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新築ワンルーム投資と生命保険の関係性

こんにちは!宅建おじさんと申します。

先日、楽待相談室にこんな質問があったので回答をさせていただいたところベストアンサーに選んでいただきました!


4.9融資ベストアンサー

質問の内容

これから不動産投資を始めようとしております
自己資金は200万円程度で始めたいと思っております
金融資産自体は株を中心に3000万円程度ありますが、現時点で現金化せずに200万円の頭金を限度として始めることを検討しております
東京のワンルームマンションはキャッシュフローが出ないので儲からず、最初は対象から外していましたが、現在私が入っている生命保険と同等の効果を融資を通して得ることができ、毎月の収支はほんの少しだけプラスになるような形の案件がありました。
この物件を購入して生命保険を打ち切れば不動産投資としてはキャッシュフローはでなくとも私のポートフォリオ全体としては月に数万円のプラスになります。
また将来的には1棟アパートなどをやりたいと思っており、数年間不動産投資と大家としての経験を積み、融資の実績を作って次につなげたいと考えました。
上記を始めた上で数年間自己資金をため、次の物件への準備をしていくというやり方をどのように思われますでしょうか?
この物件自体は大きくは儲からないかもしれませんが不動産投資の実績と経験があることが次につながるのであれば検討したいと思い
特に融資の実績があることが以降の融資に影響を及ぼすのかどうかに関してご教示いただけますと幸いです。
どうぞ宜しくお願いいたします。



私の回答です



はじめまして!色々悩まれているご様子なので、お力になれたら幸いです。

結論から申し上げますと、


この物件を買っても次につながるどころか足かせになるので見送りされた方が貴殿のためになると思います。


本来、新築ワンルーム投資は次のような目的の方が実践されています。
・医者や弁護士など時間的余裕がない方が給与所得と損益通算して行う節税法
・相続税対策向けに資産組み換えをして行う節税法
しかし、どちらも節税効果もやがて薄れていきインカムゲインは入らず、損切りしてキャピタルロスとなる方が圧倒的に多いため得策とはいえません。貴殿に至ってはそのどちらの目的でもないと思いますし、次のステップの足かせになってしまうので見送られた方がよろしいかと思います。


その理由をもう少し詳しく、3つに分けてご説明します。
1.キャッシュが貯まらない
2.売却が難しい
3.融資に悪影響になる


1.キャッシュが貯まらない
 お気付きのとおりでキャッシュは貯まっていきません。何故なら利回りが低く規模も小さいからです。さらに、今後家賃は下落し修繕積立金は上昇していくので売上は新築時から右肩下がりです。さらにさらに申し上げると、3回目以降の大規模修繕費は各戸に特別徴収するマンションがほとんどなので長期修繕計画を確認し修繕積立金の増額及び特別徴収金額を予測したシミュレーションもしてみてください。


2.売却が難しい
ワンルームマンションの買い手のほとんどは“節税目的”です。若しくは“転売目的”でキャピタルを狙う業者かどちらです。貴殿が売却をしようとした際に、買い手は節税効果が少ない中古物件ではなくやはり新築に目が行くのではないでしょうか。となれば出口は安くして業者に買ってもらうか、若しくは表面利回を15%以上に設定して個人の方に買ってもらうか。いずれにせよキャピタルロスになる可能性が高いです。
「この物件を購入して生命保険を打ち切れば不動産投資としてはキャッシュフローはでなくとも私のポートフォリオ全体としては月に数万円のプラスになります」
と仰いますが、このマンションを生命保険として考えた時に、数十年後果たして家族にキャッシュを残してくれるかは疑問が残ります。生命保険と投資を一色単にするのはあまり良くない考え方だと思いますので、保険は保険、投資は投資と今一度冷静になって考え直してください。


3.融資に悪影響になる
「数年間不動産投資と大家としての経験を積み、融資の実績を作って次につなげたいと考えました」
「この物件自体は大きくは儲からないかもしれませんが不動産投資の実績と経験があることが次につながるのであれば検討したいと思い 特に融資の実績があることが以降の融資に影響を及ぼすのか」
と仰いますが、残念ながら融資の実績が金融機関の審査にプラスに働くことはほぼありません。むしろ既存借入が無い方が承認額及び率は高まります。
区分から始めて一棟投資をやりたいという方が相談にいらっしゃいますが、90%以上の方に区分は融資の足かせになるので、売却するようにお願いしています。何故なら債務超過になっていることが多く、与信評価が低くなり思うような融資が引けないからです。債務超過は特に新築区分マンションの購入者に多く見られる傾向で、それは業者の利益が20%前後乗っているため積算価格と大きく乖離してしまうことから発生します。
そうして一棟を買えない人になっていくのです。

今後も不動産投資を拡大していきたいと気概があるが故に、焦りが冷静さを奪っているように思えます。営業パーソンもそのあたりを軸にプレゼンしてくるので、今一度冷静になって物件を見極めてください。


ご健闘をお祈りしています!

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