South by Southeast: (4) Eruption-4

翌日、私はローザンヌ時代の直属の上司に会うために隣の州に向かう列車に乗っていた。自分の決断と今後のことを話し合うためである。

当時住んでいた州から隣の州までは地域列車と呼ばれる鈍行で約1時間であったが、同じくフランス語圏からフランス語圏への運行であるため毎朝闘いのために出かけて行くような気分になるドイツ語の放送ではなく、そのゆっくりとした列車から見える車外の風景を横目にフランス語の車内放送や駅の看板を目にしながら、もはや立ち上がる力もないような気分であったことをよく覚えている。

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