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地域に足りないのは情報発信ではない、”私たちの挑戦”だ。

SNSでも発信しましたが、現在地の確認と今後に向けた決意も兼ねてnoteにも残しておきたいと思います。

新潟市・新潟日報社と協同で展開してきた「新潟ライフデザインカレッジ」の次なる一手として、若者から選ばれる新潟市をめざす新たな試み「ローカルベンチャーシップin新潟」を2023年8月よりスタートします。


事業化までの背景(なぜやるのか?)

どの地域でも起こっている問題ではありますが、新潟の喫緊の社会課題といえば若者の社会減です。

私自身もそうですが、一度出たからこそ気づけることはあります。
流出を防ぐために策を講じる観点もありますが、個人的には出ていくこと以上に地域に戻ってこない、若者に選ばれないというのが一番の問題ではないかと考えます。

新潟日報の2022年の記事を見ると、新潟県では約6000人の転出超過が起こっており、その内訳の最多は20-24歳の若者で約3800人が転出。転出理由の96%が「職業」というデータがありました。

引用:新潟日報デジタルプラス (https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/63951)


新潟市の以前の調査ですが、新潟市からも毎年約1000~1500人の若者が転出しているようです。

こうした傾向は多くの方も肌感としても納得できると思いますが、これは学校教育だけでどうにかなる問題ではないのはすぐに理解しました。

そんななか、昨年度より新潟市・新潟日報社と三者で新潟市で活躍する多様なロールモデルと出逢い、将来のキャリアを考える講座「新潟ライフデザインカレッジ」を開講しました。

※取組みの詳細はこちらをどうぞ

受講した学生の多くから新潟でのキャリアイメージが変わったという評価をもらい、既にいくつかの好事例も出てきました。

一方で先のデータが物語るような「新潟で働きたい会社が見つからない」「成長を考えるなら都内ベンチャー」といった声も複数聴きました。

近年、働きやすさはあるけど成長予感や成長実感が得られない、やりがいを見出しづらい職場として”ゆるブラック”なる言葉も生まれ、度々ニュースになっています。

引用:中国新聞オンライン(https://nordot.app/994426184335015936?c=113147194022725109)

働きがいや成長予感を意識しなくても一定程度若者は残っているではないか、という視点もあると思います。

明確な目的意識を持たずに”なんとなく”地元に残る層…換言すれば受動的・消極的に地元に残っている若者は、現状のシステムを回す人手としては期待できるかもしれません。プライベート重視な価値観も大事です。

しかし、組織の未来を担えるような将来の経営層、リーダー候補となり得る人物かといえば難しいのではないでしょうか

情報発信が足りないという声も耳にしますが、体裁だけ整えて発信したところで、果たして現状維持に甘んじている大人の姿は彼らにどのように映るでしょうか。

現代における本当の意味での安定は、変化し続けることのはず…
この活動を続けてきた動機の一つに、将来自分の子どもに胸を張って薦められるような会社を増やすという思いがありますが、これじゃあまずい。

よく地域の魅力(この魅力という概念も非常に危ういのですが…)を伝えようという話になりますが、それ単体では恐らく衛生要因にしか働かないです。そろそろ曖昧な議論から脱したいところ。

人が惹きつけられるのは、何をするかよりもその人の在り方や姿勢、真剣に挑戦する姿であることも、全国各地で事業を手掛けてみて分かりました。

こうしたリアルな学生の声や価値観の動向から導かれることは、自らの人生に主体的で目的意識を持ってキャリアを考える学生に選ばれるには、成長機会と刺激を与えてくれる環境、変化や挑戦の文化ではないか?という仮説です。

自分にできることとして、若者に選ばれる新潟市を実現すべく、この半年間「新潟市版地域の人事部」の実現をめざし水面下で画策してきました。

※地域の人事部については、共同通信の取材を受けて全国のメディアに掲載されたこちらをご覧ください。

そして、この立ち上げの足掛かりとして、新潟市と協同で経産省事業に応募しましたが不採択に…

補助は得られませんでしたが、新潟市が手掛ける事業とのシナジーもあるため、今年度は市からの後援という形でSeason0として、諦めずチャレンジすることになりました。

事業内容(何をやるのか?)

「ローカルベンチャーシップin新潟」

ローカルベンチャーシップは、経営者自身が自社の経営課題を題材にした実験的プロジェクトにコミットしていただき、相棒となる外部人材(ベンチャーバディ)とタッグを組み、3か月間プロジェクトに取り組むというPBL(プロジェクトベースドラーニング)型講座です。

ベンチャー企業というと創業間もない・社員の平均年齢が若い・IT系というイメージが先行しますが、今回はそうではありません。

ローカルベンチャーシップは地域と密着した生業、地域になくてはならない企業(=地域企業)の経営者の受講を想定したプログラムです。

現状を変えるきっかけがほしい、今後の成長のために何か仕掛けたい、長年の課題をどうにかしたい...そういった思いを抱く地域企業の経営者の皆さまが、プログラムを介してベンチャーマインドを持った地域企業(=ローカルベンチャー)への変容をめざす、越境的な学びにフォーカスしているのがポイントとなります。

本講座は以下の流れでスタートします。

1.受講者のエントリーとプロジェクト組成

8月の説明会開催後、エントリーが完了次第ミーティングで現状と今後めざすものなどをヒアリングし、プロジェクトをイチから設計させていただきます。
プロジェクトのテーマは、実験の3か月で結果がでないような長期的なものも含まれます。後述するベンチャーバディ募集に向けて、記事とプロジェクトPR動画を制作し本事業のサイトに掲載いたします。
なお、今回の受講の対象となる「経営者」とは、一般的にいわれる株式会社の代表取締役社長だけではなく広義に定義しています。

取締役、副社長、CxO、会長、代表理事といった一般的な企業の経営層に加え、園長や館長、工場長、塾長、店舗オーナー、女将…など肩書ではなく組織や団体の意思決定に関与できる立場の方を対象にしております。

エントリーに際し創業年数、業種、法人格、事業規模、家族経営か否かは問いませんが、新潟市内に事業所がある方と限定させていただきます。

なお、シーズン0はトライアルのため定員は5名。受講者エントリーの締切は8月28日(月)17時です。

2.ベンチャーバディ(外部人材)の募集とマッチング

プロジェクトを掲載しベンチャーバディの募集を行います。募集は1プロジェクトにつき1、2名を想定。

若者の将来のキャリアを考える本気の複業機会するため、ベンチャーバディの応募資格は大学・専門学校生と30歳以下の社会人としました。
居住地や経験は不問ですが、募集するプロジェクトによっては何らかの経験や知識をお持ちの方を対象にする可能性があります。

ベンチャーバディのエントリーは受講者とプロジェクトが確定した9月以降を予定しています。

3.プロジェクト期間のスタート(10月~12月)

受講者とベンチャーバディのマッチングを行い、初回のキックオフミーティングが完了後、本格的なプロジェクトのスタートです。

当事者同士で密に連絡を取りながら、役割分担をしプロジェクトを進めていきます。

稼働時間や頻度もプロジェクトによって異なると予想されますが、週4~12時間程度を目安とし、各々の裁量で動いていただくことを基本とします。
プロジェクトについては現地の活動を推奨しますが、個別の事情でリモート対応も可とします。

プロジェクトにはコーディネーターが伴走し、成果創出に向けて支援していきますのではじめての方も安心下さい。

4.成果発表会&振り返りワークショップの開催

経営者とベンチャーバディ、それぞれの活動成果を全体へ発表する場をつくります。

期間中に取り組んだこと、最終的な成果と課題、得られた学び、今後の展望などをプレゼンテーションしていただきます。

発表会後では、3か月間に双方にどのような学びがあったのか、経営者・ベンチャーバディ同士で行う振り返りワークショップも行います。本事業のサイトには、経営者のその後の実践を応援する記事も掲載いたします。

また、プロジェクト期間終了後も継続的な繋がりを築くことを目的に、新潟市で挑戦と変化を続ける受講者限定のローカルベンチャーネットワークの発足も予定しています。

※最終成果発表会の日程は2023年12月23日(土)予定

無料セミナー&説明会開催

エントリーされる方の齟齬がないよう、受講者向けの無料セミナー兼説明会を開催いたします。

【日 時】
オンライン開催(ZOOM)
日時:2023年8月3日(木)18:00~20:00
対面開催(会場:新潟ユニゾンプラザ)
日時:2023年8月11日(金)13:30~15:30

【定員】
30名 ※オンラインは定員なし

説明会では本事業の趣旨とめざすもの、プログラムの詳細と注意事項に加え、受講者向けに行う予定の事前勉強会の中身も一部ご紹介します。
プログラムへのエントリーは、新潟市内の経営者及び経営者に準ずる方に限りますがセミナー&説明会はどなたでもご参加いただけます。ご興味ある皆さまお越し下さい。

最後に

チラシのコピーに書いたのが、現状の新潟に対する私の危機感です。改めて引用します。

「地元にはやりたい仕事がない」「働きたいと思える会社がない」…若者の新潟で働くイメージがこう思われるようになって久しい。

若者たちは、一体何を求めているのだろう? 知名度? 給与待遇? それもあるだろうが、本当は違うはずだ。

人生100年時代、終身雇用が当たり前ではなくなった転職ネイティブ世代の若者たちは、人生を自らの手で切り拓く覚悟がある。 未来の自分の礎となるような成長機会と挑戦できる環境、そして高め合える人を彼らは探している。

足りないのは情報発信じゃない、私たちの挑戦だ。 知ってもらうのは会社名じゃない、私たちの背中だ。

若者に選ばれる新潟市を牽引する、意志ある人と協働し成長をめざす経営者のためのプロジェクト型講座、はじまる。

足りないのは情報発信ではなく挑戦です。知ってもらうのは挑戦を続ける私たちの姿です。

事業として上手くいくかは分かりませんが、企画を通じて新たな出会いや挑戦が一つでも新潟で生まれ、変化を楽しめる人がまちに増えたら嬉しいです。

アイデアに価値なし、実際の行動に起こして初めて価値があります。

そいう意味では、この事業は私にとって大きな変化に向けた小さな一歩。他者に挑戦を求めるならば、私たちも挑戦を続けなければ説得力がありません。

本事業に共感・賛同し、一緒に取り組みを育てていただけるオフィシャルパートナーも募集しています。

私たちと一緒に新潟を挑戦溢れるまちにしませんか?

#わたしのチャレンジ

数多あるnoteのなか、お読みいただきありがとうございました。いただいたご支援を糧に、皆さんの生き方や働き方を見直すヒントになるような記事を書いていきたいと思います。