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お菓子の家 ヘキセンハウス

昔住んでいたマンションで、お菓子作りを習っていたことがあります。
もう30年近く前の話です。


師範の資格を持っている子どもの同級生のお母さんに、3〜4人でグループをつくって月に1回教わっていました。

クチコミで評判になって、そんなグループがいくつか出来ていました。

教えるのも勉強だからと、申し訳ないような良心的なお月謝とあとは材料費。

アップルパイの型やタルトの型、シフォンケーキの型、プロっぽい絞り袋やケーキをカットする長いナイフなど道具だけは増えました。今は吊り戸棚の中で眠っています。

毎回、2種類のお菓子を作り、
先生のコレクションのティーカップにお茶を淹れてもらってお茶会が始まります。

ケーキなら2台焼いて、持ち帰り用はみんなで分けます。
試食しながらのおしゃべりが楽しくて何しに行っているのか、わからなくなるほど。

3年ぐらい続けたと思います。
先生も生徒も仕事を始めたり、いろいろな事情でお稽古は終了しました。

家庭で簡単に作れそうなものと
美味しいけれど本格的過ぎて家では
まず作らないな、というものがありました。

バウムクーヘンも教わりました。
生地を塗っては焼き、塗っては焼きを繰り返す地道な作業。


豚の丸焼きを作るみたいな回転するオーブンはないので、家庭で工夫して焼けるように指導して頂きましたが、よく覚えていません。
こうやって年輪の層が出来るんだなと、勉強になりました。

お店みたいなふわふわのスポンジ生地を教わったのが一番の収穫で、子どものお誕生会にはこのレシピでバースデーケーキを作っていました。

そして、クリスマスの思い出は
ヘキセンハウス作り。

お菓子の家

これは食べるというより飾っておくためのもの。

クリスマス前に数日かけて作りました。
生地を平らに延ばし、型紙で型をとって、壁面と屋根、煙突、ドアなどのパーツのクッキーを焼き、組み立てる。
接着剤は粉糖を卵白やレモン汁で溶いたアイシング。
途中でクッキーが割れるアクシデントがあっても、アイシングでうまいことくっつけて模様のように見せる。
屋根にも型抜きクッキーやカラフルなチョコ、銀色のアラザンなどを飾りつけて粉糖で雪を降らせる。

家がなかなか自立しなくて、何度も挫折しそうになりましたが、先生の手をお借りしてなんとか完成しました。

人型のジンジャークッキーも焼きました。

玄関の下駄箱の上に透明セロハンで包んだお菓子の家を年末まで飾っていました。


ちょっと歪なお菓子の家
ヘキセンハウスを作ったのは、
後にも先にもこの一度きりです。


*写真は富澤商店のヘキセンハウス
 です。