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ChatGPTでアンケート調査票を作ってみた

ChatGPTで、いい感じのアンケート調査票が作れるか?

自社商品の「GPTアイス」の市場浸透状況を把握するための調査
という設定で実験してみました。

結果だけ知りたい方はこちら↓

■実験結果
・5~10問程度の調査票は、そこそこいい感じに作れる
・設問数や設問形式に制約を設けると、目的に沿ったものになりやすい
・項目10個→5問のように、ステップ刻んで絞り込みをするとよさそう
・検証したい仮説を指示すると、回答が的確になる


実験1: 調査目的を与えてみる

まずは、ふわっと調査目的を投げてみます。

あなたは、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーです。
自社商品の「GPTアイス」の市場浸透状況を把握するために、アンケート調査票を作ってください。

ChatGPTさんの回答がこちら。

はい、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーとして、GPTアイスの市場浸透状況を把握するためのアンケート調査票を作成します。
以下が、調査票の質問項目の例です。

1. GPTアイスを知っていますか?
(1)はい、よく知っている (2)あまり知らない (3)知らない

2. GPTアイスを食べたことがありますか?
(1)はい、食べたことがある (2)いいえ、食べたことがない

3. GPTアイスをどこで知りましたか?(複数回答可)
(1)テレビCM (2)SNS広告 (3)友人/家族からの紹介 (4)スーパーマーケットでの販売 (5)その他(自由記述欄)

4. GPTアイスを食べた感想を教えてください。
(自由記述欄)

5. GPTアイスをどのようなシーンで食べますか?(複数回答可)
(1)家で (2)外出先で (3)友人との集まりで (4)特別なイベントで (5)その他(自由記述欄)

6. GPTアイスを今後も購入したいと思いますか?
(1)はい、購入したい (2)いいえ、購入したくない

7. GPTアイスの改善してほしい点があれば、教えてください。
(自由記述欄)

8. 最後に、GPTアイスに対するご意見やご要望があれば、お聞かせください。 (自由記述欄)

以上が、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーが作成するGPTアイスの市場浸透状況を把握するためのアンケート調査票の例です。

ChatGPT

シンプルな指示しかしていませんが、それっぽい調査票が出てきました。「市場浸透状況」を認知→食べた経験のファネルに分解して、項目ごとにそれっぽい設問文や選択肢を設定してくれています。

とはいえ、若干自由記述が多かったり、「認知→食べた経験→認知経路→食べた感想」と設問順がやや答えづらかったりと、手直しは必要そうです。

実験2: 設問数と形式を与えてみる

実験1では必須ではなさそうな設問も含まれていたため、設問数を5問として、自由記述はなし、という条件を加えてみます。

設問数は5問、自由記述はなしでお願いします。

回答がこちら。

了解しました。
以下が、設問数5問、自由記述なしのアンケート調査票の例です。

1. GPTアイスを知っていますか?
(1)はい (2)いいえ

2. GPTアイスを食べたことがありますか?
(1)はい (2)いいえ

3. GPTアイスの味についてどう思いますか?
(1)とても美味しい (2)普通 (3)あまり美味しくない (4)全く美味しくない

4. GPTアイスを今後も購入したいと思いますか?
(1)はい (2)いいえ

5.GPTアイスのパッケージやブランディングについてどう思いますか?
(1)とても魅力的だと思う (2)普通 (3)あまり魅力的ではない (4)全く魅力的ではない

以上が、設問数5問、自由記述なしのアンケート調査票の例です。ご確認いただけますでしょうか。

ChatGPT

5問の制約を加えたことで、実験1から「認知経路」や「食べたシーン」などの深掘設問がなくなり、「認知→食べた経験→再購入意向のファネル」+「味・パッケージ・ブランディングに関する印象」というシンプルな構成になりました。

調整は必要そうですが、このままでもそれなりに使えるかな、というレベルになったかと思います。

実験3: 調査項目→調査票の順に質問してみる

実験1,2ではふわっとした調査目的からいきなり調査票を作っていたので、ステップを刻んで、調査項目→調査票の順で質問してみます。

まずは調査項目から。スレッドを切り替えて質問してみます。

あなたは、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーです。自社商品の「GPTアイス」の市場浸透状況を把握するために、アンケート調査を企画する必要があります。
まずは、調査すべき項目を10個考えてください。

ChatGPTさんの回答はこちら。

以下は、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーが「GPTアイス」の市場浸透状況を把握するために、アンケート調査で調査すべき項目の例です:

1. 「GPTアイス」を知っているかどうか?
2. 「GPTアイス」を食べたことがあるかどうか?
3. 「GPTアイス」を食べたことがある場合、満足度はどの程度か?
4. 「GPTアイス」をどこで購入するか?
5. 「GPTアイス」の価格について、適切だと思う価格帯はどれくらいか?
6. 「GPTアイス」の味について、どのような印象を持っているか?
7. 「GPTアイス」の容器のデザインについて、どのような印象を持っているか?
8. 「GPTアイス」を食べる頻度はどの程度か?
9. 「GPTアイス」を購入する決め手は何か?
10. 「GPTアイス」の競合製品と比較して、どのような点が優れていると思うか?

これらの項目は、消費者の意見や好み、行動、意識などを調査し、商品改善やマーケティング施策の改善に役立つ情報を得ることができます。

ChatGPT

いくつか選んで調査票にしてもらいましょう。
出力形式を揃えたいので、条件の形で指示します。

以下の条件に従って、アンケート調査票を作ってください。
条件:"""
・設問文は「1.,2.,3.,・・・」、選択肢は「(1),(2),(3),・・・」と番号を振ってください。
・設問数は5問
・自由記述はなし
・10個の調査項目の中から、特に重要だと思う項目を5つ選ぶ
"""

ChatGPTさんの回答はこちら。

以下は、条件に従って作成したアンケート調査票の例です。10個の調査項目の中から、特に重要だと思う項目を5つ選びました。

1.「GPTアイス」を知っていますか?
(1) 知っている (2) 知らない

2. 「GPTアイス」を食べたことがありますか?
(1) あり (2) なし

3.「GPTアイス」を食べた場合、どの程度満足しましたか?
(1) 非常に満足した (2) 満足した (3) どちらとも言えない (4) 不満だった (5) 非常に不満だった

4.「GPTアイス」の味について、どのような印象を持っていますか?
(1) とても美味しい (2) 美味しい (3) 普通 (4) あまり美味しくない (5) 全く美味しくない

5.「GPTアイス」を購入する決め手は何ですか?
(1) 値段 (2) 味 (3) パッケージデザイン (4) 店の立地や雰囲気 (5) その他(具体的にご記入ください)

ChatGPT

実験2とそこまで差はないですが、調査項目から考えてもらった分、気持ち網羅的に検討してから絞りこんでくれている気がします。
実務では、調査項目の段階で一度関係者と議論して、絞ったものを調査票にしてもらう、とかもアリかもしれません。

実験4: 仮説を与えてみる

より厳密に依頼するために、検証したい仮説を与えてみます。

あなたは、アイスクリームメーカーのマーケティングリサーチャーです。自社商品の「GPTアイス」の市場浸透状況を把握するために、アンケート調査を企画する必要があります。以下の条件に従って、アンケート調査票を作成してください。

条件:"""
・設問文は「1.,2.,3.,・・・」、選択肢は「(1),(2),(3),・・・」と番号を振ってください。
・自由記述はなし
・設問数は5問
・次の仮説が検証できるようにする
"""

仮説:"""
・GPTアイスを知っている人のうち、食べたことがある人は20%
・GPTアイスを食べたことがある人のうち、また食べたい人は50%
・GPTアイスの認知率は、女性より男性の方が高い
・GPTアイスを食べたことがある率を年代別に比較すると、20代が最も高い """

ChatGPTさんの回答は・・・

以下が、仮説を検証するための5つの設問を含むアンケート調査票です。

1. GPTアイスを知っていますか?
(1) はい (2) いいえ

2.GPTアイスを食べたことがありますか?
(1) はい (2) いいえ

3.GPTアイスを食べたことがある人は、また食べたいと思いますか?
(1) はい (2) いいえ

4.あなたの性別を教えてください。
(1) 男性 (2) 女性

5.年齢を教えてください。
(1) 10代 (2) 20代 (3) 30代 (4) 40代 (5) 50代以上

注意:このアンケート調査票は、仮説を検証するためのものであり、他の重要な情報を収集するためのものではありません。必要に応じて、他の設問を追加することができます。また、設問の順序は変更することができます。

ChatGPT

すごくないですか!? 仮説と条件に対して的確に設計されています。

仮説をどのように検証するのかについても聞いてみましょう。

設問を使って仮説を検証する方法を教えてください。

ChatGPTさんの回答は・・・

以下は、仮説を検証するためにアンケート調査票を使用して分析する方法の例です。

仮説1:GPTアイスを知っている人のうち、食べたことがある人は20%
・設問1で、「GPTアイスを知っていますか?」に回答した人について、設問2で「GPTアイスを食べたことがありますか?」に回答した人数をカウントします。
・GPTアイスを知っている人のうち、食べたことがある人の割合を計算します。
・もし割合が20%以上であれば、仮説が支持されると考えることができます。

仮説2:GPTアイスを食べたことがある人のうち、また食べたい人は50%
・設問2で「GPTアイスを食べたことがありますか?」に回答した人について、設問3で「GPTアイスを食べたことがある人は、また食べたいと思いますか?」に回答した人数をカウントします。
・GPTアイスを食べたことがある人のうち、また食べたいと答えた人の割合を計算します。
・もし割合が50%以上であれば、仮説が支持されると考えることができます。

仮説3:GPTアイスの認知率は、女性より男性の方が高い
・設問1で「GPTアイスを知っていますか?」に回答した男性と女性の人数をカウントします。
・女性と男性それぞれの回答者数に対する「GPTアイスを知っている」と回答した人数の割合を比較します。
・もし男性の割合が女性よりも高い場合、仮説が支持されると考えることができます。

仮説4:GPTアイスを食べたことがある率を年代別に比較すると、20代が最も高い
・設問2で「GPTアイスを食べたことがありますか?」に回答した人のうち、設問5で年代を回答した人数をカウントします。
・各年代の回答者数に対するGPTアイスを食べたことがある人数の割合を比較します。
・もし20代の割合が最も高い場合、仮説が支持されると考えることができます。

ChatGPT

だいぶ的確です。
仮説3・4は比較をいれて複雑にしましたが、見事に検証できています。

人が行う調査設計の際にも「仮説が大事」とはよく言われますが、
結局、ChatGPTにも対人で有効な要件定義が効く感があります。

今後の課題

いい感じな面もありつつ、以下は改善の余地ありかな、と感じました。

  • 試行によって結果が変わるため、再現性がやや低い

  • 概念的に近いが分けたいものを混ぜて捉えがち
    (例:「食べた」と「買った」)

  • 設問間で連動する条件をうまく扱えないことがある
    (例:Q1の回答で、Q3の対象を絞り込み とか)

指示文の工夫や事前情報の提供で乗り越えられそうな気もするので、試行錯誤してみようと思います。


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