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昭和歌謡〜別れと旅立ち(鉄道篇)

昭和歌謡の世界をひもといてみると、
別れや旅立ちの象徴として
屡々夜汽車汽車という
言葉が登場します。

先日も取り上げましたが
ちあきなおみ

『喝采』

途中からになりますが
歌詞の一部をご紹介します。

〽️あれは三年前
 止めるアナタ
 駅に残し
 動き始めた汽車に
 ひとり飛び乗った

制止を振り切って上京した彼女は
やがて大スターになるのです。
そして悲しい別れが。

はしだのりひことクライマックス

『花嫁』

はしだのりひこはフォークソング畑の人なのですがフォークソングも歌謡曲でいいですよね。

〽️花嫁は夜汽車にのって
 とついでゆくの
 あの人の写真を胸に
 海辺の街へ
 命かけて燃えた
 恋が結ばれる

行ってらっしゃーい
お幸せにー
と言いたいのですが2番では

〽️何もかも捨てた花嫁
 夜汽車にのって
(繰り返し)

祝福されない
駆け落ち同然の結婚であることが
わかります。
それでも希望を感じさせる明るい曲調が救いです。


お次もフォークのジャンルから
チューリップ

『心の旅』

〽️あーだから今夜だけは
 君をだいていたい
 あー明日の今頃は僕は汽車の中
 旅立つ僕の心を知っていたのか
 遠く離れてしまえば
 愛は終わるといった
 (中略)

2番では
〽️愛に終わりがあって
 心の旅がはじまる

遠距離恋愛の歌かと思いきや。
悲しい結末だったのね。
それともそれを暗示する歌?
よくわかりません!
因みに
ボーカルは財津さんではなく、
姫野達也さんです。

兄弟デュオ狩人

『あずさ2号』

も名曲です。

〽️明日私は旅に出ます
 あなたの知らないひとと二人で
 いつかあなたと行くはずだった
 春まだ浅い信濃路へ
 (中略)

 さよならはいつまでたっても
 とても言えそうにありません。
 私にとってあなたは今も
 まぶしいひとつの青春なんです

何か未練気ですね。

最後は

〽️8時ちょうどのあずさ2号で
 私は私はあなたから
 旅立ちます

これじゃ何も知らない同行者が
あまりにお気の毒。

2番の歌詞は省略しますが、
いよいよ意味深。
都会のすみで待っても来ないあなた。
間違いなく理由(わけ)ありです。

最後は麻生よう子
その名もズバリ

『逃避行』

酒癖の悪い男にすっぽかされ
結局ひとり旅立つ女。
ダメ男に見切りをつけるまでに
何本かの汽車を見送りながら
迷う女心。

確かな歌唱力が評価され、
麻生よう子はこの曲で
1974年
レコード大賞最優秀新人賞を
受賞しています。

交通系の昭和歌謡は

バス、飛行機、船など
他にもいろいろありそうです。
また機会があれば、紹介したいと
思います。

 新幹線での移動は情緒がない。
 やはり汽車じゃなくっちゃね。