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時計を買う。pt.4

脱線記事が多く申し訳ない。
さて、時計を買う。シリーズの本題、
実際に検討したモデルたちの紹介編だ。

pt.1の最後に記した、
·GMT
·クロノグラフ
·パーティードレス

実はそれぞれに検討していた時期がある。

最も古くはパーティードレスだ。
それはパーティーに行きたいから似合う時計を選ぶ、ではなく、
明確にこの時計!という選択がまず初めにあった。

Cartierバロンブルーだ。

Cartierに関していえば時計を知らずともほとんどの方が知っている有名ジュエラー。
しかし時計製造においてもその歴史は古く、
一般向けのメンズウォッチとして初めて販売されたのがCartierのサントスであることは時計好きの義務教育1限目で履修する内容。

ジュエラーとしての細部の仕上げは特筆に値し、
数々のアイコニックなデザインはひとめでそれと判る。

伝統と革新、と言っておきながら比較的新しいモデルであるバロンブルーを選んだ理由。
そもそもCartierというブランド自体が伝統的であり、そのブランドが生んだ革新的なモデルであること。
ちょっと無理矢理かもしれないが。笑

バロンブルー。風船の名の通り、
この時計のケースは風船のように曲線だけで構成される。
ケースバックに至るまで、だ。

サントスやタンクといった、直線的なモデルとは相反するデザイン。
あえて定番を選ばないというわたしなりの拘りもある。笑

丸型ならパシャもあるって?

手に取ってみればわかる、三次元的なこの丸さは唯一無二なのだ。

ただバロンブルーを買うのは結婚時計と決めている。
いつか出会うはずのパートナーと、
いつか結ばれる際にその証としてペアでバロンブルーを着けたい、と。

ということでもしかしたら一生買うことはできないかもしれない。

そんな遠い憧れのバロンブルーを、別の時計を見に行った際に見つけてしまい腕に乗せてしまった。

ああ…やはり美しい時計だ。

わたしの中でパーティードレスはこのバロンブルーに決まった。
決まってはいるが購入するにはまずパートナーを見つけなくてはならない。

よって、保留。


次にGMT。
これは昨年の海外旅行で明確に、機能としてのGMTが欲しいと書いたとおり。
極論言うとROLEXのGMTマスターIIが欲しい。
試験が終わった今、マラソンする余裕も多少はある。

でも。
実用として求めているのに、果たして海外に着けていけるだろうか?

…できない。リスクが高すぎる。

その時点で実用という候補からは外れてしまう。
どうせGMTを買うなら海外に連れていきたい。

そこで候補に上がったのが
TUDOR BLACKBAY GMT

なかなか出会えず時ばかりが過ぎた…

ヴィンテージライクでキラキラしすぎない見た目はまさにちょうど良い。
昨年の新作、オパラインダイアルも不思議な魅力がある一本だ。


残念ながらブティックでは一度も出会えておらず、並行輸入店でやっと実機を見ることができた。

S&Gコンビの渋い感じも、オパラインの爽やかな感じもどちらも違ってどちらも良い。

価格の面ではコンビのほうが20万程度高いが、
中古市場で見れば両者の価格は大差ない。

TUDORのメンテナンス性を考えて、
中古で購入して壊れたらOHするという無茶な使い方でもいいのかもな、とか。

わりと現実的に候補にあがったモデルだ。

その他、GMTの候補としては
TAG Heuer アクアレーサーGMT

Bell&Ross BR05 GMT

MIDO オーシャンタイマーデコンプレッションGMT

これは以前も記事にした記憶があるので細かい解説は省くことにする。
価格的にはMIDOが破格のアンダー20万。
ベルロスはすでにRED RADARを所有しているのでできれば避けたいが、
BR05の外装はかなり好き。
しかしスペック的には劣る面もあり…と苦慮する。
アクアレーサーは時計雑誌にもピックアップされたイケメンウォッチ。
ザ·スポーティーな見た目に白いセラミックが爽やかすぎて、
ビーチサイドでこれに勝るGMTはないんじゃないか?と言えるくらいだ。
ただ、TAG Heuerを選ぶにはもうひとつ、重大な決断をしなければならない…

それが、Carreraを買うことができなくなるってこと。

最後、クロノグラフの候補。
TAG Heuer カレラ クロノグラフ
通称グラスボックス。

クロノグラフについては過去に下書きを書いていたが、たぶん投稿していなかったはず。
わたしのコレクションはシーン別、機能別で考えながら集めているのだが、
クロノグラフについては長いことやんわりと考えていたものだった。

クロノグラフこそさまざまな個性があって面白いジャンルだ。
クラシックな時計にも、ダイバーズにも、
パイロットウォッチにもブチ込まれる機能。
ゆえに何を求めるかでまったく異なる好みが生まれる。

とはいえデイトナが人気なあまり、クロノグラフ=デイトナのデザインがウケるのか、
クォーツ式まで含めると有象無象のそれっぽい時計で溢れている。

で。
じゃあわたしは何を求めるのか?
やはりクロノグラフとしてしっかりとした歴史を持ったモデルが欲しい。
そうなると候補にあがるのは
OMEGA スピードマスター
BREITLING ナビタイマー
ZENITH クロノマスター
このあたりだろう。

スピマスは2年前だか、ムーブメントが刷新されたタイミングで一度試着したことがある。

ブレスレットまで含めてまごうことなき良い時計だった。
プロフェッショナルの裏ブタから覗くムーブメントの仕上げは息を飲むほど美しい。

素晴らしい装着感と十分すぎる歴史の重み。
そういえば厚みも気にならなかった。

話の途中だが、クロノグラフを選ぶ上で厚みはとても重要な要素だ。
実は機械式クロノグラフを一本持ってはいたのだが、その厚みがどうしても好きになれずまったく着用することがなかった。
結果、手放すことになった。

ムーンウォッチは手巻きであることからケース厚を多少抑えることができたのだろう。
スペックシート上は13.2mmとあるが、
ドーム型風防も含めたサイズであって
実際は滑らかなケース形状と相まってまったく厚みを感じさせない。

ここでブレイキングニュースとばりに、
白いスピマスが発表された…!!!

これはマジでカッコいい…!

話を戻すと、それだけに素晴らしい時計であるものの、やはりツール感を強く感じたのだ。
宇宙にも実際に行ったツールウォッチなんだから何言ってんだ、と言われるだろうが、
当時はちょうど100万越えるか越えないかのタイミング。
いまではプラ風防のモデルまでも100万越えてしまったが。

まだ100万超えの時計を買ったこともなかった時分、かなり気合いをいれないと手を出せないモデルであることは確かだ。

で、やはりその価格を出すなら分かりやすい高級感が欲しい。

結果、その100万で白樺を買ってしまったわたしの卑しい見栄ときたら…
(勘違いしないでいただきたいのは、白樺は見栄を張るために買ったのではなくマジで惚れたから買ったのだが)

だが、白いスピマスの発表によりわたしの評価もかなり変わった。
これは…欲しくなるよね…!

BREITLINGは外せないブランドだろう。
クロノグラフでも多くのモデルを展開しており、中でもナビタイマーは時計界全体を見てもアイコニックなモデルだ。
まさしく計器と呼ぶにふさわしいその機能、ルックス。
当然、スーパーオーシャンを買う前に検討しなかったわけではない。
が、ナビタイマーは所謂パイロットのための時計。
わたしは地上職の航空整備士。
整備士がナビタイマーを着けてたら、なんかパイロットに憧れて成れなかった可哀想な男と思われそうで、(100%偏見)
めちゃくちゃカッコいい時計だが選択には入らなかった。
で、スーパーオーシャンを買った今、1ブランド1本のルールに則りBREITLINGからは選べない定めなのだが、
クロノグラフの知る意味で触れるのはアリだろう。

空のナビタイマーは置いておいて、
モータースポーツを象徴するトップタイムは魅力的な時計だ。
個性的でポップなデザインがBREITLINGの別の表情を覗かせる。
クラシックで美しいプレミエも魅力的。

ぜひクロノグラフをお探しの際はBREITLINGを覗いてみてほしい。
とにかくそのバラエティーの豊富さに心奪われるだろう。

ZENITHに関しては、恥ずかしながらまだブティックを訪れたことがない。
銀座は何十回と訪れていて、並木通りのブティック前も何度も通ったが、
不思議と中に入れないのは迷いがあるからだろうか。

エルプリメロの伝説は義務教育2限目で習ったはずだが、
その憧れを時計のかたちに昇華するにはまだわたしの中で覚悟ができていないというか。
軽い気持ちで入ったら重みで潰れてしまいそうな畏敬の念を抱いている。
たぶんそんなことはないのだろうが、それほど伝説的なブランドだ。
エルプリメロエルプリメロって、知った口で入るにはまだ覚悟が足りない…

いつか勇気を出して行ってみたいと思う。
無事に帰ってこれることを祈っていてほしい。

最後にテンタグラフ。


グランドセイコー機械式として初のクロノグラフ。
その完成度の高さは以前の記事でも触れていたはず。

ここで驚いたのは見返し部分がビックリするほど薄い。
まるで文字盤と風防のスキマを感じさせないほど、目の前に立体的に現れる。

これは今まで意識したことがなかったが非常に重要なポイントで、
3針時計ではそこまで気にすることがなかった見返しという要素が、
文字盤に情報の多いクロノグラフにおいてはかなり視認性、審美性に影響を与える。一般に厚みのあるケースであるから尚のことだ。

これは正面から撮った商品写真ではまったくわからない要素なので実際に手にとって三次元的にその立体感を確認してもらいたい。

比較として、例えばこのスピードタイマー。


これはこれでカッコいいが、
斜めから見ると…

文字盤とベゼルとの段差に注目

ここをいかに薄くできるかが萌えポイントであり、事実斜めからの視認性もバツグンにいいのがテンタグラフだった。

と、盛り上がるほどカッコいい時計だが、
GSはすでにメカニカルの白樺、
年差クォーツの耐磁ときているので、
次はスプリングドライブでしか考えていないのが残念なところ…
(1ブランド1本が原則だが、GSはムーブメントが特徴的なので1ムーブメント1本とする)

クロノグラフについては厚めの内容となったが、こんな感じでわちゃわちゃと候補を絞っていった。

なんとなくこれじゃない?という予想を立ててもらいつつ、次回完結、選ばれたのは…?編!

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