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視機能が子どもの運動上達をサポートする

最近、子どもの発達や運動神経を上げるために、ビジョントレーニングが注目されています。


目でものを見る事が大事なのは誰でも理解ができると思います。しかし「目でものを見る」事は、私たちが考えている以上に非常に重要な要素を持っているのです。目の発達が運動だけではなく、勉強ができる様になるか、その子の精神状態にまで大きな影響を与える事がわかっているのです。


今回は、目の発達が子どもに与える影響を記事にしていきたいと思います。


目の動きで大事な視機能

目の重要な役割の一つに、運動の上達に非常に関与してくる事が挙げられます。


「見る」事を意識した際、大体の方が視力をイメージすると思います。しかし実際には物を見る視力以外にも重要な役割を目は持っています。


目で情報を取得するとき、色々な目の機能を使って私たちは生活をしています。例えばデパートを歩いているときに気になる商品があれば、思わず目で商品を追ってしまう事を経験した事があると思います。また周囲に気を配るとき、目だけを左右に動かして情報を得ようとすることもあると思います。

この前者の動きを追従運動といい、後者の動きを追従運動といいます。この機能がすごく大事で、もし目と首が別々に動かなければ視野は狭くなってしまい視覚情報は減少してしまいますし、首や目に負担がかかってしまうので肩こりや目の疲れといった症状につながってしまいます。


この様に目が視覚情報を集めるために機能的に動く能力の事を視機能といいます。目の機能を十分に発揮させるためには、視力だけではなく、この視機能も非常に大事になります。


目が自由に動く視機能は運動にも非常に大事になります。運動に関与する重要な反射の一つに前庭動眼反射という反射があります。具体的にいうと、頭の位置に対して目を一定の位置に固定する事で、頭がぶれても対象物をブレずに目で認識し、バランスを保つ反射になります。この反射がある事で私たちはどんな姿勢でも視界がブレずに安定して行動を起こす事ができるのです。


視機能で姿勢も変わる

この視機能の低下が生じると、姿勢保持能力の低下やバランスの不良、目眩症状の出現など運動機能に問題が生じてしまいます。

この視機能の問題は子どもだけでなく大人でも多くの問題を起こしてしまいます。実際に大人のクライアントの視覚機能の評価を行ったりするのですが、大抵の人が首と目を別々に動かせない、目を動かすこともなかなかできない人が多くなっています。そしてその人たちの多くに肩や腰に問題が生じてしまっています。視機能は人間が快適に生きていく上でも非常に重要なポイントになってくるのです。



目の動きは姿勢にも偏りを生じさせます。目の状態に関して瞳が外に向いているかうちに向いているかで姿勢への影響が生じます。


目が少し外側を向いている場合は外斜視といい、少し内側を向いていると内斜視といいます。この斜視はその人の姿勢に大きく影響を及ぼします。


外斜視の際は首を前にだし、背中は丸くなります。また体重が足部の外側にかかり、O脚の変形を起こしてしまいます。内斜視の場合は首を引きすぎ、足はX脚方向へ体重がかかるようになってしまいます。


この様に、目の見える位置や眼球のポジションで姿勢やパフォーマンスに影響を及ぼす事がわかりました。眼球運動が子どもの運動発達に非常に重要になるのです。


子どもの視機能低下が増えているわけ

最近、運動に重要な視機能が落ちてしまっている子どもが増えている事が問題になっています。実際にメガネをかけている子も昔より増えてきており、今後子どもの健康面での大きな問題になる事が懸念されています。


この視機能が落ちてしまう原因の一つに、テレビやスマホを子どもが見る様になっている事が挙げられます。


視機能は先ほども説明した様に、目と頸部の動きを逆にしたり目をいろいろな方向へ動かす事で育っていきます。しかしテレビやスマホでは狭い画面の上だけを集中して見るだけで事足りるので、眼球運動を行う機会が減ってしまいます。


その結果、眼球の視機能が低下してしまい、目の機能が落ち、身体機能も落ちてしまうという負の連鎖が起きてしまっているのです。


なので、運動の観点からも視機能を整える事は子どもの発達に非常に影響をしてくるのです。



今回は眼球機能の大事さをまとめてみました。次回は目の動きと学習の関連性をまとめてみたいと思います。

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