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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#歴史

1年前は出版実現に確信がありませんでしたが、なんとか出版に至れそうです

ふと、昨年のゴールデンウィークは何をしていたのだろうかと思いだしたら、今年6月に出版する『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社、Amazonなどで予約受付中)の企画書やサンプル原稿を作成していたところでした。出版ゼミであるブックオリティさんの「出版社さん向けプレゼン大会」が5月末に開催予定でしたので、そこに向けて準備していました。 「そっかあ、あれは1年前なのね。。。なんかもっと前の感覚がするな。。」と正直なところです。 ブックオリティさんには昨年2月から受講したので

26年大河ドラマの主人公は、現代にも通じる最強のNo2

少し先のことではあるのですが、2026年の大河ドラマは「豊臣兄弟!」というタイトルで、豊臣秀吉(1537年~1598年)の弟、豊臣秀長(1540年~1591年)が主人公となります。 「豊臣秀吉は知っているけど、弟?秀長?って誰?」という人も多いかもしれません。日本史の教科書でもほとんど取り上げられていないので、それも仕方ないところです。もし扱われていても、1591年に亡くなり、豊臣政権の先行きに影を落としたくらいの記述しかないと思います。 しかし、私はこの26年大河の発表

リーダーは「憐れみ」の心を持つべきでは

戦国時代に関東を支配した北条家の2代目に北条氏綱(1487年~1541年)という人がいます。この人は初代、北条早雲から北条家の勢力を更に拡大した人として名前を残しているのですが、特に後継者(北条氏康)に残した「五か条の遺訓」は戦国大名の遺訓のなかでも有名です。 この遺訓の第二条には、家臣の使い方、特にその強みの活かし方について書かれているのですが、そのなかに、「どんな者にも憐みをかけなさい。役に立つか立たないかは、すべて大将の心にあるものだ。」という一節があるのです。私は

「追いつめているかな」と思ったときは、「逃げ道を残す」を思い出してほしい

先日、当社のなかでも大変な歴史好きで、いつも歴史談義で盛り上がる同僚とランチに行ったときのことです。話しをしているなかで、私が最近ナチス・ヒトラーが政権獲得した本(「ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか-民主主義が死ぬ日」)を読んだ話しをしたところ、この同僚は、 「やはり何ごとも追いつめ過ぎてはいけないのですよね。ドイツも第一次大戦後に追いつめられ過ぎたことがナチス・ヒトラーにつながったのですよ。ロシアのプーチンも同じです。」と話していたのです。 私はそれを聞いて、「もっと

著作『リーダーは日本史に学べ』と司馬遼太郎先生、松平容保、徳川慶喜

昨日、京都に日帰りで行ってきました。一番の目的は、中学生の頃から大きな影響を受けてきた司馬遼太郎先生のお墓にお参りすることでした。 6月に『リーダーは日本史に学べ』を出版させて頂きますが、司馬遼太郎先生との出会いがなければ、現在に至るまで歴史に親しんでいませんでした。そのお礼と感謝の気持ちを伝えたかったからです。 京都駅からバスで移動し、清水寺の近くにある大谷本廟の先生のお墓にお伺いしました。先生のお墓を訪れる方も多いのか、受付にお聞きしたら丁寧に教えて頂けました。 先生

偉大なリーダーが失われたことで、その後の歴史が変わったこと

かつて日本の内閣総理大臣に次のような人がいました。 「世界のなかでもプレゼンスが高まっているアメリカとの連携を重視し、かつ政情が不安定であった中国とも友好関係を築くことで、不安定な国際情勢のなかでも日本の安定を図ろうとしました。また、国内においても産業の振興や教育の高度化に努めました。」 この内容を読むと、「アメリカとの連携重視とかって、戦後の首相かな?」と思われる方も多いかもしれません。しかし、これは明治の終わりころから主要閣僚を担い、大正期には首相をつとめた原敬(1856

100年以上成長し続けた企業グループの祖業とは

今週の日経新聞で私が一番目をひいたのは、セブン&アイ・ホールディングスが傘下のイトーヨーカー堂などのスーパー事業の株式について新規株式公開(IPO)の検討に入った記事でした。 実は当社の近くにセブン&アイ・ホールディングス及びグループ各社の本社があることもあるのですが、ここ近年、店舗の統廃合も激しく、早期退職の募集や本社移転なども予定しており、「もしかしてグループからの切り離しを考えているのかな」と考えつつ、「でも祖業だから切り離せないかな」と思っていたので、正直本記事は驚き

部下の性格に合わせて伝え方やフォローを考える

部下の性格に合わせて、伝え方やフォローを変えないといけない。仮に厳しい評価をするにしても、その性格を考えたうえで伝えたりフォローしないと、大変なこととなる。 織田信長と明智光秀という上司と部下を考えると、つくづくそのように思うのです。 明智光秀が織田信長を殺害した「本能寺の変」について、明智光秀が変を起こした動機、理由はミステリーで、恐らく永遠の謎であり続けるでしょう。むしろ、永遠の謎であることがこのミステリーの楽しい(信長様には不謹慎ですが)ところで、ここに書くことも私

初書籍の歴史監修を頂いた小和田哲男先生について

先日、私の初著作『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)について表紙カラーのアンケートをさせて頂きました。多くの方からご意見を頂き、大変感謝申し上げます。ありがとうございました。また表紙カラーが決まりましたら、この場でご報告させて頂きます。 Amazonや楽天ブックスをご確認頂いた歴史通の方のなかには、「小和田哲男先生が監修しているのか」と思われた方もいるかもしれません。 今回、日本史を通して現代のリーダーのあり方を考えるというテーマのなかで、執筆は全て私が行いましたが、

なぜ4月から新年度のスタートなのか。

今日は新年度始めということで、全国各地で入学式や入社式が行われたのではないでしょうか。いつもより人の流れが多かったようにも感じます。 なぜ日本は4月から新年度が開始されることが多いのでしょうか。よく言われるのは、次のようなことです。 江戸時代は農家は年貢としてお米を幕府や大名に納めていましたが、明治に入り、税金は全てお金で支払われることとなりました。 明治に入ってからも主要産業は農家、それも米作農家が中心でしたので、農作物(お米)をお金にかえて税金を納める必要がありました

リーダーとして、メンバーの動向、発言、様子に注意を払い、興味をもっていますか

仕事柄、多くのリーダーの方々とお会いするなかで徒然に感じたことの一つです。 リーダーの大事な資質の一つとして、メンバーに興味をもつことで、メンバーがどんなマインドやモチベーションにあるのか、またどんな動きをするのかを感じとり、それに対して適切な対応をすることがあると思うのです。 例えば、退職が続いている組織のリーダーの方に、「今後、更に退職者がでる可能性がありますか?」とお聞きしたときに、「退職をするという話しは今のところ聞いていません」と答えられることがあるとします。

福井県は東京とつながる前に、日本の激動期とつながっていたのです

今日から北陸新幹線が延伸し、東京と福井県が直結しました。これまで福井県といえば大阪とのアクセスがよい一方で、東京とのアクセスは不便のイメージがあったので、福井の方々としては大きな変化だったのではないでしょうか。そういえば、17年前の2007年の朝の連続ドラマ「ちりとてちん」は福井が舞台でした。このドラマのなかでは、貫地谷しほりさん演じたヒロインが夢や展望を描くために故郷をでて向かった先が大阪でした。その後、ヒロインは落語家を夢みて頑張るのですが、北陸新幹線が延伸した今であれば

ロシアで繰り返される、融和のあとの強権。中庸は難しい。

1週間後の3月17日にはロシアの大統領選挙が予定されており、プーチン大統領の5選が確実視されています。直近でも政敵ナワルヤナ氏が北極圏の監獄で亡くなるなど、その強権ぶり、専制ぶりは健在と言わざるえません。 ロシアは、プーチン大統領に限らず、 歴史上に強権的、専制的な君主、リーダーが多数いました。 ロシア帝国時代の皇帝であったピョートル大帝、エカチェリーナ女帝、またソ連時代のスターリンなどは有名なところです。 先日、講談社から出版されている「興亡の世界史」シリーズの「ロ

信義に反して短期の利益を得ても、長くは続かない

強い協調関係にあった相手に急に敵対したり、時にはだましたりして短期的な利益を得ても、長い目でみると失うものの方が大きいと思う話しが歴史にはあります。 それは、戦国時代の甲斐で大きな勢力を誇りながらも、次代で滅びてしまった武田信玄(1521 ~1573年)についてです。 武田信玄は、駿府・遠江(静岡県)の今川家と、関東の後北条家と三国同盟を結び、互いに血縁関係も結んでいました。信玄の嫡男であった武田義信(1538~1567年)も、今川義元の娘を妻としていました。 この三国同