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【シーズン2-5:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「フォワーダー」と「レシーバー」の心得

(1)途中ではしごを外される可能性を考慮しておく ~「レシーバー」の心得


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。

シーズン2では、CEOコーチングの中でも、とくに重要な要素である「未来思考:フィードフォワード」を軸にお話ししています。

 

前回は、「フォワーダー」(フィードフォワードを行なう人)と「レシーバー」(フィードフォワードを受ける人)について取り上げました。

今回は、それぞれの役割における「心得」をご紹介していきます。

 

「フォワーダー」と「レシーバー」のうち、より技術を求められるのは、「フォワーダー」です。
「レシーバー」については、「よし、レシーバーになるぞ!」と気負うことなく、とにかく気持ちよく話せば、それで十分です。

 

ただ、「フィードフォワード」する文化が定着していない組織、あるいは「フィードフォード」が身についていない上司の場合は、注意が必要です。日頃から「フィードフォワード」を実践している上司と、単に前向きな上司とでは、少し違ってくるということです。

 

たとえば、単に前向きな上司の場合、「フィードフォワード」をしようと思ってやっているわけではないため、途中まで「これからどうしたいですか?」と未来思考でやりとりしていたとしても、「それは、ちょっと無理かな」と急ブレーキをかけるケースがあります。
急ブレーキをかけられてしまったレシーバーは、「あれ、いままでの話は何だったんだ……」とショックを受けてしまうかもしれません。

 ですから、レシーバーとしては、途中ではしごを外されてしまう可能性を考慮しておくこと、そして「ここまでは前向きな対話をできたからよしとしよう」と割り切ることも必要になってきます。

(2)否定せずに、受容する ~「フォワーダー」の心得


「レシーバー」が気持ちよく話せる環境を整えるのは、「フォワーダー」の役割であり、「話す」という意味では「レシーバー」が主役になりますが、「フィードフォワード」の主導権を握っているのは「フォワーダー」です。
 
「どのように質問するか」「どのように会話を展開していくか」「どうやって未来に向かう時間を創出するか」、あるいは「組織に『フィードフォワード』のカルチャーを埋め込むにはどうすればいいか」といったことを考えるのは、「フォワーダー」の役割になります。
 
そんな「フォワーダー」にとって必要なのは、「レシーバー」を受容することです。
「受容」するというと、心理学っぽく聞こえてしまうかもしれませんが、要は「深く受け入れる」ということです。
 
さきほどの「急ブレーキ」の話の逆の発想と言ってもいいでしょう。具体的には、「レシーバー」がどんなことを話したとしても「いいね!」と思うことがポイントになります。口に出して「いいね!」と言わなくても構いません。「表情」や「しぐさ」などで「あなたの話を肯定的に聞いている」ことを伝えてください。
 
こちら側から水を向けて、「これからどうしたいですか?」とか、「夏休みどうするの?」と聞いているにもかかわらず、「あー、それは違うな」と言ってしまったら、相手は話したくなくなりますよね。
 
これは通常の対話でも同じです。こちらから聞いた以上は、肯定的に聞いて、受け止めるのが、コミュニケーションの基本です。

(3)「それは違うのではないか?」と感じたときの対処法


「フィードフォワード」では、相手の話を肯定的に聞いたうえで、相手の思考を未来に送る対話を展開していきますが、実は「フィードフォワード」的な質問をしたからといって、想定した答えが返ってくるとは限りません。
 
想定した答えと違った場合、「フォワーダー」の心の中に「その未来ではないのでは?」「それは違うのではないか?」という気持ちが湧き上がってくることもあるでしょう。そんなときでも、「それはいいね!」とか「そうなんだ!」と相槌を打つのが、フォワーダーの役割です。
 
「『それはいいね!』と言ってしまうと、違うと思っているのに『応援している!』というメッセージになってしまいませんか?」と心配になる人もいます。
 
ここでの「それはいいね!」は、あくまで「しっかりと受け止めました!」という意味合いの「それはいいね!」になります。
ですから、「あなたのメッセージは受け止めたけれど、私は違う意見をもっています」というケースもあり得ます。たとえそうだとしても、「あなたはそう思っているのですね!」と受け入れることが大切なのです。経験豊富なフォワーダーは、このあたりの対応を心得ているものです。
 
また、未来の話を聞いているにもかかわらず、「過去」の話が返ってくるケースもあります。
そんなときは、「それは過去の話だから、いま聞きたいことではありません」と否定するのではなく、「いま話してくださったのは過去の話ですね。未来の話も聞かせてください」、あるいは「たしかにそうですね。この先はどうしたいですか?」と促してみてください。
 
以上、今回は、「フォワーダー」と「レシーバー」の心得についてお話ししました。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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