救急車
救急車を見るとドキドキする。
今までだって、勿論、サイレンを鳴らして走って来るのを見れば、大変だと道を開けた。
今は、サイレンを鳴らす救急車を見ると、あの日に記憶が引き戻される。
あの、訳の分からない恐ろしさと必死さが、
蘇ってくる。
今日は、別々の場所で、2台の救急車を見かけた。病気や怪我の方を乗せ、病院に向けて、出発する前の。
私はこれまで、自分が全く「子ども」だったことに気づいた。
命の瀬戸際に、
しがみつく程立ち合ったことなど、
一度も無かったのだから。
引き戻すように名前を呼ぶ、
あの瞬間に、
いつまで戻らなければならないんだろう。
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