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村上春樹「蛍」での疑問を「ノルウェイの森」でチェック

前回、「蛍」の中の疑問の続きです。

「蛍」の中で抱いた疑問に関しては、「ノルウェイの森」で確認したくなりますよね。
 ※疑問:文京区からは新宿が右、池袋が左、には見えないハズ?!

「ノルウェイの森」は、「蛍」をベースに書き綴られた長編作品。そんなことは、誰でもが知っていることですし。

そこで早速、自宅の「ノルウェイの森」を開いて確認しました。
こちらは、ハードカバーを購入していました。
「蛍」ベースの長編作品が出て、文庫化を待ってなどはいられないから当然ですが。

蛍では、「寮は見晴らしの良い文京区の高台にあった」との記載。
これがノルウェイの森では、「その寮は都内の見晴らしの良い高台にあった」に変わっています。
一方蛍では、「右手には新宿の街が、左手には池袋の街が見えた」とあった記述は。
ノルウェイの森では「右手には新宿の街の光が、左手には池袋の街の光が見えた」との記述で、光が加わっただけでそれぞれの街が見える方向の変更はなし。

 ノルウェイの森の刊行にあたり、きっとこんなことがあったのでは?
編集者:「村上さん、文京区から右手が新宿、左手が池袋は逆ですっ」
村上氏:「そういや、そうだよねぇ」
編集者:「文京区を中野区とかに直せば、方向は合いますが…」
村上氏:「見る拠点を具体的に変更するのもなぁ」
編集者:「じゃー、都内のとしちゃいましょうか?」 

<今回の疑問>
皆様、どう思われますか?
「作品の本質に大きく係る間違いではないけど、わざとらしい修正は避けよう」
村上春樹さんと編集者は、チラリとそんな風に考えたのでは?

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