【私的まとめ】セイチョウ・ジャーニー

本投稿は、筆者がセイチョウ・ジャーニーを100分で一気読みしてしまった挙げ句「これは感想(まとめ)を書かねば…!」と謎の義務感に駆られて書いたものになります。生暖かい目で読んでいただければ幸いです。
なお超長くなってしまったのであしからず……です。
(引用はサンプルの目次からも読み取れる部分を中心に、内容についてはなるべく要約として丸写しは控えたつもりです。書き写しすぎな部分があれば修正いたします。)

セイチョウ・ジャーニーとは

セイチョウ・ジャーニーは、技術書典5で初頒布された技術系同人誌です。https://growthfaction.booth.pm/items/1038923
一見自己啓発系かなと思いますが、技術書ですね。
私はサークル参加側で買い逃してしまったので、BOOTHでPDF版を購入しました。冊子版もぜひほしい。

執筆者5名のセイチョウ・ストーリー

ハイスコア・ボーイ - てぃーびー

格ゲーに没頭し、楽しみながら上達し続けた経験を基に、次の4つの要素について記述しています。

・ポジティブ・フィードバック
・人のつながり
・自己目的的行為
・振り返り

ポジティブ・フィードバック:
たくさんプレイする→上達する→勝利しやすくなる→たくさんプレイ→…
ゲームはユーザを楽しませることが大きな目的になっているため、没頭し何度もプレイするほどに、さらに深く没頭していくというフィードバックが働いた。
ポジティブ・フィードバックが働くことで、対象への動機づけが苦痛なく自然と強くなった

人のつながり:
対戦相手がIDで分かるようになり、グループを形成して新しい攻略法や好きな話題を楽しむようになり、よりゲームに没頭するようになった。
人とのつながりを形成することで、長期的な継続力、上達の方法、新しい視点を得られるようになり、一層ポジティブ・フィードバックが働いた

自己目的的行為:
行為そのものが目的になっている状態をいう。トッププレイヤーのプレイを見たりブログ、情報交換を重ねることで「インプット」をし、実行した結果を自分のブログや動画として「アウトプット」するようになった。
新しい知識をどんどんインプットし、アウトプットで他者に知識を共有、他者がそこから新しい知識を発見……というフィードバックサイクルを形成した

振り返り:
途中から対戦動画を保存できるようになったため、日々動画の研究を行うようになった。一つ一つの攻防のたびに、自分と相手の行動とその結果を確認し、自分に不足しているものや強みを把握していった。
できないことをできるようになることは成長の一つの要素。客観的に自分の強みと弱みを把握することで、改善し成長した

◎私的まとめ
私の没頭した経験は最近だとソフトウェア作りでしょうか。情報系の学校も出てないしVBAいじり始めたのだって社会人(非IT系完全独学)になってからでしたが、はじめて書いたプログラムがちゃんと動いたときの感動は今でも覚えています。
ただインプットのみでほとんど他者へのアウトプットを行っていなかった(技術書典5が本当に初くらい)ので、その点は少し後悔です。今後はきちんと行っていきたい。

スゴクナイ・ジャーニー - Hide

(自称)すごくない人の成長ストーリー、1行目から激しく同意でした。

すごい人の成功ストーリーを聞いた時に、「どうせその人がすごかったからだ」と斜に構えることが多かったように思います。

スゴクナイ・ジャーニーは上司との対話をモデルとして、次の3つの要素について記述しています。

・どんな自分も好きになる
・楽しくないと成長しない
・こだわりを掘り下げる

どんな自分も好きになる:
目標を立て現状とのギャップを埋めることを考えるのは重要だが、現状を正しく理解できていないと間違った結論に達することもある。
他者からのフィードバックや診断ツールを活用することで、納得感とその後の「行動」につなげる。強みと弱みを把握することで無為に自己肯定感が低下することを防ぐ

楽しくないと成長しない:
ペアを組んだ相手と馬が合わなければ自分が成長すればいいと考えたが、それでビジネスが大きくなるなら組織で仕事をする必要がない。何より案件の空気が良くなかった(楽しくなかった)
他者とのつながりを大切にし、挑戦し、振り返り、楽しみながら仕事をすることで成長の経験を得られた。やりたいことを発信し、他者から勉強させてもらい、行動を起こすことがマイナスになることは無かった

こだわりを掘り下げる:
物事はシンプルに考えた方がいい(とても印象的なフレーズがありますが、それは本書を買って読んでいただければ幸いです)。
どうありたいか、何を成し遂げたいかといった「こだわり」を真剣に考える。最優先事項にできるだけ影響を与えない範囲で楽しい活動に取り組む。

◎私的まとめ
誰にでもある経験を「仕方がない」といった妥協で終わらせず、そこから一歩踏み込んで「どうすればいいか?」「どうすれば変えられるのか?」を考えた章だと思います。メンターとなっている上司の方のアドバイスやストレングスファインダー、KPT、幸せの書き留めなど、自己啓発を実施して実際に「行動」を起こし「変化」させているのがすごいと思いました。

マヨイ・ジャーニー - VTRyo

この章は冒頭からいきなり物語が始まって驚きました。
間宵誠(マヨイマコト)くんが技術書典5に行くところから物語は始まります。
この章は感情移入しすぎてマジ泣きました。感想まとめ書くために2周目してますが、プロローグの『今、楽しいですか?』ですでに涙ぐんでるとかやばいんじゃなかろうか……物語はぜひ素のままで読んでいただきたいので感想は自重します。

物語の途中で、それに沿った解説が入ってきます。
Twitterやconnpassへの登録の仕方を懇切丁寧に書いてあったのが印象的でした。「もしかしたらわからない人がいるかもしれない」というVTRyo氏の配慮が本当に素晴らしいと思いました。

・理想を言語化してみよう
・Twitterの始め方、誰かをフォローするときのコツ
・コミュニティに参加する、渡り歩く
・旅を振り返ろう

この章にめちゃくちゃ共感してしまった原因としては、私自身技術書典5に申し込もうと思ったきっかけが、技術書典4にサークル参加していたとあるAndroidサークル(※)の本を手にとったことだったと思います。
技術書典4を知ったのもTwitterのRTがもとで、とりわけ欲しい本があったわけでもなく、すごい盛り上がってるし行ってみようかな~と軽く思っただけでした。
そこから紆余曲折あり、まさか技術書典5で本を出すことになろうとは思いもよりませんでした。
本当に些細な行動が、数カ月後(書典に申し込んだことを考えると約2ヶ月後)の自分の行動を大きく変えていることを体験している身としては、この章はあまりにも効きすぎました。
まあ彼は登壇もしていますし全然先を行っていますが……今後も行動をし続けたいと強く思う章でした。
(※非公式アフターで直接お会いでき、お礼を伝えることもできました)

◎私的まとめ
涙で前が見えない……

言葉のセイチョウ・ジャーニー - KANE

成長したい人向けの言葉の成長について記述された章です。

言葉の成長とは、言葉を発信するとき、または言葉を受信するときに、その言葉の意味や解釈がお互いに相違ないようにする考え方とのこと。

KANE氏自身のPodcastパーソナリティの経験から、次の3要素について記述しています。

・発信する言葉を成長させる
・受信する言葉を成長させる
・言葉を完全に成長させることは困難である

発信する言葉を成長させる:
言葉の伸びしろを見つける。伸びしろとは、「ある言葉が異なる解釈ができそうである」という状態を指す。
自分の中の言葉を疑い、異なる解釈ができるかどうか考察する。辞書を活用し、発する言葉の含む意味に抜け漏れがないようにすることで、認識の齟齬が発生しづらくなる(=成長)

受信する言葉を成長させる:
未熟な言葉を探し、省略や解釈の余地がないか考察する。
曖昧な言葉があれば「異なる解釈があるのでは?」と疑う。言葉を抽象化させることで、納得できる解釈が生まれるようになる

言葉を完全に成長させることは困難である(章まとめ):
よく成長した言葉は、受信した人にとってプラスに働くことが多くなる。未熟な言葉は受信者の中で成長し、異なった解釈が発生する危険があるので、伝えたいことがあるときはしっかり成長させた言葉を発し、気持ち良いコミュニケーションをしましょう。

◎私的まとめ
「(成長させる)対象を提示し、方法を提案し、コラムで具体例を示す。」という論法で非常に整った説明がなされており、文章として意味や解釈の齟齬が生じにくい構成になっているなと思いました。
私の言葉が未熟すぎて、伝えきれないのでもっと成長させたい><

行動のハードルを低くするジャーニー - ゆのん

この章もぐっときてしまいました。「行動」することに着目した章です。

変化を目的とするのではなく、行動することそのものを目的とするという立場に立ったとき、どうやって行動のハードルを低くするかを示していきます。

本題に入る前に、成長のためには一般的に「目標」が重要であることから、動機づけの種類について次の3通りの目標を定義しています。

・どういう自分になりたいか、から考える、変化のための目標
・どういう自分でありたいか、から考える、維持・継続のための目標
・行動そのものが目標

この章では、行動そのものが目標の場合に焦点をあてて解説をしています。

◎自分要因での変化の起こし方
①行動そのものを目標にする
無理に目標を立てて苦しくなるくらいなら、むしろ目標は立てずにとにかく「いつもと違う行動をしてみて、変化を起こして」みる。行動による変化を予測する必要はない。熟考するとやめる理由探しに陥りやすいので熟考しない方が◎。

②行動をふりかえる
行動のふりかえり=ポジティブ・フィードバック。慣れてきたら、行動により起こった良い変化を肯定して出来たことを確認する。ただし反省会にならないように!やめたくなってしまう。

上記2点をくり返すことで「変化に慣れる」(ハードルが下がる)ので、無意識に行動を起こせるようになってくる。決して大きな行動をする必要はなく、小さな行動の積み重ねが大きな変化につながっていく。

◎環境要因での変化の起こし方
場所の変化、人の変化、時間の変化:
いつもと違う場所での会議、違う人との会話、違う時間でのタスク消化など。
自分要因で変化を起こすことが難しい場合は、取り巻く環境を変えるのがおすすめ

◎正しさを求めずに行動する
正しい行動だけを取りたい・間違っていたくないと考える人は行動が阻害されているケースがある。
行動した結果が予想外のものになることもあるし、仮に行動した結果が誤っていたとしても、学習し正しい結果に導くこともできる。行動しなければ何もわからない
正しい・間違ってるという二元論から脱却するために、次のやり方を提案されています。

・本当にそうなる?と問いかける
・やらない理由を見つけていない?と問いかける
・考えた結果を無視して行動してみる
・絶対に正しいやり方なんて存在しないということを理解する
・メンターをつけてみる

◎私的まとめ
とにかく「行動」へのハードルを下げることに働きかけた章でした。なぜ行動は起こしづらいのか?を深掘りし、考え方の転換方法や具体的な行動の起こし方を詳細に述べられていました。

このときに小さな行動を起こし、その積み重ねが、やがて大きな変化を巻き起こしていくのです。

このフレーズが結構好きです。やらない理由はわりと探してしまうタチなので、何かに挑戦するチャンスがあればポジティブな面をとらえて挑んでいきたいなと思いました。

付録 - 十人十色の成長と充実

とても書ききれないので省略(´;ω;)少しだけ記載。
第一線で活躍している27名の方々に、次の4つの質問を聞いています。

・成長とは?
・あなたが成長にとって重要だと考えるものは?
・充実とは?
・あなたが充実にとって重要だと考えるものは?

付録となっていますが、回答者が十人十色でとてもおもしろいです。
自分の知識や能力の向上を目的とした自己駆動成長と、他者の幸福を増進することを目的とした他者駆動成長という感じ?
無論2つに分かれるのではなくハイブリッドな感じで。

いずれにしても、みなさんセイチョウに対するエネルギーに溢れているなと思いました。

まとめ

5者さまざまなセイチョウ・ストーリーが展開されていますが、勝手に要素を抽出・抽象化してみます。

・小さな行動の積み重ねが大きな変化につながる
・行動することで環境を変化させる
・楽しくないと成長しない(しづらい、苦しい)
・目標・理想を考え、設定し、追求する

とにかく「行動」とそれにともなう「変化」が共通した概念だったと思います。しかもそんなに大げさな行動ではなく、小さな行動から大きく変化していくのがある種の衝撃でした。

「やってみようかな?」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!

VTRyo氏により、connpassにて次のグループが立ち上がっています。
Everyone Outputer https://everyone-outputer.connpass.com/
ビビりながら私も参加してみました。とりあえずポチってみませんか。ボタン押すだけですよ押すだけ、誰でもできます₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾

以上、セイチョウ・ジャーニーの感想まとめでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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