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超音波治療器って何??

こんにちは。

福岡の鍼灸整骨院に柔道整復師として勤務しています。
妹川 和志(Kazuyuki Imokawa)と申します。
Twitterリンク→→@kazuyuki_imo


今回のnoteを読んでいただき沢山の感想をいただきました。
読んでいただいた方、感想をいただいた方
本当にありがとうございます。
一部ですが紹介をさせていただきます。

感想や質問をいただくと本当に嬉しく思います。
本当にありがとうございます。

また、今回の記事は超音波治療器の基礎になりますが、その基礎に合わせて
超音波治療器の設定あれこれ》
も合わせて読んでいただけたらと思います。

超音波治療器の設定について基礎と私の考えを書いている記事になります。
設定の方法に悩んでいる先生の少しでもヒントになればと思います。
興味のある方は今回の記事の
超音波治療器って何??》 と一緒に
超音波治療器の設定あれこれ》 も読んでみてください。

これからもインプットした事をアウトプットにしていきたいと考えています。
ますます精進していきますので、よろしくお願いします!!


では、《超音波治療器って何??》の本文に入っていきたいと思います。

突然ですが……
超音波治療器ってどんなイメージですか??

何も感じず塗り塗りしてる
     ↓
ずっと当ててるとほわっと温かくなってくる
     ↓
終わると
『あれっ!?何故かいい!』
もしくは
『効いたのかよく分からない・・・』
って感じを持っていませんか?

正直、私はそうでした。
むしろ効いてないと思ってる側の人間でした。


高校時代、スポーツをしていてケガで整骨院に通っている時、自分で超音波治療器を当てていましたが
『これ、何がいいの?効いてるの?』
って思いながら当ててたのが私の最初の印象でした。

その後、柔道整復師の免許を取ってすぐの頃は、自分が患者さんを施術する側になった時、ろくに超音波治療器の知識もないまま当てていて
『あれっ!?何故かいい!』
に変わりました。

今は、超音波治療器に対する知識も少しは増えて考えながら当ててみると
こんなにも効果が出るんだ!』
『こんな事も出来るんだ!』

に変わりました。

まだまだ上手くいかない事だらけですが
超音波治療器を使う事で改善が起きた時の患者さんの笑顔や、学生スポーツの競技トレーナーで帯同をする時に競技者からもらう感動が嬉しくて楽しくて、今はもっと患者さんに還元するために沢山の知識を身に付けようと勉強している真っ最中です。

最近の超音波治療器に対するインプットを踏まえて、アウトプットとして超音波治療器の事をまとめていきたいと思います。


ちなみに、超音波治療器(物理療法)については以下の参考書などを読みました。
これらの内容を自分の中に落とし込んで、理解したうえで自分なりの言葉で今回のnoteを書いています。
気になる方は物理療法の参考に読んでみてください。

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↓↓↓↓ リンク ↓↓↓↓
理学療法学講座 物理療法学
エビテンスから身につける 物理療法
EBM物理療法 ※現在は第4版


*当院は伊藤超短波のES-910とオステオトロンV(LIPUS)を使用しています
その機種を中心とした説明になるので偏りもあると思います



【はじめに】

はじめに

恥ずかしながら
仕事を始めた頃の私は、患者さんから
『超音波治療器って何ですか??』
と聞かれても、機器の説明も効果の説明も答えられなかったと思います。

それは患者さんの体を触る上で本当に怖い事ですし、本当に失礼だと今になって思います。
でも、私のような方は少なくないのかなとも感じます。

患者さんは、術者に対して信頼のもと身体を委ねてくださっていると思うので、それに応える為にも超音波治療器に限らず、自分が使っている

機器の説明 
と 効果の理解と説明

が出来る事は必要な事だと思います。

また、どんな治療機器も使い方によって効果の出方もそれぞれです。
それは、身体を良くもすれば悪くもします。


効果(変化)がある = 壊す事も出来る


使い方によってはこれも十分あり得ます。
皆さんも経験があると思います。
私も沢山あります。

最近でもスタッフに EMS+運動 を試したらギックリ腰になってしまった事は秘密ですw
その後、ちゃんと超音波治療器を使って施術しました。

超音波で、音波痛が強く出ている。
     火傷を起こす。
     めまいを起こす。
     逆に悪くなる。
  など

自分の勝手な判断で大丈夫だと思っていても、身体の反応は違っている
なんて事はざらです。

この様な事をなるべく起こさない為にも正しい知識は必要だと思います。


そこで、このnoteは正しい知識と基礎を自分の中で咀嚼して、落とし込んで、もう一度自分自身の中で理解して身につけた知識として、患者様に還元するための一助になればと思います。


では、前置きが長くなりましたが
超音波治療器って何??
について書いていきたいと思います。

まずは、前述した様に
効果(変化)がある=壊す事も出来る
の事を踏まえて、超音波治療器を使う上での禁忌についてです。



【超音波治療器の禁忌って何??】

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皆さん超音波治療器の禁忌は知っていますか??

正直、僕はほとんど知りませんでした。

何となく、
『これはやっちゃいけないよな?』
『ここに超音波を当てるのはヤバそうかな?』
ってくらいでした。

いやいやいや・・・・・・・
怖すぎます!!!!!

どちらかと言うと治療方法や応用、効果ばかりに目が行って禁忌は疎かになりがちです。

もちろん私もそうです。

しかし、
禁忌を知る事は患者さんの為はもちろん、自分を守る為にも必要
だと思います。

超音波治療器の禁忌

●頭部(目・耳)
目や耳の液体部分に空洞化が発生する

●癌(悪性腫瘍)
腫瘍の増大を引き起こす可能性がある

●放射線治療部位
他の部位に転移や、炎症を増悪させる可能性がある

●妊婦の腰部・腹部・骨盤部
胎児の発達異常など、悪影響を及ぼす可能性がある

●生殖器(睾丸など)
無精子症の可能性や、配偶子への影響の可能性がある

●急性損傷や炎症の強い部位
炎症を増悪させる可能性がある

●血栓性静脈炎・深部静脈性血栓症
血栓を遊離させ塞栓を起こす可能性がある

●植込み型電子装置(ペースメーカーなど)
ペースメーカーを加熱したり電気回路を妨害する可能性がある
四肢末端部には当てる事は可能

●椎弓切除術後や開窓術後
中枢神経系が覆われていないため、超音波が脊髄に当たる可能性があるため

●頸部前面
頸動脈・頸動脈洞・星状神経節・迷走神経に照射すると悪影響を及ぼす可能性がある

●感覚障害や意思疎通の難しい人
感覚障害や意思疎通が出来ないと、過量の超音波照射を行う可能性がある

●成長期段階の骨端線
高出力(3W/㎠以上)で長時間の照射により骨の発育抑制が生じる可能性の報告がある
しかし、低出力で痛みの出ない範囲での照射は可能との報告もある
絶対的禁忌ではない

並べるだけでもこんなにあります。


この中でも、気になるのは
成長期段階の骨端線の絶対的禁忌ではないって所です。

『んっ・・・??』
って思う方も多いと思います。
『絶対的禁忌って何・・・??』

絶対的禁忌とは
『何が何でも絶対ダメ!!』
ってやつです。

『じゃあ、これは何なの??』
ってなりますよね。


悪くする可能性もあるし、良くする可能性もある。
だから、使ってはダメなわけじゃないけど安全とは言い切れない。

ようは、悪くする・影響を起こす可能性がゼロじゃないって事です。
基本、骨端線には照射する事をお勧めはしないって事です。

それでも、もしLIPUSなどを骨端線に当てる場合は、本人と保護者にちゃんと説明をした上で、効果と影響の可能性を理解と納得してもらって使う事が必須だと思います。


禁忌を並べてみて思う事は、
患者様と接しながら禁忌の疾患を患っている方と出会う可能性が結構多い、もしくは、知らないだけですでに出会っている可能性がある
って事です。

『今まで運良く患者さんに異常が出なかっただけで、気付かずに禁忌がある人にも超音波治療器を使っていた事があるんじゃないか??』
って考えると本当に知らないって事が怖くなります。

このような事を起こさないためにも、施術を行う前に問診によってしっかりと相手の事を知る事は本当に大切だと思っています。


さて、超音波治療器の禁忌を知った所で
ここからは本題に入ります。

今回は超音波治療器を使う上での基礎をまとめていきたいと思っています。
あくまでも使う上での基礎です。

応用のような疾患別の使い方ではなく、使い方の基礎と機能を理解する事が大切だと思っています。

基礎を踏まえて患者さんに合わせて使い方を考え変えていく事が応用に繋がっていくのではないかと思っています。

なので、次は超音波がどのようなものかを理解して、超音波治療器を使う上での基礎を書いていきたいと思います。



【超音波って何??】

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まず、ここからです。
『そもそも超音波って何??』
ですよね。
私はその理解すら出来なかったのですから。
※ここでは患者様への説明用ではなく、あくまでも超音波の基礎を話していきます

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