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書評

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読んだ本をレビューします。 ★1:途中で読まなくなった(カネの無駄遣い) ★2:惰性で読むことはできる(つまらない) ★3:可もなく不可もなく(普通) ★4:新しい知識を得られ行…
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#レビュー

【書評】固定観念というメガネを外すには『THINK AGAIN』

認知バイアス(先入観・固定観念・思い込み)は誰もが持っている。 それは当然のことで「個人個人の世界観」でもあるからだ。1つの事象に対してどう感じ、何を思うかは誰もが違う。誰しも自分だけのレンズで世界を覗いているが、年齢とともにバイアスは強度を増していく。近視眼的になり、やがては盲目になってしまうこともある。 他人の意見を聞かず、頑固で絶対に自分の意見を曲げない老人を思い浮かべてみるといい。自分が盲目であることにすら気付いていない。まさに「盲目であることに盲目」な人もいる。

【書評】「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」

YouTubeで面白い人を見つけた。 ひろゆきと討論している成田悠輔という人物が凄いインパクトだった。なんと、少子高齢化の解決策は「老害となっている高齢者の集団自決だ」と大真面目に言っているからだ。誤解を恐れずその時の私のリアクションを言うと、普通に爆笑した。 その辺の人が言ったら「ヤベー奴」認定されて終わりだが、成田氏はイェール大学助教授。忖度しないという意味では、ホリエモンやひろゆきと同じカテゴリーに入るのだろう。 ホリエモンやひろゆきとの最大の違いは、ユーモアの高

【書評】ヒトの自然寿命は38歳!「40歳からは自由に生きる 生物学的に人生を考察する 」を読んで

あと1ヶ月で40歳になる私がこの本を見つけたのは偶然で、衝動買いしたのは必然だった。本屋で見つけて冒頭だけを読み、1分後には購入した本を紹介したい。 結論としてはめちゃくちゃ面白かった! でも評価としては★★★★ ★5にしなかったのは内容の大部分が生物学の話であり、40歳を超えたらどうするかの記述が少なかったからだ。まあ人生哲学ばかり書いてあっても読んでて退屈するし、生物学者としての筆者のバックボーンを活かせないからしょうがないとは思うが。 続いて個別に内容紹介してい

【書評】生物はなぜ死ぬのか

「なぜ生まれてきたのか」 「なんのために生きているのか」 その質問の答えはないし、考えるのも時間の無駄というのが私見だ。だけど、「なぜ死ぬのか」の答えの一端が書いてある本に出会った。その本の内容とレビューを書いていきたい。 内容紹介生物の定義の1つは、自己複製できるかどうか。つまり子孫を作れるかどうか。 生命が地球に誕生する確率を表す例えは、「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、ぐるぐるとかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、しかも動き出す確率に等

我々はスマホの奴隷なのか?「スマホ脳」を読んで考えたこと

「オリコンランキングで2021年で1番売れた本」というのに興味を持って購入したのですが、とんでもない神本でした。 内容を抜粋し、読んで得た知識と考えたことを記事にします。 【内容紹介】人間の脳はデジタル社会に適応していない。  狩猟採集民族だった人類は「闘争か逃走か」が本能に刻まれている。集団から追放される事は死を意味したため、遺伝子に「周りの評判が気になる」と組み込まれている。 現在、大人は1日に4時間をスマホに費やしている。10代の若者なら4〜5時間。この10年に

【書評】荒木飛呂彦の漫画術

「ジョジョの奇妙な冒険」の大ファンである私が出会った本。 その内容紹介とレビューをしていく。 ちなみにこんな記事も書いているので、興味がある方はどうぞ。 【内容紹介】 一コマ目は「5W1H」が基本。 いつどこで、誰が何をしているかがわかるように描く。 二コマ目で主人公のちょっと異様な行動を描き、そこで「これは普通の漫画とは違う、なんだか変わった話だぞ」と言う感じを演出する。 実際に漫画を描く時、常に頭に入れておくべきこと、それは漫画の基本四大構造と呼ぶ図式になる。

【書評】LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略

あのベストセラーの続編「LIFE SHIFT2」(著者:アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン)が出版されました。 本屋で偶然見かけ、即買い! 本記事では(自分のための備忘も兼ねて)内容を紹介していきます。内容紹介後、レビューを実施。では、スタート! 【内容紹介】 コロナによって日本の企業は働き方の柔軟性を高めるチャンスを得た。 人々が生きる環境がテクノロジーの進歩に追いついていない時代。一人一人が創意工夫しなければならない。 2055年までにシンギュラリティー

【レビュー】「知っておきたい感染症ー21世期型パンデミックに備える」

今回紹介するのは、2016年に執筆された感染症に関する本です。この本で書かれているパンデミックへの警告が現実になってます。 21世期になってから様々な感染症が発生しましたが、私も含め、日本人はどこか対岸の火事であったように思います。それは「偶然」にも、それらの感染症が日本で流行しなかったからに過ぎません。 私たちに必要なのは正しい知識です。 本の内容を伝えたいので、レビュー記事を書くことにしました。 本の内容 エボラ出血熱、2つのタイプの鳥インフルエンザ、SARS、ME

【書評】「失敗の本質」

昭和59年に出版された「失敗の本質」という本の内容をまとめたレビューです。敗戦から75年経ち、戦争を経験した世代はどんどん少なくなってます。「敗戦から日本は何を学び、それを活かしているのか」という視点で、この記事を読んで頂けたら幸いです。 本書は日本の敗戦から、失敗の本質を書いた一冊。 開戦した後の日本の戦い方と負け方を研究対象にしている。日本軍の組織的な失敗を、現代の組織にとっての教訓あるいは反面教師として活用してもらうことを目的としている。 それぞれの敗北の共通点 ①

【書評】FACTFULNESS(ファクトフルネス)

ドラマチックすぎる世界の見方が、世界を錯覚させる。 本書を読了したので、レビューします。 ビル・ゲイツも絶賛し、多くの学生に寄付した本です。まずは筆者の紹介。 著者 ハンス・ロスリング 医師であり教授。 世界保健機構やユニセフのアドバイザーも務めた。 世界で最も影響力の大きな100人に選出。 晩年に本作を執筆し、2017年死去。 本書では、人間には10個の本能があり、その本能が偏見を生んでいる、と言ってます。 早速、それぞれの本能を見てみましょう。 (★マークは

【書評】「天才を殺す凡人」著者:北野唯我

ビジネス書ですが、内容は小説のようなストーリー形式でサクサク読めます。 主人公は『凡人』、勤務してる会社のCEOが『天才』、CFOが『秀才』です。 まずそれぞれの特性が説明されます。 天才:創造性が強み。世界を重視する。 秀才:再現性が強み。知識・善悪を重視する。 凡人:共感性が強み。人との繋がりを重視する。 天才と凡人は価値の軸が違い、分かり合えない。 圧倒的に凡人の数が多いので、多数決で天才を殺す。 天才・イノベーションは既存のKPIで測れない。 だから

【書評】ホリエモン絶賛の「サピエンス全史」を解説します!

『サピエンス全史』著者 ユヴァル・ノア・ハラリ サピエンス全史を読了したので、概要解説とレビューします!この本はホリエモンも大絶賛してます。 まず、ホモ・サピエンスが繁栄したのは、3つの革命を起こしたからだと主張してます。 認知革命・農業革命・科学革命 です。 1.認知革命 実在しないもの(ウソ)を創作し信じる能力。 この能力により人類は、無数の赤の他人と協力し、他の動物に比べると圧倒的な変化スピードを獲得。 人間は無意識に虚構を信じる唯一の生物!と説きます。