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ゴロツキとアバズレ

破落戸と書いてごろつきと読みます。
近頃めっきり聞かなくなった言葉です。

たまたま家にあった、新明解国語辞典 第五版(2001年第14刷発行)を引くと次のように書いてありました。

弱みを持つ人をいつも狙いながら、ゆすりやたかりを働いたりする悪い奴。〔無職・住所不定であることが多い〕ならずもの。
表記 「{破落戸}{無頼}」は、いずれも義訓。

悪い奴!
さすがの新明解という感じですが、
この言葉、今ではすっかり死語になっている気もします。

そういえば、あばずれという言葉もここ最近、聞いたことがありません。

同じく、辞書によると、

人ずれしていて ずうずうしいこと(女)。
表記 「〈阿婆擦れ」は、借字。

品行、素行の悪い女性の代名詞で、この言葉にも、あまりいいイメージはありません。
一人称なら、「アタイ」でしょうか。

今とは社会通念が異なる時代の言葉という気がします。

日曜日の朝のテレビで、「嫌いな家事は?」をテーマに街頭インタビューを行っていました。

その中のひとり、若い女性が、
「今同棲しているんですが、苦手な家事は全部彼に押し付けています」
と、屈託なく語っていました。


昔なら、考えられないことです。
「夫が」とか、「付き合っている彼が」というのならまだわかりますが、わざわざカメラの前で全国の視聴者に向かって、自分が同棲中であることを堂々と公言する。

もう今では、当たり前のことなのでしょうね。

このお嬢さんの親御さんが見ても何とも思わないのでしょうか。
確かに、結婚を前提に、いや前提じゃなくても同棲している人は当たり前のようにいます。

嫁入り前の娘が…
なんて言葉は、今では死語なんですね。


そういえば、1973年には、大信田礼子さんが歌う『同棲時代』がヒットしました。
今歌詞を読んでみても、かなり過激で物騒な感じがします。

同棲って、口に出すのも憚られる言葉でした。

由美かおるさん主演で映画化もされていますが、大人の映画なので勿論観ていません。


友人は、卒業生に皇族の方もおられる名門女子大に進学し、お堅い家庭でしたが、中学高校の頃からなかなかの発展家で、それ以外にも、実は誰それからも告白されたのと、後で散々自慢話を聞かされました。

社会人になってから久々に会ったら、今の彼氏は、と報告を受け、写真や貰った指輪まで、見せてくれました。

黙っていましたが、聞けば聞くほど釣り合いが取れない相手。
余計なお世話だけど、親は知っているのだろうか。

するとほどなくして、まったく別の男性とお見合いで結婚するからと式に招待され、え?と驚きました。

きっと親に猛反対されて、別れさせられたのだなと推測しました。

ちょうどわたしは長男が生まれたばかりでしたが、出産祝いとして、デパートから高級ベビー服がたくさん届きました。
口止めかな?と思いました。

今の若い人は、元カノ、元カレを
今の彼女、今の彼氏に隠したりしないのでしょうか。
人それぞれだと思いますが、現代の恋愛事情はわかりません。


子どもの頃、こんな歌を聴いてドキドキしていたことを懐かしく思い出しました。


南沙織 『純潔』(1972年)


もしかしたら、純潔という言葉も死語ですか。