【シーズン3-5：エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】ゴールを言語化する～「バランスホイール」の傾向
（１）たった1時間の習慣が人生を変える
こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
シーズン3では、書籍のタイトルにもなっている「ゴールドビジョン」についてお話ししています。
「ゴールドビジョン」においては、「目指す夢、ゴールを達成した」感覚をもつことがポイントになりますが、そのゴールを設定するときに役立つツールが「バランスホイール」です。
「バランスホイール」は、紙と筆記具さえあればすぐに作成できます。
まず、縦線と横線で十字を描きます。その十字に線を2つ足して8等分してみてください。8つのスペースに、たとえば「職業」「家族」「趣味」「友人」「健康」「教養」「お金」「社会貢献」と書いて、それぞれの項目に沿って具体的なゴールを記入すれば、まずは完成です。
ゴールは、その瞬間頭に浮かんだもので構いません。
「バランスホイール」を上手に書けるようになれば、ほとんどの人は、日々の生活が向上し、人生が劇的によくなっていきます。
「バランスホイール」は、10分、15分、長くても1時間くらいで書くことができます。
これを週に1回もしくは2週に1回、時間にして1回あたり最大1時間程度を自分に投資することができれば、人生も仕事も充実したものになっていきます。実際、劇的に変化した人たちを私は何人も知っています。
（２）考えるだけでなく、書いてみる
「バランスホイール」は、書くだけで成果が出る強力なツールです。
その理由について、自分の夢や願望を「頭で考える段階」、それを「言葉にする段階」、「紙に書く段階」のギャップに着目して考えてみたいと思います。
たとえば、「志望校に合格したい」と頭の中で考えていることと言葉にすることの間にはギャップがあります。
そして、言葉にしたことと紙に書くことの間にもギャップがあります。人に話したり、たとえ独り言であっても「口に出す」ほうが、頭の中で考えている状態よりも強力であり、口に出した言葉は「紙に書く」ことでさらにパワーはアップします。
なぜでしょうか。
紙に書くことは、自分の思考を外部に出すことであり、「客観視」が可能になるからです。自分の中にあって、自分と一体化していたアイデアは、文字にした途端、「外のもの」となり、外から評価できるようになります。
「バランスホイール」に書くゴール、目標、夢は「現状を超えるもの」、可能であれば「現状を大きく超えるもの」にするのが良いです。現状を大きく超えるようなゴール設定をすることによって、脳、心は最大限働くことができるからです。
（３）反対側に目を向けてみる
経営者のみなさんとお話ししているなかで、「自分のゴールと、会社・組織のゴールをどう捉えたらいいのでしょうか。いつも仕事のことを考えているので、ゴールのほとんどが仕事関連になってしまいます」という質問が出てくることがあります。
その場合は、「8個のうち7個は仕事以外のことを書いてください」と、強制的にプライベートにおける目標を挙げてもらうようにしています。
また、会社の中で出世して、偉くなっている人の中には、「仕事であれば、現状を大きく超える目標を設定できるけれど、個人の目標だと、現実的なものばかりになってしまう」とおっしゃる人もいます。
出世した人、すでに成功している人は、いろいろな意味で満足してしまっている状態、恵まれた状態にあるので、「プライベートは、そこそこでいいですよ」となっているのです。
仕事とプライベートのバランスについては、個人の好みがあるので、その人次第ではありますが、注意が必要なのは、プライベートが充実していないと、仕事のほうも伸び悩んでしまうことがある点です。そうしたケースでは、「プラベイートを充実させたほうが、結果的に仕事も伸びますよ」とアドバイスするようにしています。
一方、会社の中で出世し切っていない人、裁量に制限がある人は、仕事のゴールを現実的なものにしてしまう傾向があります。
「出世ルートはこうなっていて、同期の彼が出世したので、自分はこのあたりにいる。目標はこんなところかな」
「この会社で自分はこれくらいかな。転職してみようかな。でも、難しそうだな。じゃあ、ここでこのままがんばろう」と、自分で制限をかけてしまっているのです。コンフォートゾーンを守っている状態と言ってよいでしょう。
そういう人たちは、自分で自分に制限をかけてしまっているだけですので、「まだやれることはあります。人に言わなくても構いませんので、野心的な目標、思い切ったゴールを設定して、そこに向かって邁進してみてはいかがですか」とお伝えしています。そうすることで、プライベートのほうも一段と充実したものになるからです。
強制するわけではありませんが、「反対側」にも目を向けることができれば、人生はより豊かに、より幸せなものになっていくと、私は考えています。
「ゴールドビジョン」のゴール設定のポイントは、「現状を大きく超える目標であること」（すごい軸）、「自分が心から望むものであること」（やりたい軸）、「ゴールはたくさん設定すること」（たくさん軸）の3つです。その3つを意識しながら「バランスホイール」を書くことを習慣化していただければと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。
書籍『ゴールドビジョン』（ソフトカバー、kindle）
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