さよならだけが人生か。でもさよならにも言い方がある。(02)

11月16日。
デイサービスに行く予定だったが、
36.9度とやや体温が高く、
座ることも難しい状態。
デイサービスに電話を入れて、行けない旨を伝え、
私自身も、この日はミーティングの予定を
入れていたけれど、キャンセルする。

パン粥やヨーグルトなど、食欲は旺盛。
だが、目を閉じてスプーンでかき込むような感じで、
もうお箸はすっかり使えない状態になっていた。

施設に入ることは、安全とひきかえに、
尊厳のあるひとつひとつの日々の生活を奪う。
7ヵ月以上にわたる老健での生活は、
母を確実にちがう段階に持っていってしまっていた。

トイレのたびに、ポータブルトイレの便器に
母を担いで座らせる必要があり、
私の腰はすでに悲鳴を上げ始めていた。

それでも、小さめに焼いたホットケーキを
細かく刻み、とろみでゆるめたこしあんで
あえた「どらやきもどき」は好評で、
おいしいおいしいと食べてくれた。
病院で出してもらった栄養ドリンクも
口に合うようで、喜んで飲んでいる。

夕方には熱が37.5度に上昇。
カロナールと同じ成分の解熱剤を
買ってきてもらい、飲ませたところ、
36.9度まで下がってくれてほっとする。

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