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ヌーノからコンテへ~変化する攻撃のスタイル~

トッテナムはプレミアリーグ第10節のマンチェスター・ユナイテッド戦の結果を見てヌーノ監督を解任した。3連勝の後3連敗、2連勝の後2連敗とジェットコースターのような好不調の波を描き、上位定着の兆しが見えなかったことが要因だろう。

この好不調の波は不安定な守備と
整理されなかった攻撃が原因だ。

3試合連続のクリーンシートの後、3試合で9失点と文字通り崩壊した。最初の3試合は自陣で守備を固め、ソンフンミンを中心に強烈なカウンターを狙った。しかし、シュートの本数はかなり少なくチャンスの数は対戦相手に負け続けていた。1点取られてしまえばサンドバッグ状態のチームは徐々にボールポゼッションの時間を延ばした。それも長くは続かず広大なスペースを守り切れないDFラインが狙われれば簡単にチャンスを創られ失点は減らずに苦しんだ。

攻撃ではソンフンミンやルーカス個人の突破力に頼った攻撃スタイルで本来コンビネーションで活きるケイン、ロ・チェルソやアリを持て余す形となった。配置もバラバラで本来いるべきポジションに人がいないことも多々あった。

この不安定な守備と整理されなかった攻撃は改善されるどころか日に日に悪い部分が目立ち、それが結果になってしまった。

ヌーノ監督の名誉のためにフォローするとすれば、モイーズと同じように彼はビッグクラブに向いてなかったのだろう。また、中堅クラブを指揮すればウルヴス時代の結果は出せるかもしれない。

話は変わって次の監督のコンテは守備的な監督と思われがちだが、本人が攻撃のデザイン力はセリエAのインテルを指揮した際に際立っていた。
失点の35はもちろんリーグ最少だが、得点89はアタランタの90に次ぐリーグ2位。セリエAの中でも攻撃だったローマやナポリを抑えた数字を記録している。イタリア人で3バックを使う監督だからといって守備的な監督とレッテルを貼ることはできないだろう。

そのコンテがどんな戦術を使うかはリーグ戦を見ながら分析していくとして、前提条件としてかなり規律を重んじ、ラウタロが途中出場した後ペットボトルを蹴り上げたことに対してかなり激怒していたことはニュースで取り上げられていた。

トッテナムでは中心選手のケインやソンフンミンやホイビュアは献身的にプレーをできる選手で、規律の多いコンテのサッカーでもマッチし重宝されるだろう。一方ここ最近のシーズンで監督の衝突や好不調の波が大きいアリやメンタルの部分に不安があるエンドンベレはフィットするかは一か八か分からない。

戦術をどのように整備するか分からないために考えにくいためにシステムを考察することは難しいがポイントは3つほどある。
1つ目がDFラインの顔ぶれだ。
ヌーノ監督時にもレギュラーをつかみ取ったロメロは当確として両サイドのCBは不確定要素だろう。リーダーシップのあるダイアーかビルドアップでいいボールを配球できるデイヴィスか身体能力の高いサンチェスやタンガンガなのか?
2つ目は中盤の構成だ。
ヌーノ監督が失敗した逆三角形の3枚の中盤を使うのかトップ下を配置してくるのか?
それにも繋がるのが3つ目のポイントのソンフンミンの起用法だ。
2トップであればソンフンミンはそこに入るだろうが本来のポジションではない。彼を活かすのであれば左サイドから中に入ってくるような配置にしてあげるのがベスト。それを考慮するのであれば中盤の枚数を減らし1トップ+2シャドーの可能性も考えられる。

蓋を開けてみなければどんな形で戦うかは分からないが、1つ言えることはイングランドにコンテが帰還することで名将揃いのプレミアリーグをトッテナムがかき乱す期待値はかなり高いと言うことだ。

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