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個人で所有している不動産の家賃収入を新設した資産管理法人へ売上を移管して節税する方法

楽待相談室にこんな質問があったので回答をさせていただいたところベストアンサーに選んでいただきました!

4.13ベストアンサー

【質問】

個人所有の物件の収入を新設資産管理法人に売上を回せるか


現在個人所有でアパートを所有しています。物件を増やすことになりそうなので資産管理法人を新規に立ち上げました。
表題の通り、個人所有の物件に収入を法人にいくらか回せないものかと思案しています。
現在管理会社から個人の口座に入金されているものを一旦法人に入金してもらい、手数料を引いて個人の口座に入金する、このようなことを考えていますが、何か問題がありますでしょうか?
また、何か良いアドバイスがございましたら宜しくおねがいします。


【回答】

貴殿が仰るように“法人に賃料が振り込まれ一定の金額を差っ引いて個人に振り込みをする”という方法も可能ですが、税務上の整合性を保つには法人が対価に見合った業務活動及び契約形態を担保しないと税務署に突っ込まれたときに違法とみなされてしまいます。

そこで貴殿が取組めそうな節税スキームを3つご紹介させていただきます。
少々長文になりますが、最後までお読みいただけたら幸いです。

1.建物を法人へ譲渡する
2.個人法人間でマスターリースして法人間でサブリースする
3.法人に管理委託をして報酬を支払う

具体的方法とメリデメをご説明します。

1.建物を法人へ譲渡する
(具体的方法)
①建物を簿価で法人へ売買する
②(法人に支払う資力がない場合)支払い方法を長期割賦払いにする
③土地は法人の借地権とする
④土地の対価を発生させないために「土地の無償返還に関する届出書」を税務署へ届出する
⑤土地を使用貸借にすれば地代0円でも税法上問題はない
⑥賃借人にオーナーチェンジした通知書を発行する
⑦賃貸管理契約の委託者を個人から法人へ名義変更する

(メリット)
・賃料を法人の売上として収受できる
・損金計上できる項目が個人と比べて多くなり節税効果が高まる
(デメリット)
・建物の所有権移転に伴い、契約書の印紙代、登記費用、取得税が発生する
・(現在不動産に抵当権がついている場合)抵当権者の承諾が必要になる
・簿価であっても譲渡所得税が課税させる可能性がある。


2.個人法人間でマスターリース契約を締結し賃借人にサブリースする
(具体的方法)
①個人と法人間でマスターリース契約を締結する
②マスターリース賃料はサブリース賃料の70%~85%に設定する
③賃借人にオーナーチェンジした通知書を発行する
④賃貸管理契約の委託者を個人から法人へ名義変更する

(メリット)
・サブリース賃料を法人の売上として収受できる
(デメリット)
・マスターリース賃料を個人へ支払うため上記1と比べたら節税効果は少ない


3.法人に管理委託をして報酬を支払う

(具体的方法)

①法人へ賃貸管理を委託(契約)する
②賃貸管理契約の委託者を個人から法人へ名義変更する

(メリット)
・管理委託料を法人の売上として収受できる
(デメリット)
・管理委託料の数%が法人の売上になるが上記1.2と比べたら節税効果は少ない


この3つの方法で税理士へ相談してみてください。
いずれも対応はしてくれると思います。
もし税理士が付いていないようであれば直に税務署へ相談となりますが、ハイレベルな応酬話法が必要となりますので、上記の中から厳選したスキームを熟知し相談されることをお勧めします。


貴殿に合ったスキームが見つかることを祈っております!



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