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【シーズン4-4:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「自分」とうまくつきあう④~悩みからの抜け出し方

(1)明るいイメージ? それとも鬱屈したイメージ?


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン4のテーマは、「つきあい上手になる考え方」。
つきあう対象を「外」と「中」に分けて考えると、「外」のつきあいの対象は他者や社会になります。たとえば、世の中が不景気なら不景気に対するつきあい方、好景気なら景気がいいことに対するつきあい方があったりします。
 
そのうえで、最初に押さえておきたいのは「中」、すなわち「自分自身の内面」から生じてくる「感情」や「感覚」とのつきあい方であり、これまで「自己嫌悪」「緊張」「怒り」とのつきあい方を紹介してきました。
 
今回のテーマは、「悩み」とのつきあい方です。
みなさんは、悩んでいることがありますか?
 
「悩み」を考えるにあたって、まずすべきは、「悩みとは何か」を「定義」することだと思います。
なかには、「未解決のものはすべて悩み」と考える人や、「明るい悩み」をもっている人もいるかもしれません。ただ、「悩み」に対して、どちらかといえば、後ろ向きで、沈み込むような、鬱屈したイメージをもっている人が多いのではないでしょうか。

(2)言葉を丁寧に解釈する理由

少し話は脇道にそれますが、何かの話をする際、私が一つひとつの言葉を丁寧に解釈しようとするのには理由があります。
なんとなくの雰囲気で話すのではなく、「とりあえずこの会話をしている間は、この言葉についてはこういう意味合いで使っていますよ」と合意したほうが、その言葉がもつ意味合いが明確になり、会話がスムーズに進行するからです。
逆にいえば、別のシーンでは、まったく違う定義で話を展開しても構わないと私は考えています。
 
「悩み」とのつきあい方を考える前に、もう1つお伝えしておきたいのは、私がベストな回答者ではないかもしれないということです。なぜなら私は深く悩むことがないからです。
 
ただ、医師は自分自身が重い病気を患ったことがなくても治療しますし、弁護士や裁判官は事件や事故を起こした経験がなくても裁判を担当することを考えれば、私が深く悩むことがなかったとしてもアドバイスはできるともいえます。
ただ、自分では悩み切っていないので、こういうところで回答するのにあまり向いていないかもしれないので、なんとも言えない、未経験だけれど、きっとこれでいいんじゃないの?という回答の仕方になることはご容赦ください。

(3)同じところをぐるぐる回る


私は悩んでいるというのは、次のような状態を指していると考えています。
 
頭の中で同じことがループして、ぐるぐる回って同じところに戻ってきているにもかかわらず、本人にはその実感がない――。
 
もし、「あれ、また同じところに戻ってきちゃった」と気づくことができれば、「これではダメだ」と思うはずです。たとえば、山中で迷ってしまった人が何度も元の場所に戻ってしまうといったシーンが、漫画、小説、映画等で描かれることがあります。登場人物が「また同じ場所に戻ってしまった。これはまずい……」と考えるように、普通は「これではダメだ」となって、抜本的な対策を考え始めるはずです。
 
気がつかないまま同じことを繰り返すと疲れてしまいますが、同じところをぐるぐる回っていることに早く気がつけばいいのです。
 
スタート地点に戻ってきてしまっていることに気づくのによい方法があります。
それは「思考」を書き出すことです。頭の中を書き出して見てみれば、「同じところに戻っている!」と気づけるはずです。
 
たとえば、前回のテーマの「怒り」を例に考えてみましょう。
「こんなことをされて腹が立っている!」からスタートして、「なぜ、こんなことをされたのだろうか」と悩んでも、相手の行動の理由はわかりません。
たとえ本人に尋ねたとしても、本当のことを言ってくれるかわかりませんし、きっと納得できる返答ではないでしょう。そもそも相手自身もわかっていないかもしれません。ほぼ解決が不可能な問題を考えているうちに、再び「なぜ、こんなことをされたのだろうか」と悩む……。
 
科学的に証明するのは難しいのですが、脳は問いを投げかけられると、答えを見つけるまで、執念深く考え続けるようにできているようなのです。だとすると、答えが見つからない問いを投げかけられたらどうなるでしょうか。
 
脳はエネルギーを使いながら、その答えを際限なく求め続けることになるといえそうです。

(4)解決できない問いは忘れるしかない


脳が答えのない問いを探し続けないようにするには、先述したように、同じところに戻ってきていることに気づく必要があります。
 
そのうえで、「この問いは解決できない」と思ったなら、抜本的な対策を講じなければなりません。なぜなら、「1周して考えてもわからなかった。2周して考えてもわからなかった。3周してもわからなかった……」となった場合、おそらくこれからも「わかる」ことはないからです。
 
これはトラップみたいなもので、少しでも考えようとすると、また同じところをぐるぐる回ることになります。だから、考えてはダメなのです。

「もういいや!」と考えるのをやめるしかないのです。
 
とはいえ、考えないようにするのは意外と難しいものです。
そんなときは、別のことを一生懸命やってみてください。そうすれば、忘れることができます。

(5)考えないようにすると、回路は細くなっていく


一言でいえば、「悩みは忘れましょう」というのが、「悩み」とのつきあい方になりますが、最後にもう一度、「悩み」とのつきあい方をおさらいしてみましょう。
 
まず、悩んでいることを認識するところからスタートしてください。悩んでいることに気づくコツは、書き出すことです。書き出すことで「同じところに戻ってきている」ことがわかったなら、一度忘れましょう。
 
たとえば、解決が不可能な問いを自分自身に投げ込んでいることがわかったなら、「これではいけない。この問いをやめよう。違う問いを投げ込もう」という感じで、別のことを一生懸命やってみましょう。
 
そうすると、だんだんと「解決が不可能な問い」の重要度が下がっていきます。その間も、脳はなんとか解決しようとするでしょう。それでも脳の回路は使われないとだんだんと細くなっていきます。
 
今回は、「悩み」とのつきあい方についてお話ししました。最後までお読みいただきありがとうございます。

次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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