見出し画像

「歴史思考」深井龍之介:読書感想 

コテンラジオのファンです。
久しぶりに良い音声コンテンツに出会えたなあと思いました。そのコテンラジオの深井龍之介さんが書かれた本です。

歴女とまではいかないけど、その時歴史は動いた!などと聞けば、「なになに?何がおこった?」と食いつかずにはいられないくらいには歴史が好きです。

****

私たちの悩みは、社会の常識や価値観と自分の価値観が合わないことから発生していることが多いです。世に中にはたくさんの「当たり前」があり、そこから外れる人が悩んでいる。

価値観当たり前は絶対ではなく、場所や時代によって変わります。歴史を知ることによって、それらが当たり前でないことに気づくことができるのです。そのことをこの本では「歴史思考」と呼んでいます。

100年前では当たり前の価値観が今では御法度になっていたり、今ならけげんな顔をされることでも昔は普通に行われていたり。特に今の時代、時間の流れも環境の変化も速く、それに比例して価値観の変化も速くなっています。

世の中の思考や価値観の主流がどうなっているか、売れ筋の本のタイトルを見ればわかりやすいですよね。

少し前では、生産性、コスパなどの言葉がふんだんに入った自己啓発系、それが飽和状態になり次に出てきたのが冷笑系、そして最近では「幸せとはなんぞや?」みたいな幸福本質系。ここ10年くらいでもこれだけ変化しています。

価値観が存在する事実を「認める」ことと、その価値観を「絶対的な善と考える」ことは区別しないといけない、と筆者は言っています。これはとても大切なことだと思いました。

数は力なりという言葉があります。

社会的に規定された価値観というのは、たくさんの人によって支持を得たものなので「絶対的な善」と考えてしまいがちです。

歴史思考のおかげで、「価値観には絶対がない、移ろうものだ」と頭では理解できても、社会的に規定された現在の価値観からズレている自分の「今」がしんどいんよねーと思ったりもしました。

とても読みやすい本です。コテンラジオファンの方はこの本を読んでいると、深井さんの語りが脳内再生されるような感じで読めると思います。

#読書感想
#歴史思考
#深井龍之介








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?