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GOOD LUCK

昨日、テレビのバラエティー番組に北川景子さんが出演していました。
(再放送かもしれません。ボヤーっと見てましたので。)
航空自衛隊百里基地まで出向き、最新の戦闘機に同乗していました。
普段厳しい訓練に明け暮れる若い隊員は大盛り上がりです。
北川さんに、目覚ましメッセージを吹き込んでもらっている方もいました。
あんな美女が突然目の前に現れたら、当然の成り行きでしょうね。
北川さんが見学する設定で、大食堂やら隊員の住居などをさりげなく見せていました。戦闘機への試乗はメインイベントでした。
へえ~。航空自衛隊てこんな感じなのかと素直に見てしまいました。
もちろん国家機密に属するところは取材NGだったと思いますが、それにしてもここまで取材協力をするのかと、別の驚きもありました。

最近では同様のテレビ番組企画が、大変多いように思えます。
自衛隊、警察、消防、海上保安部、病院、研究施設。。。
これまでは報道で話題になるものの、果たして実態は?
と思われていた施設が、放送局の求めに応じてというよりも、むしろ積極的に取材協力しているようにも思えます。
映画「空母いぶき」なんていうのもありましたが、実在の「空母いずも」のことであることは丸わかりで、ここまでいいのかなあという感想でした。

世論が甲論乙駁しがちな組織が多く、これまでの秘密主義から脱却し、ブラックボックスをできるだけ排除していこうという意図だと思います。
これらの施設の多くは、総論賛成・各論反対というものです。
世の中としては必要と思うが、自分の家の近所に来るのは嫌というやつで、「嫌悪施設」と呼ばれます。イメージ先行という部分は多いのですが。。。
バラエティー番組でいいのかという思いはありますが、こういうやり方には基本的には大賛成で、施設・組織イメージの向上策としては的を射たものと思っています。

かたや「原子力発電」。同じく「嫌悪施設」と呼ばれます。
こういうやり方は無いものなのか?
国の施設であったり、公共性が高いから取れる戦略なのだろうか。
原子力現場にいながらいつも感じていました。
われわれも別に人に伝えられない仕事をコソコソと隠れてやっているわけではなく、堂々と取材してもらっても後ろめたいことは何もない。
やっぱり私企業では難しいのかなあ、というあきらめにも似た気分でした。

◇ ◇ ◇

今から20年以上前に「GOOD LUCK」というドラマが放送されました。
ご存じ木村拓哉さんと、柴咲コウさんが共演したものです。
基本、ドラマは見ません。続けて毎週というのが続かないからです。
ただこのドラマだけは、何があってもという気分でチャンネルを合わせていました。どうしても柴咲コウさんを見たかったからです。
これまで見た、どの女優さんと比べても「ありえんくらい美しすぎる!」。
デビューCMの「ファンデーションは使ってません」からのファンでした。
ストーリーは、パイロット役の木村さんと、整備士役の柴咲さん。
整備士であるのにもかかわらず飛行機に乗れない柴咲さん。両親を飛行機事故で亡くしたという柴咲さんのトラウマを、木村さんが徐々にほぐしていき最後はハワイ航路に彼女を乗せるというような流れだったと思います。
脇を固める俳優陣も豪華で、堤真一、竹中直人、黒木瞳、いかりや長介などでした。視聴率も常に30~40%を打ち出しており、これ以降木村さんは「ドラマの視聴率男」となったと思います。

私が注目したのは、柴咲コウさんはもちろんですが、ドラマ制作に全面協力した全日空(ANA)の戦略です。
取材協力の費用・手間=企業イメージと考えた結論でしょう。また放送局ともウインウインであるためお互いの費用負担はないものと想像できます。
画期的な企業イメージ戦略です。
ANAの懐の深さを感じてしまいます。
放送直後からANAの株価は急上昇、航空業界への就職希望者が急増!

当時、私は原子力発電所の現場にいましたが、もし原子力をテーマにドラマ制作のオファーがあったとしたらどういう対応になっていたものか。。。
原子力のイメージ戦略は、国・業界団体・電力会社ともに残念なものです。
間違いがあってはならないという思いか、常に小難しく、一方的。
反対論はもちろん心配論までも許さないという雰囲気がムンムンです。

企業活動に閉塞感がある今こそ、こういう画期的なコラボレーションが必要ではないでしょうか。

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