特大のキャンバスも、初めて見るものばかりだったので目がキラキラしていた」や、「家では制限されてしまうことをあれだけ伸び伸びできて。すごく良い経験になった」など。

参加した大人の方からは、
「絵本の世界に飛び込んだみたいだった」
「絵の具の感触を手で感じながら自由に描くのは、こどもの頃にかえったような体験だった」などなど(感涙!)

画面越しにみなさんの感想を読むたびにうるうる。

そして最後の方、私はことみさんに「きょうこさんもなにか描いてください」と言われてキャンバスの前に立った。ただそのとき、恥ずかしいことに全然からだが動かなかった。端っこの小さなスペースにすこし色を足したり、昔好きだったキャラクターを描くことで精一杯。「周りに見られていること」や「先に描いた人たち」のことを気にしてしまった。みんなのようにぜんぜん自由にはなれなかった。でも、手に絵の具をつけて、キャンバスに色をこすりつける感覚はものすごく新鮮だった。なんか、あの一瞬だけ、無音になった気がして。自分にとっての「もう一つの世界」を見つけたようで、なんだか不思議と心地よかったのです。

みんな、ほんとうにほんとうにありがとう。
また一つ、草々にとっての宝物が増えました。

絵はお店横、事務所の一階に飾っているのでぜひ見にきてくださいね。またポストカードもお店に置く予定です。
じっと見ていると色んな世界が見えてきておもしろいですよ。

そして、同じ空間でお店をひらいたみなさんもすばらしかったです。

野草は、「はじめに」さんが明日香村から採ってきてくれた野草たち。

みんなを入り口でやさしくお出迎えしてくれて、店主さんから聞ける野草のマニアックな話もすごくおもしろい。リースや枝物など、家に飾る用のものをみなさんほくほくでお迎えしていました。私も自宅用にきれいなパープル色の野葡萄をお迎えして毎日ルンルンです。

パンも朝から「ル・パン・サクレ」さんがたくさんつくってくれました。

子どもたちも食べれるようにと、かわいくておいしそうなパンがずらり。
アンパンマンもいて、みんな目を輝かせながら選んでいました。絵を描く合間に食べて、描いて、食べて。やっぱりパンってしあわせな気持ちにさせてくれるなぁとあらためて思いながら、私も爆食いしました。

翌日の日曜日は、「とことこ」さん&「ひらひら農園」さんの贅沢な食の祭典でした。

ひらひら農園さんの野菜は相変わらずイキイキしてて、みなさんまとめ買い。

珍しい野菜もたくさんあって、若い男性たちも興味津々で聞き入って箱買いしていました。ちなみに彼ら、うつわも料理も好きらしい。「若いのにすごいねぇ」と年上軍団がベタ褒め。感化されて、私も野菜を爆買いしました。

そして、とことこさんによる炭火焼きパフォーマンス。
ひらひらさんの太ネギをその場で焼いて、特製とり野菜味噌をつけて食べる至福のひととき。「あのネギはすごかった」と色んなところから会話が聞こえてくるほどでした。

さらに、大根やにんじんをたっぷり入れた鶏汁や、レタスバーガー!
バーガーはひらひらさんのレタスにとことこさんのつくねをサンド、そこに秘伝のタレが絡む絡む。これもまた、タレの立ち位置がすごくてみんな大絶賛(とくに私!)

あと、焼き芋がほんとうにすばらしかった。史上最高の焼き芋スイーツでした。色んな人が「いままで食べた焼き芋で一番おいしかった」と絶賛していました。あれはほんとうに食べるべき。

チキン南蛮弁当もおいしくって、帰ってから私も食べてまたまた感動。そしてまた写真を撮り忘れたことにいま気づきました。ごめんなさい。


2日間、出店してくれた「nokkonico」さんの刺繍アクセサリーにも感激でした。

一つひとつ、心を込めてつくっている様子が作品から目に浮かんでくるようでお客さんもうっとり。小さな世界に、縫い方やビーズのかたちや色の工夫が散りばめられて、さらにディスプレイやラッピングまで、細やかな気配りにもあたたかみが滲み出ているようでした。

なにより店主さんのおだやかな佇まいに癒される人続出でした(とくに私)
やっぱり、つくり手の心はものに宿るものだな…と。私も、大事な大事な友だちへのプレゼントを選ばせてもらって、もう早く渡したくてたまらないです。

ということで、秋の実りイベント、今年も無事に第二回目を開催できました。今回は県外からもたくさんきてくれて。もちろん奈良県内や生駒市の方も多くて、すごくすごくうれしかったです。

きてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
いつもあたたかな出店者のみなさんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。

最後に、うつわの話をさせてもらってもいいですか。

今回、1ヶ月にわたり草々のメインテーブルでは「タナカシゲオ」さんのうつわを展示していました。タナカさんのうつわ目的で来てくれたかたも何人かいたのですが、最終日に来てくれた、あるお客さんがこの小さな壺を選んでくれました。

お客さんはこのうつわの前でしばらく迷っていて、「いくらですか?」と聞いてきたので値段をお伝えしたら、小さな声で「買える…」とつぶやいた。

そのあとで、お客さんは私にこんな質問をしました。

「この壺、店主さんならどう使いますか?」

私は一瞬困った。はじめて見たときからぼんやり考えていたことがあって、でもこの場面でそれを伝えたほうがいいのか、どうなのか。
えーっと….うーんと…などだいぶ間をあけて、「ちょっと、言いにくいことかもしれなのですが」と前置きをいれてこう答えた。

「私なら、大事なひとの " 骨 " を入れたいなと考えていました」。

そうしたら、お客さんはハッとして。

….と、
このあとの出来ごとはプライバシーに関わることなので、書くことは控えますが、ひと通り話したあとで、お客さんはこの小さな壺を大事そうに持って帰っていきました。

私はあれから、何度もこのことを思い出しながら、タナカシゲオさんの展示をやってよかった、この壺を工房から選んできてよかった、お店をやっていてよかった、と心から思ったのです。

人の手仕事が、人から人へ伝わったときに起こること。

お店をやっていると度々この、めぐりあわせのようなシーンに出会いますが、今回のイベントを通してあらためて創作の力ってすごいものだなと感じさせられました。

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また来年、できたらいいなぁ。やりたいなぁ。
再会できることを心から願って、このレポートを終わりにします。

そして12月も草々では色々企画しています。
12/14(木)〜は吉川仁さんの展示をしたり、金継ぎワークショップをやったり、ロクマル珈琲さんがお店をひらいたり。「しめ縄ワークショップ」も企画中です。

ぜひチェックしてみてくださいね。

今年も最後まで存分にたのしんで、いい締めくくりにしましょう。

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うつわと暮らしのお店「草々」

住所:〒630-0101 奈良県生駒市高山町7782-3
営業日:木・金・土 11:00-16:00

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