ミニチュア陶器 絵付けの入り口

今回はミニチュア皿の絵付けについて解説します。
私が普段している絵付けについての方法は動画に譲り、
その入り口について大まかにお話したいと思います。

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まず伊万里焼などのミニチュアを作るための資料は
佐賀県立九州陶磁文化館発行の柴田コレクションです。

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これには4000超の陶磁器が掲載されています。
これに載っている皿が欲しかった長崎のユーザーからの
「こんなのを作れ!」という強烈な贈り物でした。笑

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この細かな絵付けをするためには繊細な筆が必要です。
使っているのがキャムロンプロ プラタ 630 100/0号で
穂丈 4mm 径 0.5mmのナイロン製の極細丸筆です。
見つけてから絵付けの精度が格段に上がりました。

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どのような筆にもそれぞれ癖があるものです。
直線に強い筆、文字が描きやすい筆、塗りやすい筆など
それぞれ個性があるので10本ほどまとめ買いしています。
それでも穂先が繊細なので2年で使い切ってしまいます。

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皿の縁のデザインには分割してあるものも多くあります。
適当に分割するとどこかで合わなくなることもあるので
円形の分度器は必需品です。

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絵皿の絵付けの基本にしているのが染付です。
普通は素焼きの皿に呉須という顔料で描くのですが、
これではインク切れで円を描くのが難しくなります。
そこで使っているのがイングレーズという方法です。

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イングレーズは本焼きをした釉薬の上に描くので
皿には染み込まず、失敗しても消すこともできます。
この絵の具は2回目の本焼きで釉薬の中に沈みます。
これで普通の染付けの皿に見えることになります。

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他の色を付ける時には上絵の具を使います。
上絵の具は750度で焼き付けるので七宝窯が使えます。

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1時間ほどでこの温度になるので小回りが利きます。
また、何度かに分けて絵付けをすることができるので
失敗することも少なくなります。

描いたり、焼いたりを繰り返して仕上げていきます。
このように手間暇のかかる作業の繰り返しによって
ようやく1枚の皿が完成します。

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