さよならのそのあとで<埋葬編>


早いもので四十九日が過ぎた。
本当は、四十九日に合わせて
納骨したかったのだけれど、墓地側の都合で、
その翌週末に行うことになった。

この埋葬に関して、まず墓地を管理している
お寺さんに連絡してしまったのだけれど、
今振り返れば、おそらく石屋さんに
連絡するのが一番効率的だったのかな、
という気がする。

石屋さんに連絡すると、
石屋さんが墓地と連絡を取り合って、
希望に応じて手配をしてくれると同時に、
石に刻む原稿(といっていいのか)を
記入する用紙を送ってくれる。

原稿を返送すると、今度は校正を用意して、
返送してくれるので、確認する。
既存の石にどういったサイズ感で入るのか、
亡父の名前の部分も、鉛筆でなぞった原稿を
合わせて送ってくれるので、
ふたりの名前を床に並べて、
天地がちゃんと合っているかどうかも含め、
確認して校了した(若干職業病)。

当日、すっかり失念していたというか、
わかっていなかったのだけれど、
墓地が母の名義になっていたので、
その名義変更もする必要があった。

名義変更のための手数料が2万円。
所定の用紙に書き込んで、一緒に提出した。
母の名前が記入されていた
永代使用権の証書は回収され、
後日、新しい証書が送られてくるそうだ。

母の遺骨は、父のそれと比べて、
へたしたら10分の1くらいじゃないか
と思うくらい、少なかったのだけれど、
骨壺は、中身の割に立派でずっしりと重い。

先に現地で準備をしていた石屋さんが、
墓石の下部を開いて準備してくれていたので、
父の埋葬に立ち会えなかった私も、
はじめて、どのように骨壺が収まるのか、
見ることができた。
4人家族がぴったり収まるような
そのスペースにはいま、
ふたつの骨壺が並んでいる。

子供のいない弟夫婦は、すでに、
その墓には入らず、永代供養してくれる
納骨堂などを探すと言っているので、
母と父の遺骨も、いずれは墓じまいをして、
どこか別の場所に移すことになるだろう。

死んでもなお、終いのすみかとならないのは、
現在の墓事情と言うべきか。



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