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公務員の『安定・安泰』の崩壊
こんにちは!
一度は親などに公務員になりなさい!なんて言われたことはありませんか?
最近では老後2000万問題などある中で、他人事だと思っている方は少なくないのではないでしょうか?
「公務員の退職金は良い金額がもらえる」
なんてこと聞いたことありませんか?退職金だけで、老後2000万問題が解決する。
自分の退職金を把握している方はいますか?
実は、公務員も退職金制度は法律で規定されています。
国家公務員・・・国家公務員退職手当法
地方公務員・・・各地方自治体の条例
国家公務員の退職金算出
出典:国家公務員退職手当支給率早見表(平成30年1月1日以降の退職)
出典:内閣人事局HP
国家公務員 退職手当の基本算定構造
退職手当額=基本額+調整額
基本額=退職日給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率
調整額=調整月額のうち額が多いものから60カ月分の額を合計した額
下記条件で、国家公務員の退職金を計算してみます。
・年収800万(退職日給料月額50万円)
・60歳で定年退職
・勤続35年
・職員区分は行(一)10級70,400円(60ヶ月)
基本額:50万円×47.709=23,854,500円
調整額:70,400円×60カ月=4,224,000円
概算退職金:28,078,500円
基本額は、月額給料と退職理由によって変動します。
月額給料は勤続年数によって上がるので、勤続年数が長ければ長いほど月額給料は高くなります。
退職理由は5種類に分かれており、退職理由に当てはめて基本額を計算します。
①自己都合
②定年・勧奨・任期終了・公務外死亡・通勤災害傷病
③公務外傷病
④公務上死亡・傷病・整理等
⑤公署移転等
地方公務員の退職金 ※東京都
出典:東京都人事委員会HP
地方公務員(東京都) 退職手当の基本算定構造(以下※は上図参照)
退職手当=退職手当基本額+退職手当調整額※1
基本額=退職時給料月額×支給率(勤続年数により変動)
調整額=退職前240月分の職責点数※2×単価※3
・年収600万円(退職日給料月額40万円)
・60歳で定年退職
・勤続20年(内訳:第3号区分3級職5年、第4号区分3級職5年、第5号区分2級職5年、第6号区分1級職5年)
基本額:40万円×23=920万円
調整額:(25×60カ月+20×60カ月+15×60カ月+10×60カ月)×1,100=462万円
概算退職金:1382万円
国家公務員と同様、基本額は地方公務員(東京都)も、勤続年数に応じて月額給料と支給率が変動します。また両者とも、調整額は役職に勤めた月数で変動します。
公務員は勤続年数が退職金を決める
公務員は勤続年数によって、基本額に差が生まれ、退職金額に影響します。調整額は役職によって差がでますが、勤続年数ほどの大きな差はでないでしょう。
たしかに、定年まで働き続ければ「老後2000万円問題」は現時点では退職金で解決できそうです。しかし、安堵してはいけません。
参考:地方公務員給料の実態
公務員定年退職者の全都道府県の平均退職金は15年間で550万円減少しています。仮にこのまま減少し続けたら2000万円は下り、老後2000万円問題は地方公務員の退職金でも解決できそうにありません。
減少している背景に様々な憶測が飛び交いますが、退職給付水準の公民較差を是正していると個人的には思います。
退職金はないものとして考える
退職金で住宅ローンを完済、退職金で老後はのんびり生活する…現代を生きる私たちはそんな悠長なことは、いつまでも言い続けられません。
健康寿命と平均寿命が伸び、医療費や介護費の負担も大きくなってきています。
「公務員の老後は安泰」
こう言えるのは、退職金が減少している現実を知るまでだと思います。
「退職金はないものとして、資産形成をする」
現役世代(30~40代)から資産形成をしておくことが必須な時代に、今日は差し掛かっています。
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