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相談:気持ちの整理

相談
わたしには守るべき教えがあります。
誰に対しても寛容でいるように、全ての事柄に対して執着しないように、そのような教えをいつも実践しようと心がけています。
ある事件が起きました。
大々的に報道されたので、回答者さまもご存知かも知れません。
わたしの娘は、犯人の男に乱暴された挙句生きたまま火をつけられて、無残に殺されました。
苦労して試験に合格して志望していた医大に入り、一人暮らしを始めて夢への一歩を踏み出した矢先の出来事でした。
教えではこの男を許さなければならない。
しかしわたしには、どうしてもそれが出来ないのです。
それどころか、いつでも娘のことを考えて悲しい気持ちでいっぱいになり、そして男の極刑を願ってしまいます。
いけないことだと頭ではわかっているのです。
いつかは乗り越えられる試練なのかも知れません。
それでも、どう気持ちの整理をつけるべきなのかがわからず、常に悶々としています。


回答
本当に痛ましいことです。
娘さんもあなたも、気の毒でなりません。
ご相談を拝読していて胸が苦しくてなりません。
心より娘さんのご冥福をお祈りいたします。

極刑を願うお気持ちはとてもよくわかります。
それは娘さんの敵討ちになるかも知れないし、男がのうのうと生きている不公平の解消になるのかも知れません。

現在の日本は法治国家で、最高刑として極刑があります。
法廷で検察と弁護士が極刑かその回避かを巡って争います。
もし被告が認めなければ、犯罪の有無が争点になります。
最終的に量刑を決めるのは裁判所です。
相談者さんが罪の重さに対しさての刑罰を決めるわけでは無いのです。

被害者家族としての心情を聞かれることがあると思います。
その時に気持ちの整理がついていなければ、そのこと自体が回答になるのでしょう。
人に対して寛容でいたい。
娘さんを不幸にした相手は許せない。
両立したとしても、どちらも自然な感情です。
整理がつかない間に問い続けるのは、自身を深めるのに正しい態度と言って良い。
そのように、わたしは思います。


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