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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#中小企業

雇用条件に沿った配置転換を行う

4月27日の日経新聞で、「同意ない配置転換、職種限定では違法 最高裁が初判断」というタイトルの記事が掲載されました。 同記事の一部を抜粋してみます。 上記が裁判官4人全員一致の結論ということです。今後同様の訴えが起こった際に、上記が重要な判例となっていくことが想定されます。 同日付の別記事「働き方、労使合意を重視 最高裁 「一方的な配転不可」初判断、丁寧な協議が要に」からも一部抜粋してみます。 前回、必ずしも個人発の意思決定ではない配属に関する「配属ガチャ」について考

配属ガチャを考える

4月26日の日経新聞で、「「配属ガチャ」の結果に悩むな」というタイトルの記事が掲載されました。 一昔前は、「企業に就職したらどこに配属になるか、いつ転属になるかわからない。決まった配属先でがんばるのみ」という考え方が一般的でした。この考え方も変わり、しばらく前から「配属ガチャ」などと言われるようになってきています。配属先に対する納得感は、働く側の満足・不満により大きく影響する要因になってきたようです。 同記事からの引用です。 配属というテーマにどう向き合うか。いろいろな

中堅企業という区分

4月22日の日経新聞で、「小さくても勝てる(1)「隠れチャンプ」に光を 中堅・中小、大企業上回る潜在力 経済再生の主役に」というタイトルの記事が掲載されました。 「大企業」と「中小企業」の間に、新たに「中堅企業」の区分をつくることの意義について各所で聞かれるようになりましたが、その動きについて取り上げたものです。 同記事の一部を抜粋してみます。 日本では、法人税の観点で、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人で、さらに一定の条件を満たした企業が中小企業として、さま

脳波の状態を可視化する

大阪にある「COCOTORE(ココトレ)」で気軽に脳波の測定を体験できると聞いたので、先日試してみました。 以下、ココトレに許可を得た引用等をしながら、考えてみます。 自分の「こころ」が今どのような状態なのか、なんとなく感じることができますが、いまひとつわからないものです。こころの状態に大きな影響を与えているのが、脳波です。 「α波」といった脳波に関する言葉を聞いたことがある人も多いのではないかと思いますが、ではその「α波」とはどんなもので、自分の「α波」がどんな状態な

「査定改革」を考える

先日、社員の評価制度を再構築している企業様と打ち合わせる機会がありました。 「これまでは、社員が何をしたら評価されるのか、明確でなかった。評価結果のフィードバックも十分になかった。互いの納得感がある中での評価ではなかった。今着手している制度リニューアルによって、評価すべき要素が評価され、かつなぜそれが組織として評価対象となるべきなのか理由が語れるようになると感じる」というお話でした。 4月22日のヤフーニュースで「【日本ハム】好調の裏に〝査定改革〟 新庄監督「やる気にさせ

リスキリングの意義の説明

4月17日の日経新聞で、「リスキリングの現状と課題(上) 企業の説明・成果の還元 必須」というタイトルの記事が掲載されました。 しばらく前からリスキリング(学び直し)という言葉をよく聞くようになりました。技術革新をはじめ企業を取り巻く環境は変わり続けます。その中で、世界中で従来のスキルや仕事の進め方が陳腐化して、人と職務のミスマッチが広がっている背景を受けて、提唱されている概念です。同記事は、リスキリングについて考察されている内容です。 海外では国の成長戦略の一環として国

輸出で販路を広げる

4月20日の日経新聞で、「「TATAMI」世界に香る美 魅力拡大へ畳みかけ」というタイトルの記事が掲載されました。海外の家屋で、日本の畳を好んで取り入れられる例が増えていることを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 不動産関連の方からは、賃貸物件の新規入居者募集にあたって、和室を洋室にリフォームする提案をよくすると聞きます。理由は、畳部屋だと若手世代への受けが悪いためです。同じ間取りでも、洋室にリフォームして畳からフローリングに変えるだけで、客付きがよくな

サピエンス全史から合成の誤謬について考える

知人が主催する読書会に、毎週日曜日参加しています。今取り組んでいる課題図書は、『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ氏著)です。全4部中、第2部に差しかかった段階ですが、表面的にしか知らなかったことへの理解が深まり、多くの気づきがあります。 同書の読み込みを通して、一貫して「合成の誤謬」が大きなテーマとして頭の中に浮かんできます。「合成の誤謬」について、ウィキペディアでは次のように説明しています。(ウィキペディアを引用しながら作成) ミクロレベルでは合理的と考えられる

中小企業は社内の周知を集めるために社外人材を活用すべき

私は経営コンサルタントとしてこれまで多くの中小企業の経営に携わってきました。 そこで感じるのは経営者に物を言える存在が少ないということです。中小企業は株主であり経営者であるオーナー経営者が多いです。オーナー経営者は会社において絶対的な権限を持っており、極端に言うと会社における全ての意思決定を下すことができます。従業員の生殺与奪権を握っており、オーナー経営者の意に反する発言をすることが大きなリスクに繋がります。そのため従業員はオーナー経営者の意に反することを言うということはとて

「1つの部に3人の部長」体制を考える(2)

日本の人事部サイトで「職務を分担することで、求められるミッションを推進 管理職の成果を高める、日揮グループの「管理職分業」」というタイトルのインタビューコラムが掲載されました(4月9日付)。 管理職の負担が年々重くなっていると言われている環境下で、管理職に期待される機能を複数人で分業することを制度化しようとするものです。 同記事の一部を抜粋してみます。 同社の管理職分業の取り組みについては、以前にも取り上げたことがあります。その際にも、1人の人材がマネジメントに必要な機

牛丼の値上げから考える

2024年4月17日の日経新聞で、「牛丼を分解してみた 1杯の原価は4割上昇、値上げ再び?」というタイトルの記事が掲載されました。デフレの象徴といわれることもあった牛丼の価格が上がっていることを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 飲食店の経営で必要な費用は、食材だけではありません。物流、調味料、食材の加工、賃金、店舗の管理など、他にも様々な経費がかかります。同記事の試算では、この1年間食材だけで100円程度のコストアップ要因があったということですが、賃上

孫育て休暇から考える

3月16日の日経新聞で「孫育て休暇、地方公務員に広がる 郡山市は45人利用」というタイトルの記事が掲載されました。育児休業・育児休暇の制度が孫まで対象になるという概念が自分の中でなかったため、新鮮な内容でした。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事からは、現存する様々な社会制度や企業内の雇用制度ができた当時から、環境変化を踏まえたうえで、改めて2つの前提を見直す必要があることを感じました。それは、「世帯の構成メンバー」と、「メンバーの属性や取り巻く実情」です。 子ども

働きがいのマイナス要因とならない賃金設計

4月13日の日経新聞の第1面で、「高齢者の「働き損」解消策、年金減額の緩和議論 保険料納付、45年に延長案」と「教員「残業代」2.5倍以上に 中教審案、人材不足で50年ぶり増」というタイトルの、2つの記事が並んで掲載されていました。働いたのに賃金としては報われない「働き損」について取り上げた内容です。 「高齢者の~」の記事から一部抜粋してみます。 「教員~」の記事からも一部抜粋してみます。 賃金という報酬の性質については、これまでもテーマにしたことがありますが、切り口を

ウィスキーの乾きが良い思い出に

先日、知人のAさんとお会いしました。オンラインで接点はありましたが、個別にお話することも対面でお会いすることも、先日が初めてでした。その機会、そして、その時の出来事が、たいへん印象的でした。 Aさんは、私よりひとまわり上のご年齢で、いくつかの業界で卓越した成果を上げ、複数の会社経営もなさってきた方です。コーチング領域においても私の大先輩で、ビジネスや対人コミュニケーションにおいて多くの知見をお持ちです。 いろいろな意見交換をしながら飲食しました。その中で、私が主催していて