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自分に似合う色はわからないけれど。

最近、新しくアイシャドウを買った。色はきいろとブルー。

そういえば、通販でアイシャドウを買ったのは今回がはじめてだった。

私がそもそもアイシャドウをつけはじめたのは今から2年ほど前、30歳を過ぎてからだった。アイシャドウのつけ方がずっとよく分からなくて、下手につけてしまうと殴られたように目が腫れぼったくなるのが嫌で何となく避けて通ってきた。デビューは遅いほうだったし、ここまでにすでに「アイシャドウ」と5回も打っている。略し方もよくわからないし、とにかく慣れていないのだ、アイシャドウに。

アイシャドウ。

東京にいた頃は、なんとなくアイホールに塗りたくっていた。目を大きく見せたくてパレットを買ってグラデーション仕様にしていたし、アイライナーもしっかり引いて、とにかく目をぱっちり見せようと努力していた。

奈良に来てからは、パレットのアイシャドウもアイライナーも使うのをやめて私のメイクは単色のアイシャドウだけになった。ナチュラル志向に取り囲まれている影響もあってか、色々なことが削ぎ落とされていったのだろうと思う。単色で濃淡をきかせる中でぼんやりと浮かび上がる自分の顔の色が好きになった。

35年間生きてきていまだに自分に似合う色なんてわからないけれど、色はその日の心持ちで選ぶようにしている。
今日は明るくいきたいからイエローかな、少ししっとりしたいからブルーかな、基本に立ち返りたいからホワイトかな..とか。これはすべて「なんとなく」だ。
そういえば、最近しいたけさんのnoteにも色のことが書いてあって、「色を選ぶときはテキトーでOK!」と言っていた。

そしてしいたけさん曰く、色には「背伸びの喜び」があるという。ここに私は大きく同意した。

ご飯を食べるとき、彩りよくできると心が盛り上がる「おいしそう」という気持ち。もうそれだけで3割の満腹感は達成している。

お弁当に詰めたときも同じだ。数時間後にこのお弁当箱をあけて食べる自分のために、ふんだんに詰め込む。

洋服も、心地のいい素材と色を身につけたとき、いつもとは少し違うことがしたくなる。いつもと違う花を選んでみたり、所作が丁寧になったり。外を歩いてもウキウキ気分が伝わるのか、周りからの注目度があがる気がする。

アイシャドウも、今日はイエローをつけてみた。まぁ誰にも気づかれなかったけれど、私にだけはわかる。朝メイクをしながら新しい自分に出会えるワクワクが1日中続く。何度も鏡をみてキメ顔やポージングをしてしまう。夜、お風呂場でメイクを落とすとき名残惜しそうに一瞬自分の顔に見入ってしまう。年齢とともになんだかしみもしわも増えてきたけど、自分の顔が好きだなと感じるひとときは偉大だ。

単調な毎日も、彩りが新しい自分との出会いや可能性を広げてくれる。
不安なときも、一歩ずつ進む力を後押ししてくれる。
色は私にとってそんな存在なのかもしれない。

***

これから夏にかけて挑戦したい色、まだまだある。
タイシルクのような光沢のかかったグリーン、くすみのまったくない漆黒、アポロチョコレートみたいな濃いピンク...
それを身につけたときどんな自分に出会えるのだろう。想像するだけで少しドキドキする。

うつわでも洋服でもメイクでも。
新しい自分、そこから広がる可能性。もっともっと探していきたいな。

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