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「子供が親を選んで産まれて来る」はただの迷信

「子供が親を選んで産まれてくる」一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
妊活や不妊治療中の人であれば、この言葉に傷つき、悩んだことがある人もいるかもしれません。

実際に「赤ちゃんに選ばれるために私に足りていないものは何でしょう?」という質問をされたこともあります。

タイトルにもしましたが、「子供が親を選んで産まれてくる」というのはただの迷信であり、何の科学的根拠もない話です。

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医療者が発信していても信用しなくてもいい

「子供が親を選んで産まれてくる」
この発言の厄介なところは、医師をはじめ、医療資格保持者が発言してしまっているところです。

これが、医療には関しては素人と思われるような人たちが(スピリチュアルな人々など…)発言しているのであれば、多くの人は「この人は何を言っているのだろう…」とスルーしたと思うのですが、医療資格保持者が発信するから余計に混乱を招いてしまっています。

ただ、医療資格を持っているからといって、全ての人が生殖医療に詳しいわけではありません。

そして残念ながら、全ての医療資格保持者が医療について正しく発信しているとは限らないのです。

トンでも医療の発信者の多くも、実は医療資格保持者です。
医療資格保持者が発信するから、それらしく見えてしまい、それらの情報に振り回される人も後を絶ちません。

「子供が親を選んで産まれてくる」これはファンタジーの世界の話であり、迷信でしかないのです。

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「お母さんの準備が出来ていないから」という呪いの言葉

「子供が親を選んで産まれてくる」この言葉としてセットで出てくるのが、「お母さんの準備が出来ていないから」という言葉です。

もうこの発言は呪いの一言でしかありません。
妊活・不妊治療で悩んでいる人が、この言葉を言われたら…
多くの人は、落ち込み、悩み、何かすがるものを探します。

”何かすがるものを探す” これこそ発言者の意図しているところなのです。

”不妊”は検査をしても原因がわからないことが多々あります。
これは本当に原因不明なのか、それともスクリーニング検査(最初の検査)では何も見つからなかっただで、追加検査や体外受精で原因が判明することもあります。

ただ、検査を受けたのに”原因不明”と言われるとモヤモヤする人も少なくないかと思います。
実際に10年前の私もモヤモヤした一人でした。
何か原因を見つけて、それを対処して早く妊娠したいと思ったものです。

多くの人は自分の中に必死で原因探しをします。
そんな時に、「お母さんの準備が出来ていないから、選ばれないんだよ」と言われたら…「では何をしたらいいの?」と思う人がほとんどだと思います。

そこに怪しげで高額な商品やサービスを提示してきます。
「妊娠できる身体に整える」なんて言葉を巧みつかって…

中には、「そんな言葉信じない…」と思う人もいるでしょう。
しかし、信じないと思っていても、ことあるごとにふとその言葉が頭をよぎってしまう…そんなお話を伺うこともあります。

「子供が親を選んで産まれてくる」
「お母さんの準備が出来ていないから」

医学的な根拠もないのに、この2つの言葉が出てきたら、そっと離れることをお勧めします。
これらの言葉に惑わされる必要も、振り回される必要もありません。

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救われる人だけが信じたらいい

そしてこれらの言葉を、流産や死産で我が子を亡くした人にまで平気で言う人がいます。

「忘れ物を取りに帰った…」
「タイミングを間違えた…」

確かにこの言葉が、当事者として救いになる人もいるかもしれません。
でも、全ての人にとってこの言葉が救いになるとは限りません。

それより、この言葉に自分を責め、苦しむ人の方が多いのではないかと思います。
・自分は選ばれなかった
・自分に原因があるのではないか?
・自分の準備が出来ていないから…

確かに不育症の場合は母体側に原因があります。
とはいえ、それは母親の責任ではありません。
不育症に関してはまだまだ解明されていないことも多く、どうしようも出来ない面も多いのです。

そして、初期の流産の多くは染色体異常が原因です。

赤ちゃんが来るタイミングを間違えたのでも、忘れ物を取りに帰ったわけでもありません。

これらのファンタジー、救われる人だけが信じればいい話で、他人が、悩んでいる人や、苦しんでいる人にかける言葉ではありません。

ましてや、医療資格保持者がもっともらしくこのような発言をするのは言語道断。

このような無責任な言葉に傷つけられる人が一人でも減ることを願ってやみません

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