消えゆく境界線

天と地の境目がなくなってしまうような
ぼんやりとした
白のようなグレーのような境界線を眺めていたら

何だか奥の奥から
形のない
でも確かにある何か みたいなものが込み上げてきた
 

ずっと怖くて
ずっと先が見えなくて
ずっともがいて

何とかして見よう見ようとしていた
けど
結局見えなくて


それでも
何とかもがき続けたら
ここにいた


目に見えるものが全てじゃない
頭ではわかっていても
全然見通しが立たなくて
不安で怖くてしょうがなくて

それでも
見えないけど
たしかにあるものを感じながら


とても痛くて苦しい思いもたくさんして
たくさんもがいて
何とかここまで生きてきた

 

気づいたら
視界がとてもクリアになって
これまで見えてこなかったものが見えるようになって


そうしたら
雨予報だった空もすっかり晴れて
遠くに山があったことがわかった

 
ああ これだったんだ
見えないけれど たしかに感じていたもの


しかし
あの感覚は何だったんだろう

あの消えゆくような朧げな境界線を目にしたときに
込み上げてきたものは

 

かたちあるものと
かたちないものの
境界線が溶けてなくなってしまったような


何もないけど
全てあったと思えるような
不思議な感覚がした

 
見えたことがうれしかったのか
見えなくてもたしかにあると感じられたことがうれしかったのか


とても幸せで満たされているんだけれど
これまで感じてきたような高揚感?とはまた違った
新しい感覚に身をあずけています


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