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初めて1人で行った海外は、苦い思い出。

1人で海外へ。1人で行くと、だれかと行ったときよりもトラブルが多く降りかかります。

そのトラブルに対処していくのも、旅の醍醐味ですよね。  

初めて1人で海外に行ったのは、博士課程の学生のときでした。

教授のはからいで、カナダのトロントで開かれる学会に1ヶ月も参加できることになったんです。大変ラッキーでした。

✈︎

大きなトラブルもなく、気がついたらトロントに。

そして気がついたら、大学の教室に座っていました。その日は、学会の案内がある日でした。

もちろん、事前にメールをもらっていたからですが、当時のわたしの英語力は低くかったので、よくたどり着けたなと思います。

教壇に立つ、真っ白な髪に真っ白な口ひげを蓄えた人。サンタクロースみたいな教授がなにやら説明を始めます。ここではサンタクロース教授と呼ぶことにします。

「ペラペラペラ。」

「ペラペラペラペラペラ。」

「ハッハッハッハッ!」

ペラペラと聞こえる英語に、ときどき入る笑い声。英語のはずの言語が、高速で耳を通り抜けていきます。もちろん、わたしの頭には何も残らない。

何を言っているか、全くわからない!

とんでもない場所に迷い込んでしまった!と思いました。話が分からなすぎて消えてしまいたい。とはいえ、帰るわけにはいかないから、気配を消すことに努めます。

どうか、わたしを見つけないで!

何しに行っているんだと思うかもしれませんが、勉強目的とはいえ、相手の言葉がわからないのは辛いです。

とにかくパニックで、早くこの時間が過ぎ去ることを願いました。

その後、黒板に時間が書かれたので、「明日の案内かな。そろそろ終わりそう。」とホッとしたのも束の間。

「ペラペラペラ?」

何かを聞かれました。

サンタクロース教授は、あきらかに、私に向かって何かを聞いているのです。

どこから来たかとか、誰の紹介とか、簡単な質問だったと思いますが、パニックど真ん中なので、何も分からない。

「あはは、、、。」

愛想笑で誤魔化して、彼が諦めるのを待ちました(こういうのは今もやっちゃいます)。そして、時間が早く過ぎ去ることを願いました。

✈︎

なんとか初日が終わりましたが、その後も分からない地獄はつづく。

学会発表の内容は、数式や図があるので何となく理解はできます。できますが、発表の間あいだにあるティータイムがまた地獄。

数人が会話で盛りあがっているところに、すっと割って入り会話に新しく参加する人たち。

いやーーー!ムリ!日本語ですらムリ!

今は多少は慣れましたが、当時は「コミュ症には荷が重え」と思って、すみっこで紅茶を飲んでました。

このままではダメだと思い、学会が終わってから、ホテルで必死に英語の勉強をしていました。言いたかったことの英語表現や、出てきた単語の意味。とにかく必死。

流れが変わったのは、ある2人の研究者が、同じホテルに泊まっていることが分かってからでした。

学会から一緒に帰る間、少人数なのでゆっくり会話してもらえる+分からない単語を教えてくれたりもしました。

とても、やさしかった。

その後は、たどたどしい英語で何人かと話せるようになりましたし、目的の一つであったお目当ての教授との繋がりも作ることができました。


まあ最終的には、"財布を盗まれて"、警察署で必死に訴えていたら、英語力爆上がりしたんですけどね。

過去1番、必死になりましたから、リミッターが外れた気がしました。

財布はかえってこなかったけど…。


ああ、美しきトロント。スリのいるトロント(どこにでもいるけど)。また行きたいな。

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読んでくださいまして、ありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう!


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