ロングウェイノースをみた

形とか質感はしっかり簡略化・デフォルメされてて、特に煙系の表現に「リアルである事」よりも「絵的な美しさ」を優先させてる感じが出てた

色彩設計も神がかってて、主人公が形見のイヤリング見つけた部屋に風が吹き込んでくるシーンとか「いや、その青い光はどこから?」と一瞬思うんだけど「絵的にはこれが100点満点じゃない?」という作り手の美意識の前に吹き飛ぶ

酒場で主人公と船長が話すシーン、船長がテーブル上のランプに照らされてるのに対して主人公は謎の光源にライトアップされてるけど、あれも「光源をどこに設定するか」ってことよりも「今は物語がこの2人を中心に回ってる、だからこの2人にライトを当てる」っていう演劇みたいな方向の演出だなと

形とか色彩はリアルさよりも演出的な意図が前面に出てるけど、「影の濃さが光源の強さにキッチリ比例する」という部分はやけにリアルで、霧のシーンとか光の弱いところでは影の色がすごく薄いけど夕日が差し込む電車内のシーンはしっかり影がついている

全編にわたって色彩とライティングの演出がすばらしかった

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